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アイリッシュパブに行くならギネスビールがいい、駅前楽天地のバー 〆のラーメン
ギネスビール フィッシュ&チップス
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いわゆるアイリッシュPUBの外観に居酒屋派な僕の足は普段なら完全に二の足を踏んでいただろうが今日は2件目、すでにふわりと酔っているのでそうした心配は無用。勢いよく扉に飛び込んで行く。後で調べた事だがアイルランドには店名と同じ川があるらしい。そして居酒屋を意味する外国語。オシャレな名前だが翻訳すればなんてことはない。新潟で言えば居酒屋信濃川と言った所だ。
中に入ると平日にも関わらず賑わいのある店内、照明はちょっと薄暗いオレンジの電球色でただでさえ木目を基調とした店内に暖かみを与えている。そこにケルト音楽がBGMで流れているのだからたまらない。もはや一つの駅前留学。学業は置いといて今日は飲んで食べての異文化交流だ。
「一人だけど」
店内を忙しそうにしている店員を捕まえ声をかける。店内は賑わっていたが、カウンターは誰も座っていない状態で一人客は場違いかな、なんてちょっと不安になる。いかんいかん酔いが足りないんじゃないか、若干位置が高いカウンターに肘をつくとなんだかしっくりこないがそれを顔に出さないようにもぞもぞとした動きをするに留めて済ました顔でメニューを眺める。
「ギネス1パイントとフィッシュ&チップスのミディアムで」
パブと言えばやっぱりギネスビールだと僕は思う。ギネスビールは勝手に英国のビールだと思っていたのだが元々はアイルランドで作られたものだそう。今では世界中で生産されているとの事。ここのギネスビールはその量を1/2パイント、3/4パイント、1パイントから選ぶことができ、1パイントは大体500ml、細かい事を言うと英パイント米パイントとかあるのだが割愛。ともかくこれでアルコールとつまみを確保、PUBの定番フィッシュ&チップスがあればゆったりと駅前アイルランド観光を楽しめるだろう。
カウンターに座っているので目の前のビールサーバーから真っ黒な液体が注がれていく。十分にビールサーバーショーを見学した所でグラス一杯に注がれたビールが早速手元に、、、来ない。 2段式になっているカウンターの厨房側の高い位置に置かれて、お待たせしました等の言葉もない。
「すいませんこれって僕が頼んだビールですよね?」
気が逸って店員に声をかけた。
そのまま手を伸ばしてグラスを取ろうとすると店員は僕に声をかける。
「少々お待ち下さい。カスケードと言うんですが、注いでから時間を置く事で味がおいしくなるんです。」
なるほどそうだったのか。先走って見事に恥をかいてしまった。今までギネスビールを出す店は何店舗か行った事はあるけどそんな事初めて聞いた。へぇーそうなんだと浮ついた声で返事をしてギネスビールの泡が落ち着いて行く様子を眺める。後ろからは異国の言葉が聞こえ、目の前では店員さんが常連さんだろうかなんだか誰かが街コンでフラれたとかなんとか。
店内のBGMを聞いているとこの曲が入ったCD、僕も持っていた事に気づく。ケルト音楽はバクパイプがいい、あのぶぁ~っとした音には暖かさがある。
「お待たせしましたギネスビールです」
目の前で焦らされていた待望のビールいよいよ届く。ブリーダーに躾られた犬が散々待て、待て、とされていたところによしっと言われたかのごとき動きを悟られないようにあくまで余裕を持たせながらグラスに手を伸ばし一口頂く。ギネスビールを例えるなら微炭酸のコーヒードリンクだと思う。真っ黒な液体からはそれ相応の苦みとコクがありつつ、それでいて炭酸が弱い事でまろやかに仕上がっている。今度もしギネスビールを注いですぐ出してくる店があったらしたり顔でじっくりと泡が落ち着くのを待ってやろう。
まもなくフィッシュ&チップス、つまり白身魚のフライとフライドポテトが届く。お皿にはタルタルソースとケチャップそしてビネガーを調味料として用意してもらった。本場英国の料理はまずい事で有名だがそこまでは忠実に再現しない。サクサクの衣にふっくら淡白な白身。薄味なタルタルはたっぷりつけてもしつこさを感じさせずビネガーをさっとかけてちょうど良いくらい。しいて言えば少し身が小さい事が気になるか。反面フライドポテトは一人で食べるには少々量が多い。だがホクホクに揚げられたポテトのおいしさにバクバクいってしまう。ポテトに口の中の水分をとられたところでギネスをぐいっ。気分は英国。女王陛下万歳だ。アイルランドとイギリスがごっちゃになってきた所でお会計。次の店はどこにしようか。
中に入ると平日にも関わらず賑わいのある店内、照明はちょっと薄暗いオレンジの電球色でただでさえ木目を基調とした店内に暖かみを与えている。そこにケルト音楽がBGMで流れているのだからたまらない。もはや一つの駅前留学。学業は置いといて今日は飲んで食べての異文化交流だ。
「一人だけど」
店内を忙しそうにしている店員を捕まえ声をかける。店内は賑わっていたが、カウンターは誰も座っていない状態で一人客は場違いかな、なんてちょっと不安になる。いかんいかん酔いが足りないんじゃないか、若干位置が高いカウンターに肘をつくとなんだかしっくりこないがそれを顔に出さないようにもぞもぞとした動きをするに留めて済ました顔でメニューを眺める。
「ギネス1パイントとフィッシュ&チップスのミディアムで」
パブと言えばやっぱりギネスビールだと僕は思う。ギネスビールは勝手に英国のビールだと思っていたのだが元々はアイルランドで作られたものだそう。今では世界中で生産されているとの事。ここのギネスビールはその量を1/2パイント、3/4パイント、1パイントから選ぶことができ、1パイントは大体500ml、細かい事を言うと英パイント米パイントとかあるのだが割愛。ともかくこれでアルコールとつまみを確保、PUBの定番フィッシュ&チップスがあればゆったりと駅前アイルランド観光を楽しめるだろう。
カウンターに座っているので目の前のビールサーバーから真っ黒な液体が注がれていく。十分にビールサーバーショーを見学した所でグラス一杯に注がれたビールが早速手元に、、、来ない。 2段式になっているカウンターの厨房側の高い位置に置かれて、お待たせしました等の言葉もない。
「すいませんこれって僕が頼んだビールですよね?」
気が逸って店員に声をかけた。
そのまま手を伸ばしてグラスを取ろうとすると店員は僕に声をかける。
「少々お待ち下さい。カスケードと言うんですが、注いでから時間を置く事で味がおいしくなるんです。」
なるほどそうだったのか。先走って見事に恥をかいてしまった。今までギネスビールを出す店は何店舗か行った事はあるけどそんな事初めて聞いた。へぇーそうなんだと浮ついた声で返事をしてギネスビールの泡が落ち着いて行く様子を眺める。後ろからは異国の言葉が聞こえ、目の前では店員さんが常連さんだろうかなんだか誰かが街コンでフラれたとかなんとか。
店内のBGMを聞いているとこの曲が入ったCD、僕も持っていた事に気づく。ケルト音楽はバクパイプがいい、あのぶぁ~っとした音には暖かさがある。
「お待たせしましたギネスビールです」
目の前で焦らされていた待望のビールいよいよ届く。ブリーダーに躾られた犬が散々待て、待て、とされていたところによしっと言われたかのごとき動きを悟られないようにあくまで余裕を持たせながらグラスに手を伸ばし一口頂く。ギネスビールを例えるなら微炭酸のコーヒードリンクだと思う。真っ黒な液体からはそれ相応の苦みとコクがありつつ、それでいて炭酸が弱い事でまろやかに仕上がっている。今度もしギネスビールを注いですぐ出してくる店があったらしたり顔でじっくりと泡が落ち着くのを待ってやろう。
まもなくフィッシュ&チップス、つまり白身魚のフライとフライドポテトが届く。お皿にはタルタルソースとケチャップそしてビネガーを調味料として用意してもらった。本場英国の料理はまずい事で有名だがそこまでは忠実に再現しない。サクサクの衣にふっくら淡白な白身。薄味なタルタルはたっぷりつけてもしつこさを感じさせずビネガーをさっとかけてちょうど良いくらい。しいて言えば少し身が小さい事が気になるか。反面フライドポテトは一人で食べるには少々量が多い。だがホクホクに揚げられたポテトのおいしさにバクバクいってしまう。ポテトに口の中の水分をとられたところでギネスをぐいっ。気分は英国。女王陛下万歳だ。アイルランドとイギリスがごっちゃになってきた所でお会計。次の店はどこにしようか。
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