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一章
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しおりを挟むリーネにも魔法が使えたことに気づけたあの日から2年たった
4年後には16歳になり、私たちは学園に行くこととなる
私は魔法科になるであろう
妹のリーネは前までであれば普通科、又は学園ではなく街の学校か働くという選択肢だったが
今は違うのだ
「私、ムストさんと話せるようにがんばる!」
その気持ちからリーネは魔法科に入れるようにと勉強を始めた
お父さんとお母さんはリーネにも魔法があったことは伝えてある
二人は驚いたあと喜んでくれた
何故、わかったのかは伝えていない
怒られるだろうし、心配をかけたくないのだ
「むー 黒使いにくいー」
「ほら、頑張って」
黒が使いにくいのは当たり前である
白は様々な色を混ぜ使いやすい新たな色を作れるのに対して
黒は混ぜて作られた色と混ぜることができないし、普段使えるような色は無い
〈ティーセも黒を使うことは苦手であろう〉
「…確かに、ムストの言うとおり私も黒は苦手なのよね」
「!! ムストさんいるの!?」
リーネは私の手を繋いできた
まだ、リーネだけの力ではムストを見ることができないのだ
「ムストさん! お久しぶりです!!」
〈先週あったばかりだと思うが…〉
「そうですけど…もっと会いたいんです。 私はティーセとは違ってまだ色を上手く使えないのでムストさんを視ることが出来ないので…」
〈では、頑張るのだな〉
そっけない態度に見えるが、ムストも嫌ではなさそうだ
「ムストは黒を使えないと視えないものね」
「うぅ、なんで黒の精霊なんですかぁ 綺麗でかっこ良すぎます」
〈それは、褒めているのか〉
「はい! ムストさんはとっても綺麗です!黒使えるように頑張ります」
そういうとリーネは顔を真っ赤にして、誤魔化すかのように何処かへ走って行った
ムストがいる事が分かっているとこんな感じなので追いかけることはしなかった
〈…ティーセもリーネも変わっている〉
「急にどうしたの?」
〈私は生き物や神々に好かれていない 皆、嫌そうな表情や醜い中身を見せてくる 綺麗などと言ってくるのはお前ら姉妹だけだ〉
「私は初めてみたときから素敵な色で綺麗だと思ったのよ リーネは私とは違う意味で言ってるのかもだけど」
ムストは困った顔をする
彼と関わっているのが私だけだったならこんな顔はしなかっただろう
リーネと話すようになってからか、表情が柔らかくなった気がする
〈…わかっている、私は黒の精霊なのだからな〉
黒は闇、人のなかを読める
きっとリーネの気持ちはバレバレなのだろう
それでも関わってくれているのだ
「…私ももっと頑張らないと。」
〈そうだな、ティーセは私の力を借りずに黒を使えるようになれ〉
「わかってるって。 それまでは力を貸してね」
〈たまに、な〉
ムストらしい返事を聞いてふふっと笑う
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