乙女ゲーム?それは過去の話です

灯月

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ごきげん

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黄色の花や葉が混じり始めた
言葉だけでは目に悪そうに思えますが、優しい色が多いので目には悪くないですわよ
まぁ、この色だけだと飽きてしまいそうですが

黄の門の守り人、ハッピー 前世ではごきげんって呼ばれていたわね
ごきげんって名前可愛いわよね 7人の中でいちばんこの呼び方好きなの
まぁ、そう呼べないけどね わかってくれないだろうし

黄の鉱山ではシトリンが採れるのよ
え、シトリンってどんな宝石?ですって?
黄色の水晶の事よ 富をもたらすとかなんとかで幸運の宝石とも言われているわ
だからかわからないけど、黄の門の街が一番賑わっているのよね  定員さんや街の人たちいい人ばかりだし
見た目が気になるって人は調べれば直ぐに出てくると思うわ 結構女性に人気の宝石らしいから

鉱山の中もこの宝石だと明るく感じるのよね
黄色だからってこともあるんでしょうけど、中がどうなっているか解りやすいのよ
太陽の光を上から取り入れてるのってここだけですし羨ましいわ

もう少し、このまま鉱山の中で暖かい光を浴びてたいわ

「ルベちゃん! いらっしゃい!!」

この人さえ居なければですけど

隣にはいつの間にか黄色い短な髪にオレンジ色が少し混じった黄色の目の私と同じスピードで動いているハッピーがいた

「今日は遊びに来てくれたのかな? 嬉しくって歌いたくなるよ! 君のために歌っても良いかな?」
「…相変わらずのうるさい方ですわね ハッピーさんは」

いつもニコニコ笑ってて疲れないのかしら  私には無理だわ
はぁっとため息をしながらハッピーの方を向く

「ここにいらっしゃるってことは何しに来たのかも分かっているのでしょう?」
「いつも通りにお仕事でしょー? 別に後でも良いよね」
「良くないわよ」

父さんも言ってたけどハッピーと話すのって疲れるのよね

「眉間にシワよってるよ?」
「誰のせいよ、誰の!!」

早く此処から居なくなりたいわ

毎回来る度に何故かハッピーはトロッコに乗っている
何故か私が来ることがわかるようで、必ずといって良いほどトロッコで迎えに来てくれるのよね
降りなくて良いってところはありがたいわ

「書類貰えます? それと、ルベライトですわ」
「ん? 知ってるよ? ルべちゃん」
「…やめてくださるように前にも言いましたが」
「えー、可愛いじゃん? 見た目も名前も」

前からこういう人だとわかっていたが、何故そうもストレートで言えるのかわからないわ
言われまくった為もう慣れましたが

「そういうのは、大切な人が出来てから言ってくださいませ」
「?? ルべちゃんは大切な人だから言ってるんだよ?」

ですから、そのストレートが嫌なんですわ
父さんにあったときも「グランピー! 会いたかった!!」て言いながら抱きつくじゃない
どうしてこうもこの人は私達親子の事をここまで好きなのやら
こういう時は適当に流すのが良いんです

「あー、はいはい わかりましたわ  書類くださいます?」
「はい、どうぞ」
「助かりますわ」

トロッコは結構な速さだったりするのだが、もうなれているため、直ぐに受け取った

「そろそろ分かれ道だからお別れかー」
「そうですわね、これ赤の方のですわ」
「助かるよ ありがとう」

そうやって、たまに見せるいつものニコニコとは違う笑顔が好きなんですわ  爽やかでかっこいいと思います
羨ましいのよ、上手く笑うことのできない私からしたら いろんな笑いかたが出来て

「そんなに、睨まないでよ かわいい顔がもっと可愛くなるだけだよ?」
「やっぱし、嫌いですわ」
「ははは そう言ってくれるのはルべちゃんとグランピーだけだよ  また会おうね」

隣の線路を通っていたハッピーは別のルートへと続くレールへ軌道を変えて行ってしまったわ
相変わらず私からのお別れの言葉を聞かずに

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