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親子の会話
しおりを挟むこの間の父さんの行動にはビックリしたわ
まさか、後ろから抱き締められるなんて思ってもいなかったもの!
顔は絶対に真っ赤だったと思うわ 後ろからだから見られる心配がなかったことが幸いね
夜は寝られなくってたいへんだったんだから
部屋の明かりがついていたからか父さんが部屋に来て「レディなんだから 夜更かしはするなよ」
とか、言うと頭を撫でて出ていかれても急に優しく甘く接しられても困るんだから!
嬉しかったけど、めっちゃ嬉しかったですけどおっ!!
「うぅ、父さんの威力がやばい」
今朝の挨拶は素っ気ないものではなく
頭を撫でられてご飯にしようって言われたし
父さんからご飯の話が出るなんて、珍しいことなのよ
お茶だって誘ってくれるのは一年に三回あればいい方だったのに
だいたいが私から誘っているっていうのもあるかもですけど
「…なにか、あったのかしら?」
私は何かやってしまったのかしらと考えてみるけどなにも浮かばなかったので考えることをやめた
ご飯を食べているときに考えことは良くないですわ
私はそう思って父さんの方を見ると
父さんも考え事をしているようで眉間にシワがよっていた
「…何かありましたか?」
私が考え事をしていたから、その事を気にしているのかなと思い
「特にはない」
「そういうわりには眉間にシワが残ってますよ」
「……、」
そうやって眉間にシワを残したままと言うことはまだ考えているということですよね
聞いて良い話なのなら聞いてからアドバイスしますわ
私がなにも言わずに父さんを見ているとため息をした後に話始めた
「…気になる者がいてな」
「えっ?!」
私の聞き間違いでなければ
今、父さんが気になる人ができたと言いませんでした?
好きな人ができたんです…? あ、だから最近変だったのか!
お前の新しい母さんだ って紹介されるの??!
「へ… へー、どんなかたですか?」
動揺しつつ会話を続ける
「…気になっているだけだ」
「話されたことが無いのですか?」
「…あぁ」
まさかの一目惚れ!?
父親が娘に一目惚れした人がいるんだって相談だったのか
確かに言いづらいことですけど、先に話しておけば
後々紹介しやすいかもですけど
私は頭を回転させようと頑張るがショートし始めていた
「…そのかたは父さんからみて、どのような方ですか?」
「どのような、か。 優秀で周りからの評判もよくまだ幼いところもあるが今後に期待とみている」
なんと、父さんがほめているだと…
中々誉めることがない人が誉めるような素敵な人なのだと私は思った
渇いてきていた口内に紅茶を飲んで潤いを与える
完璧にその人に気があるということですのね
こういう時は父さんの背中を押してあげないと
「ーーー…まずは声をかけて話をしないとダメだと思いますわ 少しずつ距離を縮めていければいいかと」
本当は複雑な気持ちですの
前世の私はグランピーを取られるという事を嫌がっていますけど
娘という立場であるため父さんに新しい恋人ができることに喜んでいて
私の為に考えているというのでしたら、要りませんけど
父さんが好きになったというのなら応援しますわ
私のなかでそう覚悟を決めた
「…? 距離を縮める必要は直ぐにはいらないと思うが」
「え? だって、好きな人が出来たんですよね?」
「は?」
「へ?」
父さんの驚いた顔をみて私も驚く
ようやく覚悟が決まったというのになにか勘違いしているのかと
「…、ルベライト 俺が愛している人はあいつとルベライトだけだぞ」
顔色も表情も変えずに普通のことのようにその言葉が言える父さんがすごいと思う
「えっと…?」
「気になっている者と言うのは 新しい部下の事だ」
「あ、新しい部下…」
父さんにそう言われて私は壮大な勘違いをしていたことに気づき
顔が熱くなっていくのがわかった
「…最近、あまり構っていなかったせいか。」
父さんが何か言ったようだが恥ずかしくなって現実逃避している私の耳には届かなかった
「ルベライト」
「へ…? あっ、はい!」
名前を呼ばれてようやく帰ってこれたのだが
「愛しているよ」
「、っ!!!??!」
その言葉で私はまた現実から逃げ出すこととなった
え、え。え?
父さんから愛しているって言われた?
え、夢かしら? そうよね、夢よね?
外国では娘だから当たり前だという感じで伝えているとかってのは知ってるけど
ここは日本で… あ、日本じゃないわ
なら、娘に伝えるのは変じゃないわけか
私のなかで何かが決まり、戻ってきた
「私も父さんのこと好きですわ!」
流石に愛しているというのは難しいけど、好きというのは伝えておかなくてはと思い
口に出したまではよかったのですけど、やはり恥ずかしかったため
残っていたご飯を食べてその場から出ていった
あ、ちゃんと礼儀よく食事したし走らずに何時ものように部屋から出ましたとも
「私、何を伝えているんだか」
真っ赤であろう顔を隠すように枕へ顔を埋めた
まさか、父さんも私の好きだという言葉で耳を真っ赤にして顔を伏せていたことなど知ることはなかった
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