婚約破棄されてイラッときたから、目についた男に婚約申し込んだら、幼馴染だった件

ユウキ

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神様に嫁ぎますわっ

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私はオーウェンとの結婚を回避すべく、色々と考えていた。


お父様が乗り気である以上、泣いて甘えてお願いしても無理だろう。何せ、元凶はこの私なのだから、そんな話が通るわけがない。

となると、家ではなく個人的な理由による破棄、解消よね??

経済上の理由は遥か上空を飛び越えてきてしまったから、一番手っ取り早いのは……やっぱり修道院かしら?好きな人が居るって言うのは……微妙かしら。
後は病気や怪我、身体的理由で結婚が不可能だと思わせる事くらい……


「そうね……」

「お嬢様、何かおっしゃいましたか?」

「よし、片っ端からやってみましょうっ!」

「あ、あの??」

「私、神様に嫁ぎますわっっっっ」


私は胸の前で手を組んで祈りを捧げるポーズを取ると、シェリは無言で頭を押さえていた。

早速我が家が寄付をしている修道院へと手紙を認めると、2日後に返信が届いた。


[ご訪問、心よりお待ち申し上げております]


やった!これで私は難なく回避出来るかもしれないっ!そう思ってウキウキと訪問の日程と感謝を綴った手紙を再び送ったのだった。



修道院訪問日。


王都郊外にあるセント・クレバンス女子修道院は、きっちりとした戒律は敷かれていて、一度入ったものは世俗から離れて身分関係なく神へと奉仕することが求められる。

祈りと労働だけでなく、一部認められた修道女に学問も施していることから、貴族の娘が一定期間行儀見習いの為に入れられることもあるそうだ。

まぁそれは色々と素行に問題があると判断された令嬢か、信心深い特定の家であることが多いのだけれども。


「ようこそいらっしゃいました、バーミライト侯爵令嬢様。本日は私、シスター・オハラがご案内いたします」

「ありがとうございます。私の家が寄付していると言う修道院を一度見てみたかったのです。お困りごとなどはございませんか?」

「ご配慮感謝申し上げます。皆様のお心遣いにより、恙無く過ごすことが出来ております」

「そうですか……」


賄賂を渡して、生活の安寧を図る作戦は失敗のようだ。


「私、色々ございまして……神様へ祈りを捧げる道に興味を持ちましたの。是非皆様の生活をお教えいただければと……!」

「な、成程。お気持ちは大変よくわかりました。ですが、侯爵令嬢様が耐えられるかどうか……」

「私、我慢強く、努力は惜しまない質なので、大丈夫です!」

「そこまで仰るなら……ご案内いたしましょう」
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