(仮)ヒロイン達は前世の記憶持ちの悪役令嬢に嫌われているらしい

灯月

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一章

6

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今日はお母さんの知り合いに会いに行くと言うことで
お父さんを家に残して馬車に揺られていた

「お母さんの知り合いの人に会うの楽しみ!」
「ふふふ、とても素敵な人なのよ」
「お母さんが素敵な人っていうくらいだからすっごく素敵なんだろうな」
「あら、買い被りすぎよ」

もうすぐつくと聞いてからはずっとこの話が続いていた
私とリーネはお母さんのことをとても尊敬している
それは自分の親なのだから当たり前と言えば当たり前なのだが
優しくて様々なことを知っていて
時には厳しいときもあるけどそれでも大好きな人

「普段とは違って少し疲れるかもしれないわね」
「つまり、人が多いってこと?」
「えぇ、人も多いし ついていけない話ばっかりでつまらないかもしれないわね」
「大人の話って難しいもんね」
「ふふふ、そうね」

そういえば、お母さんの服装は何時もよりも綺麗なワンピースで私の目とリーネの目の色の宝石がついたブローチをしている
お化粧もしてあり、お洒落なのだ

「そろそろ、着くわね」
「わー! 大きな門!」
「大きなお家だわ、お屋敷の方があってるかな?」
「いつも通りに、ね?」
「「はい!!」」



ついたお屋敷はとても素敵だ
白と淡い青で塗られた壁や柱に屋根
赤やピンクなどの可愛い花が咲いている庭

「美味しそうなお菓子!」

淡い様々な色のお菓子達
見たことがないものばかりだが先に来ていた方々が食べているのを見て
食べ物であるということがわかった

「二人とも、先にこのお茶会の主催者に挨拶に向かうわよ」

お母さんは一人の女性の前に行き
スカートの裾を持ち一礼した
この間教えてもらったカーテシーだ
お偉いさんの方に行う挨拶らしい
今度ちゃんと教えてもらおう

「ケイト様、この度は私や娘達をお茶会にお呼びいただきありがとうございます。」
「ユーナ、相変わらずね。 別に昔みたいにしてくれて構わないわよ」
「ふふ、ケイトも変わらないわね ありがとう。 この二人が私の娘よ」

私とリーネもお母さんのカーテシーを真似する

「姉のティーセです」
「妹のリーネです!」
「あらあら、可愛いわね! お茶やお菓子たくさん用意してあるから楽しんでね」

私たちと話すためにしゃがんでくださり
目線が合った
まるで、宝石のような青色の目で笑った顔がとても優しく
綺麗な淡い青髪が風で揺れる

「はい!」
「あ、はい」
「お姉ちゃん、あっちのお庭見よう!!」
「ちょっと、リーネ!」

私はリーネに腕を引かれ庭の方へ向かう

「仲のいい姉妹ね」
「ええ、とってもね」



お庭を歩いていると見たことのない花が咲いている木をみつける

「ねぇ、みて! きれいな桃色の花!」
「わー、きれい なんという花かな」

空の青さと花の桃色がマッチしている
その桃色の花が咲いている木の下に
空の青さと似た色の髪した少年がいる
少年はこちらを見ていた

「誰かしら」
「ねぇ、ここで何してるの?」

少年は何故かこちらを睨むように見ている
話しかけてくるなというように
私はその場に止まり話しかけないようにここを去ろうとしたが

「そんなつまらなそうな顔止めなよ」

リーネは気にせずに近寄り話しかける

「…お前には関係ないだろ」

機嫌悪そうにそっぽ向く
少年に対してリーネは勿体なそうに口を開く

「関係ないけど… んー、せっかくカッコいいんだから」
「はぁ!?」

首大丈夫かと思うくらいに
急にこちらを向いた
少年の顔は耳まで赤く、照れているということが見てわかった
リーネは気づいてない?みたいだが

「な、なんだよ 急に!」
「え? 思ったことを言っただけだよ? 髪も空の色みたいで素敵だし」

リーネは少年に近づいてニコニコ笑っている
私の妹はどうやら気づかぬうちに周りを虜にしているらしい
すごい妹だ

「ねぇ、お名前なーに? 私はリーネ!」
「…」
「あ、私のお姉ちゃんのティーセだよ」
「えっと、よろしくね?」

紹介されてしまったため逃げ出すことはできなくなった
私も少年の側にいく

「…似てねー姉妹」
「そうね、私はお父さん似でリーネはお母さん似ですもの」
「別に似てなくていいの! むしろ似なくて良かったもん!」

リーネはドヤッとキメ顔をする

「なんでだよ」
「私、お姉ちゃんの髪も目も大好きだもん! 私に無いところとか素敵!」
「リーネってば… 私も私に似なくて良かったって思ってる  そのお掛けで助かったもの」
「変な姉妹」

少年はようやく笑ってくれた
先程の主催者さんと同じ優しい笑顔

「俺、じゃなくって 僕は…」
「別に普通に喋ってくれて良いよ?」
「…っふ、変なやつ。 俺はクロルド」
「ルドね! 今から私たちはお友達!!」

リーネの急なあだ名呼びに驚きつつも笑って了承してくれた

「ねぇ、ルド このお花何て名前なの?」
「ん、あぁ ソメイヨシノって母さんは呼んでたけど 俺は夢見草って呼んでる」
「…」
「? 二つ名前があるの?」

リーネは黙って花を見ている
まるで懐かしいものを見ているかのように
どこか悲しげで儚げな表情だ

「俺は本で知った。 母さんは親からそう教えてもらったらしい」
「へぇー」
「散るときは儚くて、夢のように綺麗だから 俺は夢見草って呼んでる」

確かに綺麗だ
今まで見てきた花の中で
繊細で、妖艶な花だと思った

「私、この花好き。」
「リーネ?」
「…そうか」

ルドは立ちがあると木に登り
なにか小声で言ったあと枝を折った
その場からジャンプして服についた汚れを落とす

「やる」
「え」
「持ってけ」

そう言ってリーネに持たせると
ルドはお茶会の方へ戻っていってしまった
どうやら照れていたようだ
女の子に何かプレゼントしたこと無かったのだろう

「…良いのかな」
「今から戻すことできないし、お家で植えてみる?」
「うん、そうする」

リーネの目はその花を見ているが
どこか違うものを見ているように感じた
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