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3戦目
第二回鍛冶屋杯:中編
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「それではこれより、第二回鍛冶屋杯を開催いたします! 司会兼実況はカナイに住んでいる友人に久々に会えてテンションマックスなマインでお送りします! 解説はもちろんこの方説明不要なクガさんです!」
「いやちゃんと説明してよ。皆さんよろしくお願いします」
司会者席でマインとクガが簡単な開催の挨拶を終えると早速第一組からバトルフィールドに上がって戦いが始まる。
エレアは自分の番が七番目であることを思い出しながら、その順番が回ってきた後の事をイメージして戦いに備える。リリィはそんなエレアの集中を乱さない様に少し離れてそれを見守る。セキヤも同様の位置にいる。セキヤたちは十二番とエレアよりも後なのでまだそこまで気を張っていなかった。
第一回鍛冶屋杯のゴウの動きを思い出しているエレアに、男二人と女一人の三人組が近寄る。リリィとセキヤはその近づく三人組とエレアの間に入って邪魔をする。
「エレアさんは今集中している所なんですけど、何か用ですか?」
「話なら僕たちが聞きますよ」
少しだけムッとした怖い表情を見せる二人に、三人組の一番先頭を歩いていた男が申し訳なさそうに頭を下げる。
「これは失礼した。別に邪魔をしようとしたわけじゃないんだ、少し協力をお願いしたくてね」
その男はリリィとセキヤよりも背が高かったが、二人の頭の位置よりも低くなるように深々と頭を下げる。その紳士的な対応に逆にリリィは申し訳なくなってすぐに謝る。セキヤはそれでも警戒を解かなかったが、表情だけは緩ませた。
「いえいえ、分かってもらえたら大丈夫です」
「協力って何の話ですか?」
セキヤがその長身の男に問いかけるが、セキヤはすでにその答えを推測出来ていた。まだ剣士の情報がそこまで出揃っていないのに、エレアを単独で見つけて協力を仰ごうとしているのだから、間違いなく彼らもエレアと同じ七組目に出場する剣士だと、彼らもゴウと戦うのだろうと考え付いていた。
男はセキヤの質問にフフッと少しだけ笑って答える。
「わかってるでしょうに。あの最強の剣士であるゴウを倒すために我々に協力して欲しいんですよ」
第一回鍛冶屋杯でエレアさんの強さを見ていますので、ぜひとも協力して欲しいと男は話す。
セキヤはその男とさらに後ろに控えている二人をよく観察する。ゴウと関連付けられる三人組の名前を思い出して、その男たちの強さも思い出していた。
「あ、もしかして『ワンアタック』のスギヤさんですか?」
「おや、知っていたとは光栄なことですね。……そういえばまだ自己紹介をしていませんでしたね。スギヤ・マチカゼです。後ろの男性がモリ、女性の方はミストと言います」
スギヤの紹介に合わせてモリとミストは軽く会釈をする。その後でリリィとセキヤも自己紹介をする。そしてリリィがスギヤに質問する。
「すみません、私知らなくて……、『ワンアタック』って何ですか?」
無知なリリィに対してもスギヤは微笑みを絶やさずにしっかりと説明をする。
『ワンアタック』
剣闘大会に出場する剣士たちの集まりで、彼らの目的はゴウに勝利する事である。第一回剣闘大会の終盤から組織だって行動するようになった。というのも当時はゴウとクガの二人が鍛冶屋杯で必ず剣を勝ち取っていたので、スロ五の剣はこの二人以外に手に入らなかったというレベルで実力差があった。
その鍛冶屋杯の独占を封じるべくチームを結成したのが『ワンアタック』の始まりである。
鍛冶屋杯は組み合わせが抽選なので、チームを組んでもそのメンバーが全員揃ってゴウと同じ組になるのはまずありえない。だから『ワンアタック』はそのメンバーの数を増やし、できる限り多くのメンバーとゴウとの多対一を実現させようとしているのである。第一回鍛冶屋杯でセキヤに協力を依頼した男も『ワンアタック』のメンバーである。ただあの時は彼以外にメンバーがいなかったためにほとんど意味はなかったが。
しかし目の前にいるこのスギヤという男は、第一回剣闘大会でも第二回剣闘大会でも本選に出場したことのあるほどの実力者であり、『ワンアタック』を創設した男なのである。
セキヤはこの人と協力できるなら勝てる可能性があるかもと少し考える。リリィは本選出場者の名前を知らなくて失礼しましたと何度も頭を下げていた。
「気にしないで。本選に出ても一回戦で負けるレベルだからね。まあ今回はそうならないつもりだけど」
人当たりの良い微笑みをしていても、その口から発せられる言葉の強さから、剣闘大会に賭ける意思をリリィとセキヤは感じ取っていた。
――この人とエレア、それに後ろの二人もいるなら勝てるかも……。
セキヤはエレアに聞くよりも先に自分で返事をしてしまいたくなってしまった。そんなセキヤを叱るように、エレアがピシャッと返事をした。
「ありがたい申し出ですが、辞退させていただきます」
「いやちゃんと説明してよ。皆さんよろしくお願いします」
司会者席でマインとクガが簡単な開催の挨拶を終えると早速第一組からバトルフィールドに上がって戦いが始まる。
エレアは自分の番が七番目であることを思い出しながら、その順番が回ってきた後の事をイメージして戦いに備える。リリィはそんなエレアの集中を乱さない様に少し離れてそれを見守る。セキヤも同様の位置にいる。セキヤたちは十二番とエレアよりも後なのでまだそこまで気を張っていなかった。
第一回鍛冶屋杯のゴウの動きを思い出しているエレアに、男二人と女一人の三人組が近寄る。リリィとセキヤはその近づく三人組とエレアの間に入って邪魔をする。
「エレアさんは今集中している所なんですけど、何か用ですか?」
「話なら僕たちが聞きますよ」
少しだけムッとした怖い表情を見せる二人に、三人組の一番先頭を歩いていた男が申し訳なさそうに頭を下げる。
「これは失礼した。別に邪魔をしようとしたわけじゃないんだ、少し協力をお願いしたくてね」
その男はリリィとセキヤよりも背が高かったが、二人の頭の位置よりも低くなるように深々と頭を下げる。その紳士的な対応に逆にリリィは申し訳なくなってすぐに謝る。セキヤはそれでも警戒を解かなかったが、表情だけは緩ませた。
「いえいえ、分かってもらえたら大丈夫です」
「協力って何の話ですか?」
セキヤがその長身の男に問いかけるが、セキヤはすでにその答えを推測出来ていた。まだ剣士の情報がそこまで出揃っていないのに、エレアを単独で見つけて協力を仰ごうとしているのだから、間違いなく彼らもエレアと同じ七組目に出場する剣士だと、彼らもゴウと戦うのだろうと考え付いていた。
男はセキヤの質問にフフッと少しだけ笑って答える。
「わかってるでしょうに。あの最強の剣士であるゴウを倒すために我々に協力して欲しいんですよ」
第一回鍛冶屋杯でエレアさんの強さを見ていますので、ぜひとも協力して欲しいと男は話す。
セキヤはその男とさらに後ろに控えている二人をよく観察する。ゴウと関連付けられる三人組の名前を思い出して、その男たちの強さも思い出していた。
「あ、もしかして『ワンアタック』のスギヤさんですか?」
「おや、知っていたとは光栄なことですね。……そういえばまだ自己紹介をしていませんでしたね。スギヤ・マチカゼです。後ろの男性がモリ、女性の方はミストと言います」
スギヤの紹介に合わせてモリとミストは軽く会釈をする。その後でリリィとセキヤも自己紹介をする。そしてリリィがスギヤに質問する。
「すみません、私知らなくて……、『ワンアタック』って何ですか?」
無知なリリィに対してもスギヤは微笑みを絶やさずにしっかりと説明をする。
『ワンアタック』
剣闘大会に出場する剣士たちの集まりで、彼らの目的はゴウに勝利する事である。第一回剣闘大会の終盤から組織だって行動するようになった。というのも当時はゴウとクガの二人が鍛冶屋杯で必ず剣を勝ち取っていたので、スロ五の剣はこの二人以外に手に入らなかったというレベルで実力差があった。
その鍛冶屋杯の独占を封じるべくチームを結成したのが『ワンアタック』の始まりである。
鍛冶屋杯は組み合わせが抽選なので、チームを組んでもそのメンバーが全員揃ってゴウと同じ組になるのはまずありえない。だから『ワンアタック』はそのメンバーの数を増やし、できる限り多くのメンバーとゴウとの多対一を実現させようとしているのである。第一回鍛冶屋杯でセキヤに協力を依頼した男も『ワンアタック』のメンバーである。ただあの時は彼以外にメンバーがいなかったためにほとんど意味はなかったが。
しかし目の前にいるこのスギヤという男は、第一回剣闘大会でも第二回剣闘大会でも本選に出場したことのあるほどの実力者であり、『ワンアタック』を創設した男なのである。
セキヤはこの人と協力できるなら勝てる可能性があるかもと少し考える。リリィは本選出場者の名前を知らなくて失礼しましたと何度も頭を下げていた。
「気にしないで。本選に出ても一回戦で負けるレベルだからね。まあ今回はそうならないつもりだけど」
人当たりの良い微笑みをしていても、その口から発せられる言葉の強さから、剣闘大会に賭ける意思をリリィとセキヤは感じ取っていた。
――この人とエレア、それに後ろの二人もいるなら勝てるかも……。
セキヤはエレアに聞くよりも先に自分で返事をしてしまいたくなってしまった。そんなセキヤを叱るように、エレアがピシャッと返事をした。
「ありがたい申し出ですが、辞退させていただきます」
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