剣闘大会

tabuchimidori

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7戦目

第四回鍛冶屋杯:中編

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「それでは本日の最終組、フィールドに集まってください!」
 様々な出で立ちの剣闘士に混ざって小さな女剣士が大剣を構える。
 ――前回から一ヶ月半。『ワンアタック』でどれだけ鍛えられてきたかな。
 第二回でリリィと戦った時の事を思い出しつつ、これからどんな戦いを見せてくれるのか期待していた。
「それでは、開始!」
 実況の合図と共にフィールド内外が熱気に包まれる。一番弱そうに見られたのか三人ほどがリリィへと真っ先に攻撃を仕掛けていた。
 リリィは三方向から同時にやってくる相手に対しても慌てる事無く、まずは右方向からやってきた剣闘士に向かって突進しながら剣を振るう。大剣の薙ぎ払いを何とか防ぐが、その勢いまでは止められず力負けしてそのままリングアウトさせられていた。
 少女が予想以上に大剣をしっかりと振り回していたのに驚いた他の二名だったが、すぐに遠距離から『火』や『石』の魔力を使う事で大剣の間合いに入らない事にしていた。
 ――その程度じゃ足止めにもならないでしょ。
「これくらい、なんてことないです!」
 飛んできた魔法攻撃を再び大剣を薙ぎ払って防ぐと、お返しとばかりに『水』の魔力を放出して二人の視界を遮る。顔にかけられた水を取り払っている隙に、リリィが二人に近づいて大剣を思いっきり振り回す。少女が気持ちよさそうに豪快に大剣を振り回す姿は中々爽快だった。
「中々やるねぇ、嬢ちゃん」
 特に危なげもない戦い方でリリィが七人の剣闘士を吹き飛ばした時には、フィールドに残っている剣闘士が二人だけになっていた。
 リリィと一騎打ちになった剣闘士は、小剣をお手玉のように軽く遊ばせながらリリィから離れていた。
 ――小剣を投げ慣れている感じだな。距離を離れている点を考えても投擲メインの戦い方だろうし、そうなると『数』や『剣』の魔力があり得るな。
 外から見ていてもリリィの戦い方に注目していたのでその男がどうやって最後まで残っていたかは分からなかった。だから剣の扱いだけである程度情報を推理するしかなかった。
「その大剣に吹き飛ばされるのは嫌なんで、大人しく負けてくれや!」
 男はフィールドの端に着くと手に持っていた小剣をリリィに投げつけた。リリィはそれを躱して、一気に距離を詰めるために前進した。剣を手放して隙ありと思ったのだろう。そんなおざなりの戦い方をする剣闘士が最後まで残れるはずがないのに。
「かかったなぁ!」
 男が勝利を確信したような笑みを浮かべると、先ほど投げた小剣が回転しながら男の元へと戻ってきていた。まるでブーメランのような軌道で返ってきた小剣は、リリィの背中にクリーンヒットしていた。
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