(仮)ヒロイン達は前世の記憶持ちの悪役令嬢に嫌われているらしい

灯月

文字の大きさ
11 / 18
一章

しおりを挟む
あのお茶会からリーネと私はルドと何度か遊んだ
ルドはリーネをからかうことが気入ったらしく
女の子には出来なそうな事ばかりやってみせた
リーネもリーネで負けずとついていこうとするが
毎回私が2人を止める
どちらにも怪我をされては困るのだ

お母さんと行ったあのお茶会から
私たちは他のお茶会にも呼ばれるようにもなった
お母さんのお友達さんのケイトさんが私たちを気に入ってくださったらしく
よく、遊びにいくようになった

「どーしよ…」

今日はそのお茶会からの帰りだ
今回はお母さんは一緒ではなく、馬車も街のものを使った
久々に2人で街に行ったので彼に会えないかとあの場所に向かうまでは良かった

彼というのはロイのことである
私は家で勉強することが増えたため
約一年くらい彼に会ってない
リーネも最近は会えていないらしく
せっかくだから行こうと来たのだ

「しっ… なんで、人拐い達が」

来た結果、知らない大人達がおり
遠くから会話を聞いていたところ、彼らが人拐いということがわかり
逃げようとしてリーネが転び彼らにバレた
で、今は彼らから逃げ隠れているところだ

「…気配を消すとか、まだ覚えてないのに」
「どうしよう お姉ちゃん…」

横を見ると今にも泣き出してしまいそうなリーネ
私だって怖い
でも、泣いてる場合ではないし
少しでもリーネを元気付けようと笑いかける

「大丈夫だから」
「…うん」

近くで声がする
息を殺してばれないように 

「おい、あの子ども共居たか?」
「いやいねぇ。」
「俺らが探してるのは男だからそこまでして探さなくてもいい」
「…だが、見られましたぜ?」
「は、子どもが言ったとこでばれやしねぇーよ」

人拐い達は嫌な笑いかたをする

「それにここら辺は崖が多い。 落ちてたら助からねぇーよ」
「確かにな! 俺らも崖から落ちる前にずらかるぞ」

人拐いが居なくなったのを確認したあと
私はリーネの方を向く

「あれ…? リーネ?」

いるはずのリーネがそこにはいない
周りを探すが近くには居ないようだ

「り、リーネ!!」

まさか、人拐いに見つかったのではないかと
焦って名前を呼びながら闇雲に走る

〈ティーセ、そっちではない。 一度落ち着いて黒を使えるか?〉
〈えっ、あ。ムスト…そ、そうね ムスト力を貸して〉

私は深呼吸をして
まずは落ち着かせる
次に目を閉じてまだ使いなれていない黒をムストに手伝ってもらいながら行う
黒は闇を使うことができる
暗くなってきた今、人探しをするのには一番いい魔法だ

「っ、見つけた!」
〈崖から落ちかけているな〉
「冷静に言ってないで!」
〈前に伝えたとおりに、私はティーセ以外には力を貸せない〉

「わかってる! 、リーネ!!」
「お、お姉ちゃんっ!」

リーネはムストが言っていた通りに崖から落ちかけていた
私はリーネを引き上げようと手を差し出した瞬間
足元の土がずれた

「え」

足場が落ちたためリーネも私も落ちる

「お、お姉ちゃん!?」
「リーネ!」

私は必死にリーネに腕を伸ばして、つかんだ
リーネを引き寄せて少しでも衝撃を和らげようと頭を抱き締める
どうか、この子だけでも助けてくれと

〈ティーセ、彼女の…リーネの色が感じ取れるか?〉
〈急に、〉
〈リーネの色、わかるか〉
〈…えぇ、わかるけど?  あ、あれ? これって〉

私は急に言われてそんな事今してる場合ではないと抗議するが
言われて気付いた
リーネの色は無いわけではないことに

〈あぁ、そうだったのね〉
〈ティーセ、導いてやれ〉

私はいつも使うように、力を込める
リーネの色と混ぜて

「!!?」
「はぁ…、よかった」

私たちは優しい光に包まれて浮いていた
これはまだ私一人では使うことのできない白の単体魔法

「お姉ちゃん…?」
「ふふふ、リーネもわかるでしょ? これが色なのよ」

私は抱き締めていた力を抜き
リーネにも見えるように体制を変える

「私にも、使えたの?」
「えぇ、ただ一人で使うには大変そうね」

きっとリーネだけでは安定しないであろう
二人でようやく使うことが出来たのだから

「す、すごい! え、本当に!?」
「本当の本当だよ!」
「私、モノトーンなのに?」
「モノトーンだからだよ!」

前にムストに聞いたことがある
モノトーンとは白から黒で作られた色の事だと
まぁ、実際に今まで魔法が使えたことがないため
白すぎて又は黒すぎて何もないと勝手に魔法が使えない勘違いしていた

〈その通り、モノトーンは白と黒のみが使える〉
「!? え、声!!」
「リーネにも聞こえるようになったの?」

ムストの声を聞いてリーネは辺りをみる
まぁ、誰も居ないのだが

〈ティーセの魔法に触れて使えるようになったからか、聞こえるようになったようだな〉
「そうなんだ」
「え、私ついてけてないよ!?」

私たちは元の場所に戻ってきた
ようやく地に足をつけることができ
いつの間にか魔法は消えていた

〈はじめましてだな、モノトーンと呼ばれしリーネよ〉
「ーーー…」

普段ならば直ぐに返事するのに
リーネは何も言わなかった
私は不思議に思いリーネを見た

「…え?」

この時のリーネの顔を私は一生忘れないであろう
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

ゲーム未登場の性格最悪な悪役令嬢に転生したら推しの妻だったので、人生の恩人である推しには離婚して私以外と結婚してもらいます!

クナリ
ファンタジー
江藤樹里は、かつて画家になることを夢見ていた二十七歳の女性。 ある日気がつくと、彼女は大好きな乙女ゲームであるハイグランド・シンフォニーの世界へ転生していた。 しかし彼女が転生したのは、ヘビーユーザーであるはずの自分さえ知らない、ユーフィニアという女性。 ユーフィニアがどこの誰なのかが分からないまま戸惑う樹里の前に、ユーフィニアに仕えているメイドや、樹里がゲーム内で最も推しているキャラであり、どん底にいたときの自分の心を救ってくれたリルベオラスらが現れる。 そして樹里は、絶世の美貌を持ちながらもハイグラの世界では稀代の悪女とされているユーフィニアの実情を知っていく。 国政にまで影響をもたらすほどの悪名を持つユーフィニアを、最愛の恩人であるリルベオラスの妻でいさせるわけにはいかない。 樹里は、ゲーム未登場ながら圧倒的なアクの強さを持つユーフィニアをリルベオラスから引き離すべく、離婚を目指して動き始めた。

一途に愛した1周目は殺されて終わったので、2周目は王子様を嫌いたいのに、なぜか婚約者がヤンデレ化して離してくれません!

夢咲 アメ
恋愛
「君の愛が煩わしいんだ」 婚約者である王太子の冷たい言葉に、私の心は砕け散った。 それから間もなく、私は謎の襲撃者に命を奪われ死んだ――はずだった。 死の間際に見えたのは、絶望に顔を歪ませ、私の名を叫びながら駆け寄る彼の姿。 ​……けれど、次に目を覚ました時、私は18歳の自分に戻っていた。 ​「今世こそ、彼を愛するのを辞めよう」 そう決意して距離を置く私。しかし、1周目であれほど冷酷だった彼は、なぜか焦ったように私を追いかけ、甘い言葉で縛り付けようとしてきて……? ​「どこへ行くつもり? 君が愛してくれるまで、僕は君を離さないよ」 ​不器用すぎて愛を間違えたヤンデレ王子×今世こそ静かに暮らしたい令嬢。 死から始まる、執着愛の二周目が幕を開ける!

悪役令嬢だとわかったので身を引こうとしたところ、何故か溺愛されました。

香取鞠里
恋愛
公爵令嬢のマリエッタは、皇太子妃候補として育てられてきた。 皇太子殿下との仲はまずまずだったが、ある日、伝説の女神として現れたサクラに皇太子妃の座を奪われてしまう。 さらには、サクラの陰謀により、マリエッタは反逆罪により国外追放されて、のたれ死んでしまう。 しかし、死んだと思っていたのに、気づけばサクラが現れる二年前の16歳のある日の朝に戻っていた。 それは避けなければと別の行き方を探るが、なぜか殿下に一度目の人生の時以上に溺愛されてしまい……!?

悪役令嬢の心変わり

ナナスケ
恋愛
不慮の事故によって20代で命を落としてしまった雨月 夕は乙女ゲーム[聖女の涙]の悪役令嬢に転生してしまっていた。 7歳の誕生日10日前に前世の記憶を取り戻した夕は悪役令嬢、ダリア・クロウリーとして最悪の結末 処刑エンドを回避すべく手始めに婚約者の第2王子との婚約を破棄。 そして、処刑エンドに繋がりそうなルートを回避すべく奮闘する勘違いラブロマンス! カッコイイ系主人公が男社会と自分に仇なす者たちを斬るっ!

勘当された悪役令嬢は平民になって幸せに暮らしていたのになぜか人生をやり直しさせられる

千環
恋愛
 第三王子の婚約者であった侯爵令嬢アドリアーナだが、第三王子が想いを寄せる男爵令嬢を害した罪で婚約破棄を言い渡されたことによりスタングロム侯爵家から勘当され、平民アニーとして生きることとなった。  なんとか日々を過ごす内に12年の歳月が流れ、ある時出会った10歳年上の平民アレクと結ばれて、可愛い娘チェルシーを授かり、とても幸せに暮らしていたのだが……道に飛び出して馬車に轢かれそうになった娘を助けようとしたアニーは気付けば6歳のアドリアーナに戻っていた。

記憶を失くして転生しました…転生先は悪役令嬢?

ねこママ
恋愛
「いいかげんにしないかっ!」 バシッ!! わたくしは咄嗟に、フリード様の腕に抱き付くメリンダ様を引き離さなければと手を伸ばしてしまい…頬を叩かれてバランスを崩し倒れこみ、壁に頭を強く打ち付け意識を失いました。 目が覚めると知らない部屋、豪華な寝台に…近付いてくるのはメイド? 何故髪が緑なの? 最後の記憶は私に向かって来る車のライト…交通事故? ここは何処? 家族? 友人? 誰も思い出せない…… 前世を思い出したセレンディアだが、事故の衝撃で記憶を失くしていた…… 前世の自分を含む人物の記憶だけが消えているようです。 転生した先の記憶すら全く無く、頭に浮かぶものと違い過ぎる世界観に戸惑っていると……?

悪役令嬢と言われ冤罪で追放されたけど、実力でざまぁしてしまった。

三谷朱花
恋愛
レナ・フルサールは元公爵令嬢。何もしていないはずなのに、気が付けば悪役令嬢と呼ばれ、公爵家を追放されるはめに。それまで高スペックと魔力の強さから王太子妃として望まれたはずなのに、スペックも低い魔力もほとんどないマリアンヌ・ゴッセ男爵令嬢が、王太子妃になることに。 何度も断罪を回避しようとしたのに! では、こんな国など出ていきます!

『処刑されるたびに12歳に戻る悪役令嬢、7回目の人生は「何もせず寝て過ごす」ことに決めたら、なぜか周囲が勝手に勘違いして聖女扱いされています

六角
恋愛
公爵令嬢リリアーナは、18歳の誕生日に必ず断罪・処刑されては12歳に戻るという地獄のループを6回も繰り返していた。 真面目に努力しても、剣を極めても、裏社会を支配しても、結局は殺される運命。 心折れた彼女は、7回目の人生でついに決意する。 「もう頑張らない。どうせ死ぬなら、今回はひたすら寝て過ごそう」と。 しかし、安眠を求めて「うるさい」と敵を黙らせれば『王者の覇気』と恐れられ、寝ぼけて放った魔法は『神の奇跡』と崇められ、枕への異常なこだわりは『深遠なる儀式』と誤解されてしまう。 気がつけば、ストーカー気味のヤンデレ王子、パン屋の元ヒロイン、狂犬の如きライバル令嬢、元部下の暗殺者、そして不眠症の魔王までもが彼女の信者となり、リリアーナは意図せずして国を、そして世界を救う「最強の聖女」へと祭り上げられていく。 「お願いだから、私を寝かせて!」 睡眠欲だけで運命(システム)さえもねじ伏せる、無気力悪役令嬢の痛快勘違いサクセス(?)ストーリー!

処理中です...