乙女ゲーム?それは過去の話です

灯月

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おとぼけ

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次が問題なのよね
橙の門の守り人ドーピー、おとぼけっての方がわかりやすいかしら
ドーピーは私にはわからない言葉を話すわ  たまに標準語を話すけど
守り人の誰かがいればなんとかなるんだけど今日は一人だし、困ってるわ

「すみません、ドーピーさんいらっしゃいますか?」

鉱山側にいた鳥に話しかけるとわかってくれたのか、館の方へ飛んでいった

こういうところも訳わからないわ
なんで、鉱山の人たちに話しかけるよりも動物たちに話しかけた方がドーピーの位置がわかるのよ

「!! ルべー □○△△▽◇」

私の名前と共に標準語では無い言葉で何かを言ってますわ

「ごめんなさい、ドーピーさん 何言ってるかわからないわ」

私の視界からは見えないので、適当な位置をみて伝えると  下から土が盛り上がり

「ごめ~ん、標準語じゃないとわかんないんだよね」
「…えぇ、私は人ですので」

そこから土だらけのドーピーが現れましたわ
茶色に橙が混じった色の髪に夕日のようなオレンジ色の目
整った顔に土で汚れてて見た目がもったいなくなってますわよ まぁ、中身はもう残念ですけど

「えー、早く覚えてくれないとお嫁さんとしてもらえないじゃん!  あ、このまま監禁すれば良いのか!」
「やめてくださいませ! はぁ…、これだから嫌なんですわ。」

前世でのゲーム世界の彼はここまでヤバくはなかったですのよ  …喋らなかったから
喋ることなくって口笛とか体を使って表現してたからヤバくなかったのよ
彼ともっと喋りたい!とかいうこと考えてた乙女ゲーム好きの方に言うわ
喋らないようなキャラは喋らせちゃいけないのよ 全キャラに言えることではないけど、私はそう思ってるわ

「…ドーピーさん 口笛じゃ私はわかりませんわ」

ため息しか出ませんわ
確かに画面の向こうでは可愛いなっとか思ってましたよ、前世は!
今は無理ですわ ムリムリ

「え? 書類汚しちゃったって? 地面から来るから悪いんですわ  この間は池から来たせいでもう読めるものじゃなかったではないですか」

前回よりもましだとは思いますが
ドーピー、喋りなさいよ 口笛でならレベルが上がったねって?相変わらずの貴方がムカつくわ

「…いいですわよ、前よりはなんとかなりそうですし」
「そんな、怒った顔も可愛いね 抱きたい」
「それは言葉にしなくて良いですわ」

言葉にするものと心の中で思う言葉 この人逆じゃないのでしょうか

「綺麗な赤だよね 染めたい」 
「そろそろ、黙ってくださいます?」

イライラしながら書類を受け取って、こちらのものを渡す
どうして父さんはこの人と仲が良かったのか分からないですわ
領域的にはお隣同士ですから仲が良いことはわかりますが、それ以外がわからないわ
周りの人から聞くと良いコンビだって言われてるらしいけど…、私は認めませんわ

「では、帰らせていただきます」
「え、帰ちゃうの?」
「ええ、とっとと移動したいのですわ」

そういうとドーピーはヘラっとした顔のまま何かを渡してきた
何かと見ると橙の鉱山でとれる琥珀の筒

「…穴が開いてますけどこれは?」

ドーピーは口笛をふく

「笛ですのね、相変わらずこういったものはお上手ですわね」

誉められたと嬉しそうに体で表現しているが何も見なかったことにしよう
調子にのると面倒くさいし 会話がドッジボールなうえに、標準語じゃないので

「また、気が向いたときに来ますわ」

そう言いきって私は鉱山の中に戻っていった

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