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3戦目
第二回鍛冶屋杯:前編
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「今回はもしかしてお前だけか?」
カナイで読書に明け暮れる事約二週間。第二回鍛冶屋杯が開催されるとあって、カナイはいつもとは違った活気を見せていた。鍛冶屋杯に参加する剣士たちとその戦いを見に来た観客が集まってきたからである。
「ヒリューは来ないでしょうけど、エレアは……あ、来ましたね」
そんな人混みの中で話しているクガとセキヤの目線の先では、二人組の女が走って、正しくは長身の女性が先だってもう一人の少女はそれを追いかける形で、こちらに向かってきているのが見える。
「セーキーヤー!」
長身の女性がその勢いのままにセキヤに飛びつくが、セキヤはそれを最小限の動きで躱す。
「何で避けるの!?」
「いや、体当たりかと思う勢いだったから、つい」
「ぶー、折角久しぶりの再会を祝おうと思ったのに……」
一瞬だけ不貞腐れたような顔をエレアは見せるが、すぐにセキヤに再会できた喜びで笑顔をこぼす。セキヤはそれを見てニヤニヤと気持ち悪いなと若干引いていた。そして遅れてリリィがその場に息を切らしながら到着する。
「エレア、さん……。早、すぎ、です……」
傍目には重たい荷物を抱えて走らされたから疲れた様にしか見えないリリィは、担いでいた二本の大剣を地面に降ろして地面に座り込んでしまう。
「誰だ、この子は?」
セキヤも同じ疑問を持っていたが、それよりも先にクガがエレアに質問する。
「温泉街カドキで会った剣士志望の女の子のリリィちゃんです。まあ色々あって一緒に旅することになりました。」
ほらリリィちゃんからも挨拶してと疲れ果てているリリィの手を取って立たせる。リリィはエレアに追いつくのに必死でクガに気付いていなかったようで、立ち上がってクガの顔を見てからギョッと驚きを露わにした。
「ク……ク……クガさんですか!? 前回剣闘大会優勝者の!?」
リリィはさっきまでの疲れが緊張で一瞬で吹き飛び、すぐに姿勢を正して自己紹介をする。クガはそのリリィの反応に感動して笑顔で挨拶を返す。
「そうだよ。いやー、その反応久しぶりだな」
どっかの三人組は全然驚いたりしなかったよなとセキヤとエレアに目配せするが、二人は特に気にした様子はなかった。
「で、こっちの魔術師のローブを着ているのがセキヤ」
「あ、あのセキヤさんですか」
「あのってどのセキヤさんの事かな?」
セキヤがリリィにではなくエレアに一体どういう説明をしているのかなと少し詰め寄る。リリィがそれを誤解だと必死に説得する。
「別に悪い話は聞いてないですよ! ただエレアさんからはずっとヒリューさんとセキヤさんの話を聞いていたので、実際に会えて嬉しいです! 後で魔力の話とか教えてもらえますか?」
リリィから人懐っこい笑顔で握手を求められたのでそれ以上は追及せずにセキヤは握手と共に自己紹介も返す。
「鍛冶屋杯が終わった後に少しなら良いよ」
リリィとの挨拶が終わるとほぼ同時に鍛冶屋杯の運営本部からアナウンスが流れる。
「これより組み合わせ抽選会を行います。鍛冶屋杯に参加の方は本部までお越しください」
クガ以外の三人が意気揚々と本部に向かい、そして帰りでは、エレアは真剣に考え事をしている表情で、セキヤは至っていつも通りの表情で、リリィは落ち込んだ表情をしていた。
「うーん、どうしようかな……」
「……」
「うー……、勝てる気がしないですよ……」
「三者三様だな」
クガが帰ってきた三人に組み合わせを尋ねると、エレアは第一回剣闘大会優勝者のゴウと、セキヤはリリィと同じ組み合わせになったのである。
「エレアさんとほぼ同じ実力のセキヤさんに勝てるわけないですよー」
リリィはエレアにどう戦えばいいのか質問していた。エレアはそれに対して冷静に諭す。
「ダメ元って言ったでしょ。とりあえず昨日までに教えた戦い方で一回挑戦してきなって。何事も経験経験」
リリィももちろん最初から勝てるとは思っていなかったが、それでももう少し準備を整えてから参加したかったという思いが芽生える。
二人は昨日の夜に首都に着いたばっかりで、朝一で剣闘大会参加申請を出してすぐにカナイにやってきたのである。そのためリリィの疲労はかなり溜まっているのである。そんな状態で経験する意味あるのかなと少し疑問を持ったが、エレアの言葉を信じてやれるだけやってみようとリリィは気持ちを切り替える。
エレアはそんなリリィの気持ちの切り替えを確認してから、そのリリィに聞こえない様に距離を取ってからセキヤを呼び出して一つお願い事をする。
「セキヤ、ちょっと一つお願いがあるんだけど……」
「……わざわざ小声で話すって事は大事なことだね。一体何?」
「あの剣、貸してくれない?」
カナイで読書に明け暮れる事約二週間。第二回鍛冶屋杯が開催されるとあって、カナイはいつもとは違った活気を見せていた。鍛冶屋杯に参加する剣士たちとその戦いを見に来た観客が集まってきたからである。
「ヒリューは来ないでしょうけど、エレアは……あ、来ましたね」
そんな人混みの中で話しているクガとセキヤの目線の先では、二人組の女が走って、正しくは長身の女性が先だってもう一人の少女はそれを追いかける形で、こちらに向かってきているのが見える。
「セーキーヤー!」
長身の女性がその勢いのままにセキヤに飛びつくが、セキヤはそれを最小限の動きで躱す。
「何で避けるの!?」
「いや、体当たりかと思う勢いだったから、つい」
「ぶー、折角久しぶりの再会を祝おうと思ったのに……」
一瞬だけ不貞腐れたような顔をエレアは見せるが、すぐにセキヤに再会できた喜びで笑顔をこぼす。セキヤはそれを見てニヤニヤと気持ち悪いなと若干引いていた。そして遅れてリリィがその場に息を切らしながら到着する。
「エレア、さん……。早、すぎ、です……」
傍目には重たい荷物を抱えて走らされたから疲れた様にしか見えないリリィは、担いでいた二本の大剣を地面に降ろして地面に座り込んでしまう。
「誰だ、この子は?」
セキヤも同じ疑問を持っていたが、それよりも先にクガがエレアに質問する。
「温泉街カドキで会った剣士志望の女の子のリリィちゃんです。まあ色々あって一緒に旅することになりました。」
ほらリリィちゃんからも挨拶してと疲れ果てているリリィの手を取って立たせる。リリィはエレアに追いつくのに必死でクガに気付いていなかったようで、立ち上がってクガの顔を見てからギョッと驚きを露わにした。
「ク……ク……クガさんですか!? 前回剣闘大会優勝者の!?」
リリィはさっきまでの疲れが緊張で一瞬で吹き飛び、すぐに姿勢を正して自己紹介をする。クガはそのリリィの反応に感動して笑顔で挨拶を返す。
「そうだよ。いやー、その反応久しぶりだな」
どっかの三人組は全然驚いたりしなかったよなとセキヤとエレアに目配せするが、二人は特に気にした様子はなかった。
「で、こっちの魔術師のローブを着ているのがセキヤ」
「あ、あのセキヤさんですか」
「あのってどのセキヤさんの事かな?」
セキヤがリリィにではなくエレアに一体どういう説明をしているのかなと少し詰め寄る。リリィがそれを誤解だと必死に説得する。
「別に悪い話は聞いてないですよ! ただエレアさんからはずっとヒリューさんとセキヤさんの話を聞いていたので、実際に会えて嬉しいです! 後で魔力の話とか教えてもらえますか?」
リリィから人懐っこい笑顔で握手を求められたのでそれ以上は追及せずにセキヤは握手と共に自己紹介も返す。
「鍛冶屋杯が終わった後に少しなら良いよ」
リリィとの挨拶が終わるとほぼ同時に鍛冶屋杯の運営本部からアナウンスが流れる。
「これより組み合わせ抽選会を行います。鍛冶屋杯に参加の方は本部までお越しください」
クガ以外の三人が意気揚々と本部に向かい、そして帰りでは、エレアは真剣に考え事をしている表情で、セキヤは至っていつも通りの表情で、リリィは落ち込んだ表情をしていた。
「うーん、どうしようかな……」
「……」
「うー……、勝てる気がしないですよ……」
「三者三様だな」
クガが帰ってきた三人に組み合わせを尋ねると、エレアは第一回剣闘大会優勝者のゴウと、セキヤはリリィと同じ組み合わせになったのである。
「エレアさんとほぼ同じ実力のセキヤさんに勝てるわけないですよー」
リリィはエレアにどう戦えばいいのか質問していた。エレアはそれに対して冷静に諭す。
「ダメ元って言ったでしょ。とりあえず昨日までに教えた戦い方で一回挑戦してきなって。何事も経験経験」
リリィももちろん最初から勝てるとは思っていなかったが、それでももう少し準備を整えてから参加したかったという思いが芽生える。
二人は昨日の夜に首都に着いたばっかりで、朝一で剣闘大会参加申請を出してすぐにカナイにやってきたのである。そのためリリィの疲労はかなり溜まっているのである。そんな状態で経験する意味あるのかなと少し疑問を持ったが、エレアの言葉を信じてやれるだけやってみようとリリィは気持ちを切り替える。
エレアはそんなリリィの気持ちの切り替えを確認してから、そのリリィに聞こえない様に距離を取ってからセキヤを呼び出して一つお願い事をする。
「セキヤ、ちょっと一つお願いがあるんだけど……」
「……わざわざ小声で話すって事は大事なことだね。一体何?」
「あの剣、貸してくれない?」
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