異世界行ったらステータス最弱の上にジョブが謎過ぎたからスローライフ隠居してたはずなのに、気づいたらヤバいことになってた

カホ

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第1章 レッツスローライフ

諦めの境地とスローライフ (4)

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神にもらったキューブ家のあまりの可愛さに呆然としていたが、私はプルプルと首を横に振って気合を入れ直した。

「他の部屋も見よう!」

玄関ホールで立ち尽くしてても意味ないからね!私はまず右側から行くことにした。右側の壁には両開きの扉が2つ。とりあえず手前の扉から見て行こう。

「………やっぱりすごい!」

どう頑張ってもこれ以外の感想が持てないよ。すぎすぎて!

扉を開けた先は、いわゆる応接間のような部屋だった。

部屋の奥には縦長の窓が3つ並んでいて、窓の向こうはテラス。壁際には可愛いデザインの棚がいくつか置いてあり、床にはお花柄のカーペットが敷かれている。

部屋の中央には可愛い丸テーブル、シングルソファーが2つ、ロングソファーが綺麗に並べられていて、テーブルの上には生け花がある。

「神が住むわけではないのになんでここまで凝ってるの?」

またもやツッコんでしまった!でも仕方なくないですか?

「と、とりあえず次行こう………」

やばい。スキルと言い、アイテムと言い、可愛すぎる家と言い、使いこなせる自信がまったくないんだけど。

応接間を出て、その横の扉に入る。

そこは何もない小さな空間で、壁に扉が2枚ついている。まずは右だ。

「おお……!ここはトイレね」

トイレは洋式でした。そして相変わらず可愛いデザインでした。トイレにまで可愛さを求めるとは、神……恐るベし!

「こっちがトイレってことは、あっちはお風呂かな?」

そう思って今度は左の扉を開ける。

「やっぱり!」

最初の部屋は脱衣所兼洗面所で、その先はやっぱりお風呂場でした。

しかもまたもや超絶にかわいい。可愛い上にゆったりと足を伸ばせる大きさの猫足バスタブ、それからお花の形のオケと葉っぱの形の椅子。排水溝も完備されている。シャワーはないけど十分でしょう。

しかも用意が良いことに、脱衣所の棚にはタオルがしまってあったし、固形の石鹸も付いていたあ、あと浴室の扉はちゃんと鍵付きだった。

「神様、用意周到すぎるでしょ………」

もしかして、ここって神様の家になる予定だったの?

それならごめんなさい!全力でごめんなさい!(スライディング土下座)

まあ、土下座してないけど。気持ちの持ち方だよ気持ちの持ち方。

「もう5日間お風呂に入ってないんだよね………」

お風呂を見て思い出したんだが、私は異世界に来てから一回も風呂に入れていない。女の子としてあるまじきことだ!

「せっかくあるんだし、お風呂に入ろう!」

というわけでお屋敷探検はいったん中断して、私はお風呂に入ることにした。


◇ ◇ ◇

「ふぅ………気持ちよかったぁ」

30分後、たっぷりお風呂を堪能して、私は洗面所から出てきた。

神からもらった洋服一式は、ブーツも含めて全部自動洗浄機能がついてるから、常時綺麗なままですよ。超便利。

「それにしたって面白い水道システムだったなぁ」

いやね、バスタブに湯を入れようとした時に、バスタブの上にピンクのバラがあるのを見つけたんですよ。

そのバラの中心には水滴のマークが書かれた水晶体が埋め込まれてて、試しにそれをタッチしてみたら、自動でお湯を沸かしてくれたんです!!

「科学技術も裸足で逃げ出しちゃうよ、これじゃ」

そうツッコんで、私はグイーッと伸びる。

「お風呂に入ったら眠くなってきたな………」

とりあえず、今日はもう寝てしまおう。お屋敷探検の続きはまた明日だ。

「寝室の場所わからないけど、応接間のロングソファーがあるから今日はいっか………」

私は応接間に戻って行くのだった。
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