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その後①
しおりを挟むネイサンはアリーシャとじっくり数日に渡って話し合い、結局お別れすることにしたらしい。
幾らかのお金と、こじんまりとした一軒家をネイサンのお財布から用意して渡したそうだ。
アリーシャは明るい顔ではなかったものの、文句なく受け取って、吹っ切って新しい人生へと踏み出していった。
女って切り替えたら早いもんね。
そしてネイサンは、アリーシャとの関係を清算し終わると…
「ただいま帰った!あぁ、ロザリア…我が妻よ、今日は貴女の微笑みのように、可憐で美しい花を買ってきたよ。それと今の時期は果物がいいと聞いて、ルビーの様な苺も!」
始終この調子でまとわりつく様になった。
……正直鬱陶しい。
「まぁ、旦那様。お気遣い有難うございますわ。何度も言う様ですけど、先にお召し替えなさって?お話はそれからでも遅くないでしょう」
「またそんな澄ました言い方しないでくれ。俺の前ではあの時みたいに、話してくれていいんだよ?」
「おほほ…ご冗談を」
掴まれそうになった手をするりと躱して、彼の後ろを付いてきていた使用人に連れて行く様に目配せする。
「またお前ら!」「今愛する妻と!」と小さく喚きながら私の自室から、連れ出されていった。
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