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一章
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しおりを挟む「ティーセ!! わんこみつけた!!」
「? わんこ…??」
リーネは何時もよりも早く戻ってきて
知らない言葉を言いながら何かを持っていた
「…それは?」
「わんこ! ほら、犬だよ!」
「犬…?」
リーネは嬉しそうに犬だと言って見せてくるが
わたしにはそれが犬だと思えない
というか、わんこっていうのは犬なのかとリーネの言葉を理解した
「そのこ怪我してる?」
「えっ、 本当だ!」
後ろ両足が怪我していて、こちらを向いてはいるが音と匂いで確認しているみたいだ
目も声も使えないように魔法をかけられているらしい
「ティーセ、手伝ってくれる?」
「白の練習ね」
私は手を繋ぎリーネは怪我を治すイメージをする
私はリーネに魔力を分け、上手く使えるように調整
「それと汚れてるから綺麗にしてあげたいけど…」
「少し、青と黄を足すわよ」
「え、それで綺麗になるの!?」
一般的に知られているのは青を使うのみの魔法なのだが
私はほんの少しずつ2色いれ
白が主なので薄い青黄緑となる
「わー、すごい。」
「白い緑で白緑」
青だけのものだと水を出して濡らし
また青を使い水を飛ばすというもの
私が使ったものは水を使わずに汚れを飛ばすという少し変わったもの
「え、白緑じゃ駄目なの?」
「 …周りにどの色なのかばれないようにって思ってつけた名なの」
新しい色を作るということはめんどうがついてくるのだ
作るまでは別に自由だから問題ないのだが
その後、もしも国にバレた時やこの魔法が悪いことに使われそうになったら困るし嫌
私はムストに相談したら、新しい色を作ったらバレない方がいいとも言ってたし
精霊の方でも色々とまずいらしい
「あ、だからティーセの作る色の名前って読みにくいのね」
「ええ、あえてやってるからね。 他にも薄青という名前の候補もあったわ」
「確かに、白と青混ぜただけだって思われるもんね!」
「あら、リーネ賢くなったのね」
昔はここら周辺に住んでた人たちだけが緑のことを青と呼んでいたのだ
私が貸した本の中にその事について書かれたものがあったはずだ
しっかりと勉強をしているのだと感心する
「そりゃあ、勉強してるもん!」
目的はちょっとずれてたりするけどね
魔法を掛けた後に犬…いや、わんこは目を開けた
綺麗な赤と橙の目をしたオッドアイ
灰色の毛並みにあった良い色だ
「! 元気になった? わんこくん!」
〈あれ、目が見える…?〉
「よかったー、君怪我してたんだぞ!」
わんこは返事をするかように吠える
リーネは足しか気づいていなかったであろうが
しっかりと目と声も治していた
私が力を貸さなくともきっと一人で治せていたであろう
「…その子どうするの?」
〈君が治してくれたの?〉
先程から犬のなく声と共に別の声がするが聞こえないふりで通す
理由はリーネには聞こえていないようだからだ
〈助けてくれてありがとう! ねぇ、君の名前は?〉
「んー、どうしようかなぁ。」
どうやら、わんこの方もこちらの言葉がわからないらしい
ということはこのわんこは獣人の可能性が高いという訳で
私はリーネはモテるなぁっとため息をついた
羨ましいとは思わないが
「わ、わかってるって! おうちじゃ飼えないことくらい…」
〈あ、そっか 色が使えるからといってこの言葉も念も人には通じないんだった…〉
「まぁ、此処でちゃんと治るまでみてあげたら?」
怪我は治ってるし目も声も問題はないのだが
わんこが何故あのようになっていたのかが気になったためその様な案を出した
「!! 良いのかな!」
「その子が嫌がらないようならだけど」
〈?? 良くわからないけど嬉しそう?〉
わんこを持ったままその場でくるくると回るリーネ
「んー、とね。 そうだ!シュークにしよう!」
「その子の名前?」
「うん、そう! 朱色と紅の目を持ってるから」
「? 朱色と紅? 赤と橙のこと?」
また、リーネのわからない言葉が出てきた
昔からそうだったためリーネ語と勝手に私は呼んでいたりする
「朱色ってのが赤橙で紅ってのが赤なの。」
「…今後色の名前つけるときにアドバイスもらおうかしら」
「シューク 君の名前はシュークだ! よろしくね、シューク」
そう何度も名前を呼んで抱き締めた
〈…シューク? それはもしかして僕につけてくれた名前?〉
何度も呼んでいるからわかったのか
わんこのシュークは名前だということに気づき嬉しそうに尻尾を振った
「遊ぼう、シューク!」
〈うん よろしくね! えーと…〉
「…リーネ」
「ん?」
「あまり遠くにいかないようにね?」
〈…リーネ? 君はリーネって名前?〉
タイミング良くリーネは首を縦にふりながら返事をして走って行った
「ねぇ、ムスト あのこ犬じゃないわよね」
〈…あぁ、獣人だな。 しかも山狼だ〉
「おー、優秀な人材で… でもあのこ」
〈人形になれないようだな 言葉も覚えておらぬようだったからな〉
きっと少しずつ覚えていくであろう
リーネといる限りは覚えようとするだろう
聞きたい、話したいという気持ちで頑張るであろうし
「誰かさんと同じだね」
〈……〉
ムストは何も言わなかったが
少し難しそうな顔をしていた
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