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プロローグ
澄み渡る空に、白い雲が棚引く。
旅立つ喜びに溢れる学舎からの卒業の季節に、会場に集まる皆の顔には、その輝きはかけらも無い。
啜り泣く声は、別れを惜しむだけではないのだろう。
── どうしてこんな事に……
後悔を胸に、ただ今だけは静かに見送ろうと、沈黙を守り、式の進行を見守っている。
── ガチャ…… キィ……
式も半ばという時に、大きな音を立てて無遠慮に開かれた扉からは、日差しを受けて煌めく金の髪を撫でつけた長身の青年が、数人の供を連れて入って来たところだった。
空気がガラリと変わる。
張り詰めたような、苛立つような。
息を潜めてじっと、距離をとって見張るような視線に、彼は小さく舌を鳴らす。
壇上には、かつての人物と同じ薄茶の色をした髪をきっちりと後ろへと流した壮年の男性が、いつもよりも厳しい面持ちで、割れた人並みを堂々と歩いてくる青年の様子を見つめている。
壇上近くまで来た青年に、壇上から降りずに壮年の男性はそのまま言葉をかける。
「……よく来ていただきました。殿下。よくお許しが出たものです」
真っ直ぐに見据えられた視線に耐えきれなかったのか、殿下と呼ばれた青年は、気まずげに一度横へ逸らした視線を戻すこともできずに、そのまま口を開く。
「いや、宰相…何とか抜けてきた。最後だからな」
旅立つ喜びに溢れる学舎からの卒業の季節に、会場に集まる皆の顔には、その輝きはかけらも無い。
啜り泣く声は、別れを惜しむだけではないのだろう。
── どうしてこんな事に……
後悔を胸に、ただ今だけは静かに見送ろうと、沈黙を守り、式の進行を見守っている。
── ガチャ…… キィ……
式も半ばという時に、大きな音を立てて無遠慮に開かれた扉からは、日差しを受けて煌めく金の髪を撫でつけた長身の青年が、数人の供を連れて入って来たところだった。
空気がガラリと変わる。
張り詰めたような、苛立つような。
息を潜めてじっと、距離をとって見張るような視線に、彼は小さく舌を鳴らす。
壇上には、かつての人物と同じ薄茶の色をした髪をきっちりと後ろへと流した壮年の男性が、いつもよりも厳しい面持ちで、割れた人並みを堂々と歩いてくる青年の様子を見つめている。
壇上近くまで来た青年に、壇上から降りずに壮年の男性はそのまま言葉をかける。
「……よく来ていただきました。殿下。よくお許しが出たものです」
真っ直ぐに見据えられた視線に耐えきれなかったのか、殿下と呼ばれた青年は、気まずげに一度横へ逸らした視線を戻すこともできずに、そのまま口を開く。
「いや、宰相…何とか抜けてきた。最後だからな」
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