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その後の話
しおりを挟む私が婚約破棄をされてから数年たった
そのときはなにも知らないシルリラ様の事を少し哀れに思っていたが
ずっとその事を思っている暇もなく、私は私の生活を楽しんでいた
私を産んでくれた家族のもとへは戻ることは出来なかったが
代わりにシルリラ様を留学生として受け入れてくれていた
コウネクト家にお世話になることになった
コウネクト家は子供ができず、ずっと欲しかったとのことで喜んで私を受け入れてくれた
元々はシルリラ様を子供として受け入れる予定だったが、婚姻してしまったため落ち込んでいたそうだ
私の両親とコウネクト家は仲が良く、たまに遊びに行っている
家族は戻ってきて欲しいと言っているが、この国の決まりで、一度でた家名に戻ることは出来ないのだ
そういえば、シルリラ様は妃となってから1年程で子供を産んだそうだ
国がお祭り騒ぎなり、その際にシルリラ様が挨拶をし
それから彼女を見たものは居ない
それはそうだろう
だって、彼女は国の母になったのだから
皆、知っていることだ
国の母になったら、今後人前に出ることは許されなくなると
ずっと、城の自室にいることになると
「…今日も平和ね」
最近、雨が良く降るようになって
作物が前よりも育ちが良くなった
こんな素敵な平和が続いているということは、真実は違うのだと知っている人は知っている
その事を知っているのは王族と私と2つの家族と側にいてくれている使用人だけ
彼女が国の母…
いえ、国を支えてくれている精霊たちの母になってくれたということに
そして、もう今後は精霊たちの母が入らなくなったことを知っているのは…
「お嬢様、彼女の事を調べましたが…」
「あら、ありがとう。」
私がそうなる予定だったから
複雑な気持ちだけど、私ではなくて彼女が妃となってくれたお陰で
この国の今後の平和は続くことがわかったし
私はこうやってお日様を浴びて生活することが出来ている
「やっぱし 同じ魂だったのね」
「はい」
「…早く、聖女様の生まれ変わりも見つかると良いのだけど」
私は渡された書類を返して、お気に入りのベンチから立ち上がる
前までは許されなかった屈伸をし、側にいたクロに目を向けた
「さてと…クロ、明日から3日間も雨だから 今日のうちにお花を移動しましょう。」
「はい。 お嬢様の仰せのままに」
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