25 / 59
神様に嫁ぎますわっ
しおりを挟む
私はオーウェンとの結婚を回避すべく、色々と考えていた。
お父様が乗り気である以上、泣いて甘えてお願いしても無理だろう。何せ、元凶はこの私なのだから、そんな話が通るわけがない。
となると、家ではなく個人的な理由による破棄、解消よね??
経済上の理由は遥か上空を飛び越えてきてしまったから、一番手っ取り早いのは……やっぱり修道院かしら?好きな人が居るって言うのは……微妙かしら。
後は病気や怪我、身体的理由で結婚が不可能だと思わせる事くらい……
「そうね……」
「お嬢様、何かおっしゃいましたか?」
「よし、片っ端からやってみましょうっ!」
「あ、あの??」
「私、神様に嫁ぎますわっっっっ」
私は胸の前で手を組んで祈りを捧げるポーズを取ると、シェリは無言で頭を押さえていた。
早速我が家が寄付をしている修道院へと手紙を認めると、2日後に返信が届いた。
[ご訪問、心よりお待ち申し上げております]
やった!これで私は難なく回避出来るかもしれないっ!そう思ってウキウキと訪問の日程と感謝を綴った手紙を再び送ったのだった。
修道院訪問日。
王都郊外にあるセント・クレバンス女子修道院は、きっちりとした戒律は敷かれていて、一度入ったものは世俗から離れて身分関係なく神へと奉仕することが求められる。
祈りと労働だけでなく、一部認められた修道女に学問も施していることから、貴族の娘が一定期間行儀見習いの為に入れられることもあるそうだ。
まぁそれは色々と素行に問題があると判断された令嬢か、信心深い特定の家であることが多いのだけれども。
「ようこそいらっしゃいました、バーミライト侯爵令嬢様。本日は私、シスター・オハラがご案内いたします」
「ありがとうございます。私の家が寄付していると言う修道院を一度見てみたかったのです。お困りごとなどはございませんか?」
「ご配慮感謝申し上げます。皆様のお心遣いにより、恙無く過ごすことが出来ております」
「そうですか……」
賄賂を渡して、生活の安寧を図る作戦は失敗のようだ。
「私、色々ございまして……神様へ祈りを捧げる道に興味を持ちましたの。是非皆様の生活をお教えいただければと……!」
「な、成程。お気持ちは大変よくわかりました。ですが、侯爵令嬢様が耐えられるかどうか……」
「私、我慢強く、努力は惜しまない質なので、大丈夫です!」
「そこまで仰るなら……ご案内いたしましょう」
お父様が乗り気である以上、泣いて甘えてお願いしても無理だろう。何せ、元凶はこの私なのだから、そんな話が通るわけがない。
となると、家ではなく個人的な理由による破棄、解消よね??
経済上の理由は遥か上空を飛び越えてきてしまったから、一番手っ取り早いのは……やっぱり修道院かしら?好きな人が居るって言うのは……微妙かしら。
後は病気や怪我、身体的理由で結婚が不可能だと思わせる事くらい……
「そうね……」
「お嬢様、何かおっしゃいましたか?」
「よし、片っ端からやってみましょうっ!」
「あ、あの??」
「私、神様に嫁ぎますわっっっっ」
私は胸の前で手を組んで祈りを捧げるポーズを取ると、シェリは無言で頭を押さえていた。
早速我が家が寄付をしている修道院へと手紙を認めると、2日後に返信が届いた。
[ご訪問、心よりお待ち申し上げております]
やった!これで私は難なく回避出来るかもしれないっ!そう思ってウキウキと訪問の日程と感謝を綴った手紙を再び送ったのだった。
修道院訪問日。
王都郊外にあるセント・クレバンス女子修道院は、きっちりとした戒律は敷かれていて、一度入ったものは世俗から離れて身分関係なく神へと奉仕することが求められる。
祈りと労働だけでなく、一部認められた修道女に学問も施していることから、貴族の娘が一定期間行儀見習いの為に入れられることもあるそうだ。
まぁそれは色々と素行に問題があると判断された令嬢か、信心深い特定の家であることが多いのだけれども。
「ようこそいらっしゃいました、バーミライト侯爵令嬢様。本日は私、シスター・オハラがご案内いたします」
「ありがとうございます。私の家が寄付していると言う修道院を一度見てみたかったのです。お困りごとなどはございませんか?」
「ご配慮感謝申し上げます。皆様のお心遣いにより、恙無く過ごすことが出来ております」
「そうですか……」
賄賂を渡して、生活の安寧を図る作戦は失敗のようだ。
「私、色々ございまして……神様へ祈りを捧げる道に興味を持ちましたの。是非皆様の生活をお教えいただければと……!」
「な、成程。お気持ちは大変よくわかりました。ですが、侯爵令嬢様が耐えられるかどうか……」
「私、我慢強く、努力は惜しまない質なので、大丈夫です!」
「そこまで仰るなら……ご案内いたしましょう」
117
あなたにおすすめの小説
病めるときも健やかなるときも、お前だけは絶対許さないからなマジで
あだち
恋愛
ペルラ伯爵家の跡取り娘・フェリータの婚約者が、王女様に横取りされた。どうやら、伯爵家の天敵たるカヴァリエリ家の当主にして王女の側近・ロレンツィオが、裏で糸を引いたという。
怒り狂うフェリータは、大事な婚約者を取り返したい一心で、祝祭の日に捨て身の行動に出た。
……それが結果的に、にっくきロレンツィオ本人と結婚することに結びつくとも知らず。
***
『……いやホントに許せん。今更言えるか、実は前から好きだったなんて』
はじめまして、旦那様。離婚はいつになさいます?
あゆみノワ@書籍『完全別居の契約婚〜』
恋愛
「はじめてお目にかかります。……旦那様」
「……あぁ、君がアグリア、か」
「それで……、離縁はいつになさいます?」
領地の未来を守るため、同じく子爵家の次男で軍人のシオンと期間限定の契約婚をした貧乏貴族令嬢アグリア。
両家の顔合わせなし、婚礼なし、一切の付き合いもなし。それどころかシオン本人とすら一度も顔を合わせることなく結婚したアグリアだったが、長らく戦地へと行っていたシオンと初対面することになった。
帰ってきたその日、アグリアは約束通り離縁を申し出たのだが――。
形だけの結婚をしたはずのふたりは、愛で結ばれた本物の夫婦になれるのか。
★HOTランキング最高2位をいただきました! ありがとうございます!
※書き上げ済みなので完結保証。他サイトでも掲載中です。
家出したとある辺境夫人の話
あゆみノワ@書籍『完全別居の契約婚〜』
恋愛
『突然ではございますが、私はあなたと離縁し、このお屋敷を去ることにいたしました』
これは、一通の置き手紙からはじまった一組の心通わぬ夫婦のお語。
※ちゃんとハッピーエンドです。ただし、主人公にとっては。
※他サイトでも掲載します。
婚約破棄ですか?勿論お受けします。
アズやっこ
恋愛
私は婚約者が嫌い。
そんな婚約者が女性と一緒に待ち合わせ場所に来た。
婚約破棄するとようやく言ってくれたわ!
慰謝料?そんなのいらないわよ。
それより早く婚約破棄しましょう。
❈ 作者独自の世界観です。
【完結】チャンス到来! 返品不可だから義妹予定の方は最後までお世話宜しく
との
恋愛
予約半年待ちなど当たり前の人気が続いている高級レストランのラ・ぺルーズにどうしても行きたいと駄々を捏ねたのは、伯爵家令嬢アーシェ・ローゼンタールの十年来の婚約者で伯爵家二男デイビッド・キャンストル。
誕生日プレゼントだけ屋敷に届けろってど〜ゆ〜ことかなあ⋯⋯と思いつつレストランの予約を父親に譲ってその日はのんびりしていると、見たことのない美少女を連れてデイビッドが乗り込んできた。
「人が苦労して予約した店に義妹予定の子と行ったってどういうこと? しかも、おじさんが再婚するとか知らないし」
それがはじまりで⋯⋯豪放磊落と言えば聞こえはいいけれど、やんちゃ小僧がそのまま大人になったような祖父達のせいであちこちにできていた歪みからとんでもない事態に発展していく。
「マジかぁ! これもワシのせいじゃとは思わなんだ」
「⋯⋯わしが噂を補強しとった?」
「はい、間違いないですね」
最強の両親に守られて何の不安もなく婚約破棄してきます。
追伸⋯⋯最弱王が誰かは諸説あるかもですね。
ーーーーーー
ゆるふわの中世ヨーロッパ、幻の国の設定です。
約7万字で完結確約、筆者的には短編の括りかなあと。
R15は念の為・・
【完結】時戻り令嬢は復讐する
やまぐちこはる
恋愛
ソイスト侯爵令嬢ユートリーと想いあう婚約者ナイジェルス王子との結婚を楽しみにしていた。
しかしナイジェルスが長期の視察に出た数日後、ナイジェルス一行が襲撃された事を知って倒れたユートリーにも魔の手が。
自分の身に何が起きたかユートリーが理解した直後、ユートリーの命もその灯火を消した・・・と思ったが、まるで悪夢を見ていたように目が覚める。
夢だったのか、それともまさか時を遡ったのか?
迷いながらもユートリーは動き出す。
サスペンス要素ありの作品です。
設定は緩いです。
6時と18時の一日2回更新予定で、全80話です、よろしくお願い致します。
【完結】私を捨てて駆け落ちしたあなたには、こちらからさようならを言いましょう。
やまぐちこはる
恋愛
パルティア・エンダライン侯爵令嬢はある日珍しく婿入り予定の婚約者から届いた手紙を読んで、彼が駆け落ちしたことを知った。相手は同じく侯爵令嬢で、そちらにも王家の血筋の婿入りする婚約者がいたが、貴族派閥を保つ政略結婚だったためにどうやっても婚約を解消できず、愛の逃避行と洒落こんだらしい。
落ち込むパルティアは、しばらく社交から離れたい療養地としても有名な別荘地へ避暑に向かう。静かな湖畔で傷を癒やしたいと、高級ホテルでひっそり寛いでいると同じ頃から同じように、人目を避けてぼんやり湖を眺める美しい青年に気がついた。
毎日涼しい湖畔で本を読みながら、チラリチラリと彼を盗み見ることが日課となったパルティアだが。
様子がおかしい青年に気づく。
ふらりと湖に近づくと、ポチャっと小さな水音を立てて入水し始めたのだ。
ドレスの裾をたくしあげ、パルティアも湖に駆け込んで彼を引き留めた。
∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞
最終話まで予約投稿済です。
次はどんな話を書こうかなと思ったとき、駆け落ちした知人を思い出し、そんな話を書くことに致しました。
ある日突然、紙1枚で消えるのは本当にびっくりするのでやめてくださいという思いを込めて。
楽しんで頂けましたら、きっと彼らも喜ぶことと思います。
【完結】結婚しておりませんけど?
との
恋愛
「アリーシャ⋯⋯愛してる」
「私も愛してるわ、イーサン」
真実の愛復活で盛り上がる2人ですが、イーサン・ボクスと私サラ・モーガンは今日婚約したばかりなんですけどね。
しかもこの2人、結婚式やら愛の巣やらの準備をはじめた上に私にその費用を負担させようとしはじめました。頭大丈夫ですかね〜。
盛大なるざまぁ⋯⋯いえ、バリエーション豊かなざまぁを楽しんでいただきます。
だって、私の友達が張り切っていまして⋯⋯。どうせならみんなで盛り上がろうと、これはもう『ざまぁパーティー』ですかね。
「俺の苺ちゃんがあ〜」
「早い者勝ち」
ーーーーーー
ゆるふわの中世ヨーロッパ、幻の国の設定です。
完結しました。HOT2位感謝です\(//∇//)\
R15は念の為・・
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる