41 / 41
サイドストーリー(蛇足)・前日譚 侯爵家の事情
嫁捕獲作戦へ
しおりを挟む
執務机の上の呼び鈴を勢いよく鳴らす。
慌ててやってきた執事長に、持っていた資料をバサリと手渡した。
「旦那様?お決まりで??」
「ああ!此処にするぞ、調べるように手配してくれ!」
「えぇっと?これに載っている商品以外を?でしょうか??」
「そうだ!娘を調べるんだ」
「だ、旦那様っっ、なんて事を……!」
「なんだ、何を泣いている?この家に縁談が可能か探るんだ!急げ!!」
涙を浮かべて青褪た執事長は、「あぁ、其方でございますか」とホッと安堵の息を吐いて即座に行動すべく、部屋を出ていった。
数日後、結果を見てほくそ笑んだ。
「娘は2人で、どちらも未婚。商会の手伝いで書類関係も処理している様だ……と。どちらも評判も良く、器量良し……うむうむ」
血統主義に反するが、崖っぷちな婚約状況を脱せるならそれも目を瞑ろう。
「ん……竹を鋭く割ったような性格?なんだこれは?まぁ良い」
評判が良いなら、性格も問題なしだろうと、調査書類を机へ置いて、次に伯爵へのカードを揃えるとした。
「商会を運営しているなら、関税を最低にまで下げる。……と、以前に目をつけられた商品の独占販売権。この2つでなんとかなる……か?」
そして盛り込んでおきたいのは
【互いに責任を問わない】という項目だ。
なぜなら、あいつは絶対やらかす。
結婚までは2人だけにはさせない様に気をつけるが、結婚後はそうもいかん。絶対何かやらかす。
それを追求されないための措置が必要だ。
“伯爵側に責を問わない”と誤認してくれれば、飲むのではないか?
「よし……よし。これで行くぞ。早速書類を作ろう。その間に伯爵に接触できる機会を窺わなければっ」
契約書類、婚前契約書も全て揃うまでに時間がかかる。その間に動向を調べなければ、いつ売れてしまうか判ったものではないからな。
さらに1ヶ月後
「そうか、あの夜会に。私も参加しよう。招待状を秘密裏に手配してくれ。礼はすると言っておけ」
「かしこまりました」
よし、これで何とかなる……はず。
もう見合いと悠長にはせん。即結婚だ。
「旦那様、招待状が確保できたとのことです」
「よし、よくやった!」
さぁ、未来の侯爵家のためにも、絶対に捕まえてみせるぞ!
慌ててやってきた執事長に、持っていた資料をバサリと手渡した。
「旦那様?お決まりで??」
「ああ!此処にするぞ、調べるように手配してくれ!」
「えぇっと?これに載っている商品以外を?でしょうか??」
「そうだ!娘を調べるんだ」
「だ、旦那様っっ、なんて事を……!」
「なんだ、何を泣いている?この家に縁談が可能か探るんだ!急げ!!」
涙を浮かべて青褪た執事長は、「あぁ、其方でございますか」とホッと安堵の息を吐いて即座に行動すべく、部屋を出ていった。
数日後、結果を見てほくそ笑んだ。
「娘は2人で、どちらも未婚。商会の手伝いで書類関係も処理している様だ……と。どちらも評判も良く、器量良し……うむうむ」
血統主義に反するが、崖っぷちな婚約状況を脱せるならそれも目を瞑ろう。
「ん……竹を鋭く割ったような性格?なんだこれは?まぁ良い」
評判が良いなら、性格も問題なしだろうと、調査書類を机へ置いて、次に伯爵へのカードを揃えるとした。
「商会を運営しているなら、関税を最低にまで下げる。……と、以前に目をつけられた商品の独占販売権。この2つでなんとかなる……か?」
そして盛り込んでおきたいのは
【互いに責任を問わない】という項目だ。
なぜなら、あいつは絶対やらかす。
結婚までは2人だけにはさせない様に気をつけるが、結婚後はそうもいかん。絶対何かやらかす。
それを追求されないための措置が必要だ。
“伯爵側に責を問わない”と誤認してくれれば、飲むのではないか?
「よし……よし。これで行くぞ。早速書類を作ろう。その間に伯爵に接触できる機会を窺わなければっ」
契約書類、婚前契約書も全て揃うまでに時間がかかる。その間に動向を調べなければ、いつ売れてしまうか判ったものではないからな。
さらに1ヶ月後
「そうか、あの夜会に。私も参加しよう。招待状を秘密裏に手配してくれ。礼はすると言っておけ」
「かしこまりました」
よし、これで何とかなる……はず。
もう見合いと悠長にはせん。即結婚だ。
「旦那様、招待状が確保できたとのことです」
「よし、よくやった!」
さぁ、未来の侯爵家のためにも、絶対に捕まえてみせるぞ!
応援ありがとうございます!
13
お気に入りに追加
2,614
この作品の感想を投稿する
みんなの感想(23件)
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。
別にいりませんけど〜大好きすぎる💓
お姉ちゃんかっこよすぎる🥰✨✨
バカボン侯爵子息Mっ気があるんですかねw
愛人にしろ本妻にしろ気が強い女にイチコロ( ̄▽ ̄;)チョロすぎる
妹ちゃんは第三王子矯正しつつまとまるかと思いきや、優良物件引き当てましたねw
何だかんだで姉妹の父が一番美味しい思いしてるような(((^_^;)
愉しく一気読みさせて頂きました。
次回作も楽しみにしておりますー(^ω^)
初っ端からの妹の危機回避能力に吹きました。面白かったです。長剣とサバイバルナイフ、例えが的確ですね!姉御は竹を割ってその竹槍で追撃しますね。
姉妹とも(本人の気持ちはさておき)ハッピーエンドで、読後感も良かったです。
楽しい作品を有難うございました。
ありがとうございます♪
スッキリさっぱりなのを目指したので、そう言っていただけて嬉しいです(*≧艸≦)
本人はさておき他は皆ハッピーなので、きっとそのうち本人も絆されて幸せになります(笑