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一章
0 リーネの記憶
しおりを挟む私には前世の記憶がある
記憶があるといってもニッポンという国で暮らしていて女性で、ゲームという機械が好きだったというくらいしか覚えていない
何歳だったのか
なぜ此処にいるのか
前世の自分は何をしていたのか
など名前さえもわからない
でも、そのお陰か私はこの世界を楽しめている
私には優しいお父さんとお母さん、双子のお姉ちゃんがいる
お父さんは格好いいし、お母さんは美人だし
お姉ちゃんは可愛くて頼りになって、いつも一緒にいてくれる
別に貴族とかって訳じゃないけどこの生活にはとても満足している
「リーネ、どうかしたの?」
私がぼーとしていたのを気にしてかお姉ちゃんのティーセが声を掛けてきた
「なんでもないよ! ちょっと空を見てただけ!」
なら良いけどと言いながらあまり背の変わらない私の頭を撫でてくれた
優しく撫でてくれるから好きなんだよね
私は嬉しくなりそっと笑うとそれを見てティーセも笑う
「私、お姉ちゃんに撫でられるの好き!」
「ふふ、ならよかった」
だからか、私は知らなかった
いや、記憶が無いから思い出せなかった
前世の私はこの世界の事を知っていて
『恋の魔法は何色?~貴方の色に染まれたら~』(略して、恋色)という乙女ゲームで
私はこのゲームのヒロインだということを
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