(仮)ヒロイン達は前世の記憶持ちの悪役令嬢に嫌われているらしい

灯月

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一章

。 シャルロット視点

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「…どうしましょう。」

大切にしていたお父様からの鏡を割ってしまった事もそうなのだが
それ以上に困ったことになった

「お嬢様!どうかいたしましたか!」
「…大丈夫よ。 少し手を滑らせてしまって どうしましょう、お父様からいただいた鏡壊してしまいましたわ…」
「すぐに、片付けて 直させるように頼みますので、心配なさらなくても大丈夫です」

侍女はいつものようにてきぱきと片付けを始める

この世界って本当に便利ね…

科学が発展した世界で生きてきた私の記憶からしたら
魔法というのもはかなり便利だと感じた

「では、失礼します。」

壊れた鏡を持って部屋を出ていった侍女
私はそれをみてため息をする

私はシャルロット・リド・ケイス
今の名前は、だ
前世と言うのかわからないが、私はこの世界を知っている
その時の名前は鈴で、確か三十路だった
彼氏はいたし、仕事も楽しんでいたわ
満足のいく毎日を過ごしていたはずなのに
何故か私はシャルロットとしてこの世界にいる

「何故、いるのかしら… じゃないわよ! え、私がシャルロット!? てか、ここ恋色の世界の中!?」

目の前にある大きな鏡台にはまだ幼い可愛らしい少女の姿
髪は薄い紫色で目はルビーの宝石のような赤色
自分でみていてもうっとりとしてしまうくらいの可愛さだ

「頭が痛いわ…」

今置かれている状況にも
一気に思い出した前世の記憶の多さにも

「これは、夢よ そうよ、寝れば明日には…」

そういってキングサイズのベッドに横になるが
寝るに寝れない

「無理だわ。 この状況じゃゆっくりできない。」

とりあえず、今の状況と今後起こるであろう事を日本語で紙に書いていく



私が知っている世界であればこの世界は乙女ゲームの世界だ
『恋の魔法は何色?~貴方の色に染まれたら~』略して恋色と呼ばれていた

ちなみに、続編も出ていてそちらは大人向けの内容となっていたはずだ
攻略対象と恋愛中とかその後からの話で面白かったのよね

ヒロインは庶民で父と母、双子の姉がいる
両親との仲はとてもよいが、姉は別
姉が魔法に関してハイスペックである為、周りからは比べられて育った
ヒロインは魔法が使えないという事で小さな頃から育てられたからか、苦手意識が出来てしまい
その溝を埋めることが出来なくなって、仲が悪い

…実際はチートレベルの魔力なんだけど
それに気づけるのって全てのキャラ攻略後の2週目&とあるルートを進まないといけないっていうのもなのよね。

物語が始まるのはヒロインが高等学園に入学してからだ
このゲームが人気だった理由の一つでもある
科が選べるというシステムがあり、普通科か魔法科かのどちらかが入学のときの選択肢で決まる
それにより、攻略対象のキャラが代わり
狙っていた彼とのエンディングが見れなくてもそれに近いところまで行け、その行けそうで行けない物寂しさが良いという
あえてそのルートを選ぶという者もいた
私も好きなキャラの為にと全てやりこんだものだ

あの方のあのエンディングすっごく良かったのよね
スチルも色にこだわっているゲームだったから綺麗でみとれたもの
と、脱線したわね…

攻略対象は5人と隠しキャラなので、系6人
第一王子、第三王子、獣人の3人がどちらでも恋愛できる

科によって相手との関係や関わり方が大分違うのよね

普通科なら幼馴染みと
魔法科ならエルフと
という恋愛ルートが増える

魔法科で幼馴染みとっていうルートがめっちゃ萌えたのよねぇ
え、なんでって終わりなんだけど
続編でその辺の理由がわかったり、二次創作とかが素敵だったのよね

「私の前世の意見は良いのよ…」

気を取り直して、今の私にとって大事なところをちゃんと思い出さなくては

私、シャルロットの立場と言うと
ヒロインを苛め、わがままし放題の令嬢様
第一王子と婚約者関係にあり、ヒロインがあらわれて王子をとられそうになり
ヒロインに嫌がらせをするようになる
最終的には大体がヒロインの攻略対象に殺される運命を持っている

殺されたくはないのよ
なんとしてでも生きたい

「その為にはヒロインを苛めない、関わらないようにしないと…」

矢印を書いてどうするべきかと書き込むが
それを消すように一本線を引く

「いや、でもそうしたことによって未来が変わってしまったら…? そっちの方が困るわね」

私の知っている通りにシナリオは進んでもらわないと困るのだ
ヒロインが誰とくっついてどうなったって構わない
シナリオを変えるとその分の修正がどこかで起こり、知っているものでは無くなってしまう
もしかしたらで、シャルロットは生き残れるルートが出来るかもだけど
もしかしたら、全て助からないルートができるかもしれない

「、とりあえずは悪役令嬢をしましょうか」

今後の方向性も決まり
ようやく、落ち着いて眠りにつけそうだと目をつぶる


彼女もまた、知らなかった
まさか、彼女以外にも前世持ちがいて
もうシナリオが戻れない方向にまで変わってしまっていることに…
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