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彼女の選択
「予定通り全て終わったよ。もっと他に方法が無かったのかと未だに考えてしまうが…」
「ありませんわ。もう、どうしようもなかったもの」
葬式が終わり王都屋敷に戻った宰相は、閉じられたレースカーテンを、白く細い手で小さく開けて外を眺める女性に声をかけた。
「だってお父様、それでは結局私の自由は有りませんのよ?王妃教育を済ませてしまった私は、王家の全てを知ってしまいましたもの。他の貴族にも、他国にも嫁げずに飼い殺されて……最悪修道院で、間をおかずに病死。良くて城の離宮か塔で生涯幽閉。
……そんなの、許容できるはず有りませんわ」
そう言って宰相へと振り向いた女性──オフィーリアは、あの絵画の中よりも晴れやかに微笑んだ。
最初は優しく、やんわりと注意した。段々と強くハッキリと注意していったが、殿下は周りの意見を聞き入れなかった。
元来頼られると弱く、正しいと思い込むと融通が効かない人ではあった。
そこにつけ込み続けた男爵令嬢は、本当に入り込むのが上手であった。
周りを煽り、誘導して行動させて何かしら被害を被るたびに殿下にすり寄っていく。
その性質が分かったから、過剰に反応する周りを諌めて宥め、心を配っていた。
しかし、暴走する周囲を、オフィーリアだけでは止めきれなかった。
『あの男爵令嬢は害悪だ』
『排除しなければ悲しまれるのは目に見えている』
『何よりもオフィーリア様が悲しまれるから』
『私たちで排除しなければ』
『 オフィーリア様のために 』
手を尽くしても止められない事に、日々沈み込むオフィーリアに、父である宰相は寄り添い、助けになれるように国王へと助力を求めた。
しかし、何度陛下や王妃に諌められても変わらなかった殿下は、遂にあの日オフィーリアを断罪した。
─── 有りもしない罪で。
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