異性の世界はこちらです

神崎 未緒里

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secret club

chapter.6 First Epilogue






とりあえず服を着てそのソファーから立ち上がって
さっき飲みかけだったわねとバーカウンターに戻ったところで、
黒服さんに声をかけられたの。


「本日は初回ですのでそろそろお時間になります。よろしいでしょうか?」

「わかったわ。それじゃどうしたらいい?」

「では、こちらへ。」


黒服に案内されてまたカーテンをくぐって部屋の外に出た。


「では、変装を外してこちらを装着いただけますか?」


そう言われて最初につけたものを外して、VRゴーグルを装着した。


「では、あとはゴーグルに表示される指示に従ってくださいませ。お疲れ様でした。」


黒服はそう言って立ち去っていった。
同時にゴーグルにこう表示される。


「お疲れ様でした。では、画面の指示に従って控室へ向かってください。」


ここにきたときと同じように廊下を案内される。
そしてドアを開くと最初の部屋に戻ってきた。


「お疲れ様でした。ではいまから元の姿にもどっていただきますので一旦服を全て脱いで近くのかごに入れてください。」


指示されるままにすべての服を脱いでかごに入れる。

身体にはさっきまでの快楽の余韻がまだ残っている。
もう少し楽しみたいなって。
正直そんな気持ちにもなってはいたけどしょうがないわね。


「では、そのまま椅子に座ってください。」


椅子に座るとゴーグルの画面が真っ暗になった。


「では、今からあなたを元の姿に戻します。テーブルにある薬を近くの水で飲んでください。」


最初の時と同じように薬を口にふくみ水で飲み込んだ。


「では、しばらく動画をご覧ください。」


そのメッセージの後、今度は河辺の夕焼けの風景が映し出させる。
なんだか懐かしい感じがした。

最初の時と違って同じような風景が続くの。

ただ夕方が夜になる、そして朝がくる。

だんだんと身体が熱くなるのを感じる。
最初と同じような身体のあちこちが引っ張られたりするのも感じる。

同時に頭の中がスッキリとしてくる。

やがて目の前の映像が光が溢れるものに変わった。

その光を見ていると今日会った出来事が
本の中の物語のように感じ始めていた。

やがて真っ暗な夜が訪れる。

夜道を一人の男がこちら向かって歩いてくる。

その男はやがて自分を飲み込むように迫ってきた。
そのまま目の前が真っ黒になったところでメッセージが表示された。


「間もなく完了いたします。今日、ここであったことは全て夢の出来事でした。またいらしてください。」


そう。夢。夢か。

そんな言葉が自然と浮かんでくる。


「では、これにて終了となります。お疲れ様でした。ゴーグルを外してください。」


そのメッセージを確認してVRゴーグルを外す。
目の前のテーブルにそれを置いた。

ん?いままで何をしていたんだ?
ちょっと不思議な感覚を覚えた。


「お疲れ様でした。今日は初回でしたがお楽しみいただけましたか? 服装を整えられましたら後ろのドアから退出ください。またのご来場をお待ちしております。」


そうだ。今日ここに初めてきたんだった。
だが、どういうことがあったかちゃんと思い出せない。
うっすらと女性になったような気がしたり、
身体に不思議な感覚の余韻があったり。

まぁ、あとでゆっくり思い出してみよう。

そんな事を考えながら服を全て着てドアをあけて退出した。

エレベーターに乗って1階に降りた。

ビルの外に出るとなんだか気持ちがいい風が吹いていた。

なんだかよくわからなかったが
とても気持ちはスッキリとしたような気がする。
そして最近感じたことがないような
明日頑張ってみるかという気持ちが湧いてきた。
そのまま帰路につくのだった。

帰宅すると妻が先に帰っていた。

珍しく妻からいろいろと話かけてくる。

そんな妻を見ているとここ数年感じたことのない
興奮を覚えてしまった。

その夜何年ぶりかに妻とセックスをしたのだが、
なんともいえない違和感を感じながらだった。
妻もどことなく同じ雰囲気だったのは気のせいだろうか?

しかし久しぶりにしたはずなのに
何度目かの疲労感があったのも
また不思議なことだった。

こうしてあの不思議な体験にいったからなのか、
夫婦仲が少し改善したのは不思議なものだ。
浮気を疑ってはじめたことなのに。

だが、今日、本当にどんな体験をしたのか?

それはあなただけが目撃したということになるかな?
自分自身はあまり覚えてないのでね。

そして、よくわからないがまた来週あの場所に
行ってみようみようかとふと考えるのだった。
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