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じゅん

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3 神隠し~死者と会えるトンネル~【恐怖指数 ☆☆★★★】

神隠し~死者と会えるトンネル~【恐怖指数 ☆☆★★★】 7

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 お互いの状況を話し合う。
 翔陽の話はこうだった。
 冴子を一人残して横穴から去ろうと準備をしていたとき、突然、アカリがいなくなった。トンネルの見える範囲にもアカリはいない。ライトスタンドは横穴にあり、ライトを持たずにアカリが移動するとは考えられなかったが、とりあえずアカリを探すことになった。
 この時はまだ軽く考えていたのだが、京四郎もアカリを見かけておらず、だとしたら反対の出口からどこかに行ったとしか考えられなかった。
 しかし、そんなことはあり得るだろうか。
 もしかして、落とし穴や隠し部屋があるのではないか。それが神隠しの正体かもしれない。
 そうやって三人は一時間ほど探し、警察に相談しようとしたところで、翔陽がアカリを発見したという。
 アカリも、自分の身に起きた不思議な出来事を語った。
「ウソついてないからね。ほら、みんなに何度も電話をかけてるでしょ?」
 アカリはスマートフォンの送信履歴を見せた。三人には着信履歴がない。
「ぼくたちは、同じ場所にいたものの、同じ次元にいなかったのではないか」
「次元が違う?」
 意味がわからず、アカリは眉間にしわを寄せた。
「SFによくあるだろ、パラレルワールドとか、並行世界とか。アカリくんは同じようでいて、別の世界に移動していた、のかもしれない」
「そんな……」
「そう考えると、ぼくのときも説明がつく。車に押しつぶされるギリギリで、姉がぼくを別の世界に一時的に避難させてくれたのかもしれない。霊現象があるのだから、別の世界があってもおかしくない。ぼくに記憶がないのが悔やまれるな」
 京四郎はブツブツと言っている。自分の世界に入ってしまったようだ。
「よくわからねえけど、おまえは神隠しにあったんだよ。心配かけんな」
「いたっ」
 翔陽にデコピンされた。
 反対に冴子はおでこをなでなでしてくれる。
「おばあちゃんに謝れて、よかったわね」
「うん!」
 怖い思いもしたが、そのおかげで祖母と会えたのだと思えば、許せる範囲だ。こうしてみんなとも合流できたのだから。
「今回の検証では、死者が現れるのは本当。黄泉に連れて行く部分はウソ、ということになるのかしらね」
「どうかな」
 冴子の言葉に、京四郎はメガネを指先で持ち上げて考えるような表情をする。
「アカリくんもぼくも、自分に好意的な死者だったから、助けてくれただけかもしれない。もし、その死者に憎まれていたら……」
 ――ウワサどおり、黄泉に連れて行かれるのかもしれない。
(わたし、一歩間違えたら死んでいたのかも?)
 アカリの背中に、冷たいものが走った。
「よし、今回も編集次第ではおもしろい動画になるんじゃないかな。一回、二回は、まだ様子見だった。次は、かなりの恐怖体験が期待できる場所を考えている」
 京四郎はメガネの奥の瞳をキラリと輝かせた。
「あの、わたしは今日も充分怖かっ……」
「恐怖の『髪切り屋敷』。次こそ冴子くんに一人検証をしてもらう。泣いてしまうかもしれないな。今なら場所を変えて、難易度を下げてあげてもいいよ」
「だから、私は怖くないと言ってるでしょ。そこまで言うなら、わたしが一人検証をやりとげたら、バカにしてごめんなさいと謝りなさいね」
「バカにはしていないが、構わないよ」
 また京四郎と冴子が火花を散らしている。
「わたしは今回で抜け……」
「行きましょ、アカリ。京四郎の鼻を明かしてやりましょうね」
(あああ……、今回で抜けるつもりだったのに……!)
 冴子に手を引かれながら、次こそ最後にしようと、強く心に誓うのだった。
 
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