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由美子編

その出会いは突然やってきた

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これは本当にあった!?かもしれない、ちょっと大人な体験談です。



会社の同僚から妙な提案をうけた。

聞けばその同僚がセフレのように懇意にしている主婦の友人を紹介したいというのだ。
いったいなのことかわからず状況を聞いてみると、
どうやら同僚と主婦は町内会の懇親会で意気投合して、
定期的に会っているらしい。
そして、その主婦から友人がセックスレスで悩んでいるので、
誰かいい人はいないか?と聞かれたということだった。

聞くだけであればこんなおいしい話はないが、
どうにも胡散臭いというか、
なにか裏があるのではないか?と疑ってしまうのは人間というものだ。

本人の写真も見せてもらったのだが、
ショートカットでかなりの美人というか
どこぞのアイドルか?というような可愛らしさだった。
ますます怪しい。

しかし、同僚が頼み込んでくるので、
まぁ、お茶ぐらいならとしぶしぶ了解した。
ただし、同僚とその主婦の方も同席するように依頼した。
いきなり二人きりでなにかあってもたまったものではないからだ。

早速、同僚が日程を調整してくれた。
ある日の午後に4人で会うことになった。

約束の時間ぐらいに指定された店に向かっっていると、
店頭で同僚を見つけた。

「おぉ!来てくれたか!ありがとうな!」
「まぁな。そこまで頼まれたら断れないだろ」
「ほんとに感謝するよ。でもな、ほんと悪い話じゃないと思うんだ」
「まぁ、話してみて判断するよ」

そう言って二人で店に入った。
先方はまだ到着していないとのことで、
4人掛けの席の片側に男二人で座った。

コーヒーを注文して仕事の話やらをしていると、
店に二人の女性が入ってきた。
遠目に見えるだけでもこれは現実なのか?
と目を疑うような美女だった。

その美女二人がこちらに向かってくる。
同僚が手を振っている。
ここまで疑いのほうが大きかったが、
少しなにかいい話なのか?と感じ始めていた。
しかし、こうやって油断させてなにかあるというはよくある話だ。

「槇原さん、こいつが話してた同僚です」
「まぁ、はじめまして。槇原です」
「いつもこいつがお世話になってるようで。こちらこそ突然すみません」
「いえ、こちらが無理言いまして。紹介しますね。こちらが私の友人の坂本さんです」
「はじめまして。坂本です」

そんな形式的なやりとりをしつつ、
目の前にいる坂本さんは写真で見るより実物のほうが断然かわいい。
スレンダーな感じであるがメリハリあるスタイルは思わず見入ってしまう。
なによりショートカットが似合っている。

そうして4人になり、同僚と槇原さんがどんどんと話をすすめていく。
あまりの勢いに自分と坂本さんがキョトンとしていると、
二人から「まぁ、とりあえず二人で話してみてよ」と言い出された。
完全に二人のペースに巻き込まれた坂本さんと自分に、
同僚と槇原さんはじゃぁ!と言って席を立ってしまった。
同僚が会計はしておくからうまくやってくれよと耳元でささやいて去っていった。

流れで二人にされたこともあり、
思わず二人で見つめあってしまった。
それがおかしくて笑ってしまった。

「ほんとにすみません。。。なんかこんな状況にさせてしまって」

坂本さんが口を開いた。

「いえいえ、こんな美人の方とお話できるなんてラッキーですよ」
「そんなことないですよ。。。いろいろ聞いてらっしゃるんでしょ?」
「実はあんまり聞いてないんですよ。正直、まだなにか騙されてるんじゃないか?と思ってますし」
「あら。それは失礼しました。」

そんな会話をしながら、
だんだんと話はできる雰囲気になってきた。

坂本さんが今日に至った経緯を簡単に話してくれた。
旦那さんと結婚はしたはいいが、
旦那さんはほぼ家にいなくもちろんセックスレス。
悶々とした日々であると同時に女としての魅力がないんじゃないか?と
自信を失いかけていたところに、
槇原さんから同僚との話を聞いたらしい。
槇原さんは同僚との関係ができてからイキイキとしているらしく、
とても羨ましいと思っているということだった。

なんだかここまで話を聞いていると、
こんな美人で可愛らしい方をほおっておくことが不思議でしょうがなかったが、
世の中にはいろんな人がいるものだなと世間の広さを痛感した。

その後、趣味の話や普段の仕事の話などをしていると、
不思議と気持ちが楽になっている自分に気がついた。
坂本さんもだんだんと笑顔が増えてきた。

なお、下の名前を聞いてみたところ由美子さんというらしい。

そうして気が付けば1時間ほどが経過した。
その日はせっかくのご縁なので連絡先を交換して解散となった。

帰宅すると同僚からメッセージがきていた。
その後どうだった?とのことだったので、
お話して連絡先を交換して解散したと伝えた。
今日はなにもなかったのか?と聞かれたので、
即日なにかあるわけはないと答えておいた。

そうしていると由美子さんからもメッセージが届いた。
今日のお礼が丁寧に書かれていた。
また、色々とお話したいですとも書いてあった。
正直少しウキウキしている自分がいたのは事実だった。

そうして由美子さんとの不思議な関係が始まった。

朝の挨拶から始まり、ちょっとしたことやらお互いの趣味の話やら
毎日それなりのやりとりをする日々になっていった。

2週間ほどたってみるとどうやら由美子さんはドライブが好きだということが分かった。
車の運転が好きな自分としてもその話はついつい盛り上がってしまい、
今度平日に休みをとってドライブにいくことになった。

こうして始まった由美子さんとの不思議な関係。
果たしてどんなことになっていくのやら。
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