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お友達
しおりを挟む「おかしいわよ!!」
目の前に座っている黒髪のかわいらしい女の子がそう言う
私からしたらあんたもおかしいからって言いたいのだがここでは黙っておこう
「なんで、なんで… 私がスノーじゃないのよぉ!!」
毎回お茶会をする度にその台詞を聞くこっちのみにもなって欲しいわ
「私は皆に愛されて…、その中から一人選んでその人と恋仲になりたいのにぃ!!」
あぁ、遅くなってしまいましたが
私の前にいらっしゃる方はこの物語の主人公スノーの娘さんですわ
ちなみに、仲良しで前世の記憶持ちなんです
…皆に愛されたいのか一人に愛されたいのか良くわからないわ
「スノーの娘ですって!!? たしかに、容姿は良いわよ でも、でもっ!!」
私は先程食べたクッキーの甘さを楽しみつつ紅茶を一口飲む
「グランピーにも娘がいるとか しかも私の友達って…」
「…私は別に何て言われても良いけど、父さんのことを呼び捨てにするのは許さないわよ」
「そのうえ、ファザコンとか…」
「あら、仕方ないでしょ? 貴方と違って私の親は父さんしかいないもの」
彼女、いえ エトワールはむすっと拗ねたかのように口を膨らませた
見た目は可愛らしいですけど性格を知ってる私は可愛いと思えないのよね
「うぅー、お父様が一番好きなキャラでしたのにぃ」
その気持ちはわからなくはないわ
私もギャップのある父さんのこと気に入ってましたもの
「…エトワールはしっかり勉強してますの?」
「今その話ですの? …嫌ですが兄様にうるさく言われますので」
「あら、フロスティ様に?」
フロスティはエトワールのお兄さんですわ
見た目は主人公ちゃんにも王様にも似てないって良く言われてるのよね
顔つきとかは王様似だし、性格は主人公ちゃん似だと思うのだけど 白い髪に灰色の目だからか幼い頃は苦労してたらしいわ
「相変わらず、ね」
「本当に好みなんだからしょうがないじゃないの! うぅ、兄妹じゃなければ…」
「はいはい で、今日の用事はなにかしら?」
お茶会を開くというとは何かあったということだ お茶を飲むとかお菓子を食べるためにあるわけじゃないのよ
「…今度、会うことになったのよ」
「会うって…?」
「……見合い相手と」
「あー そういうことね 確かに私達婚約者ってのがいないものね」
人だとこの年で婚約者がいないというのは遅れているらしい
前世の記憶があるとまだまだこれから恋人ができる!とか言って気にしなかったのよね
前世の私達、学生の間は相手いなかったはずだもの
「どんな人なの?」
「…狩人の息子君」
「え」
私は持っていたクッキーを驚いて落とす
まさか、狩人にも相手ができてて子供がいたなんてっと
「私まだ城にいたいし というか、皆にちやほやされたい」
「…確かに婚約者が出来ると自由に出来ないからねぇ」
「お母様はずるい 自分は好きな人とくっついたくせに」
また、始まりましたわ
今回は放っておきましょうか そのうち帰る時間になりますし
狩人にまさか子供が出来てたなんて父さんも知らなかった情報でしょうね
帰ったら報告しないといけないわ
日が暮れて第三者の人が来るまでエトワールの言いたいことは続いたのだ
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