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一章
7.5 リーネ視点
しおりを挟むお茶会後、久々にお姉ちゃんと二人で街に来たのだからと喜び
ロイに会えないかなと考えて約束の場所に行ったが
居たのは知らない大人達で
「っ、逃げるよ!」
お姉ちゃんに腕を引かれて逃げることになって
草むらのなかに隠れていた
私が怖いと言えば大丈夫と笑ってくれて
守ってくれた
お姉ちゃんよりも前の記憶を足せば私の方が歳をとっているのだが
怖いものは怖いのだ
「…あ、」
少しでも気を紛らそうと周りを見ていると
白色の兎がいた
白や黒一色という動物は珍しく
私はついその子を追いかけた
「まって、白うさちゃん!」
約一年前にルドからもらった昔の記憶にあった桜が嬉しくて
つい今回も昔の記憶では普通にいた白い兎をみて懐かしくなり追いかけてしまった
私の目には兎しかうつってなく
「え、?」
崖があることに気づかずに落ちかけた
「た、たすけ…」
お姉ちゃんには何も声をかけずに来てしまったことに今気付いた
もしかしたら、私が居なくなっていることにまだ気づいていないかもしれない
そうだとしたら、私は見つけてもらえない
「い、いや。 まだやだ…たす、けて」
少しずつ捕まっていた土が崩れ始める
下は見たくない
「リーネ!!」
気のせいでなければ
お姉ちゃんの声が聞こえた気がした
そこからは、何故かお姉ちゃんも一緒に落ちてるし
私の頭を抱き締めて私を庇ってくれようとして
何かポカポカした感じが身体中に回ったと思ったら
私とお姉ちゃんは浮いてて
知らない声が聞こえて
浮いてる理由が私の色魔法が使えたからってことがわかって
それで、それで…
「かっこいい…」
私の目の前にはすごく綺麗で格好いい人がいた
髪は長く真夜中の夜のような美しい色
目は深い海底のような色
月の光でどちらも輝いて見えた
私は初めて恋をした
〈ティーセ、ここからならば家が近いだろう〉
「えぇ、ありがとう ここまで一緒に送ってくれて」
〈構わない。 話せる相手がいなくなるというのは嫌だからな〉
お姉ちゃんと彼の話は耳に入ってこなかったがいつの間にか家の側に来ていたことはわかった
彼が消えた
「リーネ? お家帰ろ、お父さんもお母さん心配してるだろうし」
「…ねぇ、お姉ちゃん」
私はお姉ちゃんの手を掴む
お姉ちゃんは何かとこちらを向いた
「お姉ちゃん! あの人のこと知りたい!!」
まるで、私が何を思っているのかわかっていたかのようにそっと笑った
「なら、まずは… そのお姉ちゃん呼びやめよ?」
「えっ…」
「私の妹だって事を伝えているだけで終わるわよ?」
「やめます!」
この日から私はお姉ちゃんではなくティーセと呼ぶようになった
ティーセに聞いたところ彼の名前はムストで精霊らしい
初めてみた精霊はムストさんはとても綺麗でかっこよくって素敵な方でした
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