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第1章 レッツスローライフ
諦めの境地とスローライフ (5)
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チュンチュンチュン……。
「………ん……」
外からスズメみたいな鳴き声が聞こえてきて、私は目を覚ました。ああ……すごい熟睡した。やっぱお風呂って大事だよ。
上半身だけ起こして、思いっきり背伸びする。
ベッドがどこにあるかわからないから応接間のソファーで寝たんだが、このソファーが思った以上にふっかふかで、私はあっという間に夢の世界にいざなわれてしまいました。
「なんて素晴らしい。これはスローライフができるではありませんか!!」
異世界の森でのんびりスローライフ!いいねぇ、ぜひやりたいね。
まあ、スローライフを送る前にまずご飯だ。私は異次元収納から黄金翡翠(注:紫色のトマトです)を取り出して食べる。
食べるたびに思うんだけど、このエンシェールで手に入る食べ物って、どれも地球のものより美味しくて質がいい。なんでなんだろう?
「よし!腹ごしらえも終わったし、お屋敷探検の続きだ!」
早速靴を履いて立ち上がり、私は応接間を出る。目指すは向かい側にある扉二つ。
玄関から見て手前の両開き扉の向こうは、食堂だった。
「やっぱりかわいいな………」
昨日からこんな感じのことばっかり言ってるよ、私。
二階の部分が吹き抜けになっている食堂だ。楕円形のかわいい白テーブルと、お揃いの椅子が6個置いてある。左側の壁は一面ガラス窓で、反対側には隣の部屋に通じる入り口。
「おお……!隣はキッチンなんだ!」
やっぱり全体的にピンクとかクリーム色で、デザインも超絶にかわいい。
もう形容詞がないのかよ、とか言わんといて。私だって思いつかないんだから。
まな板と包丁とお鍋とフライパン、それから数枚のお皿とコップなどの食器がすぐ横の棚に置いてある。
ここのコンロは地球でいう電気コンロみたい形と見た目で、真ん中に炎の絵が描いてある。
その少し手前には同じ絵が描いてあるボタンみたいなものがある。試しに押してみると、コンロから炎が上がった。
「わ!すごい、ファンタジー!」
しかも何回か押してみると、このボタンで弱火、中火、強火の三段階で火の勢いを調整できるというハイスペックさ。
「これはこれでいい!」
地球のコンロより全然いいよ!
横にはシンクと思われる丸いくぼみがあり、昨日お風呂場でも見たバラの花がくぼみの上に乗っている。こっちはピンクではなく水色。
「なるほど、お風呂場と同じ方法で水を出すのね」
試しに水晶体に触れると、冷たい水がバラから流れ出た。ここも排水設備完備のようだ。
しかもここの水道は、私が手を引っ込めると自動で水が止まる。これはありがたい。
これだけすごくて便利な設備があるのなら、完璧なるスローライフの滑り出しを決めることも難しくないかも?
「よし!頑張ろう!」
え?何を頑張るのか、だって?スローライフに決まってるじゃないですか!
「一階は、あと地下だけだね」
キッチンについている扉から玄関ホールに戻り、私は地下に向かう。この家は、中央階段の裏に地下室への扉があるようなんです。
「地下って暗いのかと思ってたけど、全然明るいわ」
柔らかい光の照明が何個も壁にあって、地下でも全然暗くない。むしろやっぱりかわいい。
20段くらい降りたところに地下室の扉はあった。
「わわ!すごい!」
扉を開いて地下室に入り、私は感嘆の声を上げる。
大きさは玄関ホールより一回り小さいくらい。クリーム色の大きなラック棚が3個ほどあって、天井からぶら下がった可愛い星は照明になっている。
「倉庫みたいなくくりなのかな?」
劣化しないアイテムなんかは、必要に応じてここに移してみてもいいかも。
いいですね。スローライフの計画がどんどん形になって行きますよ!
「………ん……」
外からスズメみたいな鳴き声が聞こえてきて、私は目を覚ました。ああ……すごい熟睡した。やっぱお風呂って大事だよ。
上半身だけ起こして、思いっきり背伸びする。
ベッドがどこにあるかわからないから応接間のソファーで寝たんだが、このソファーが思った以上にふっかふかで、私はあっという間に夢の世界にいざなわれてしまいました。
「なんて素晴らしい。これはスローライフができるではありませんか!!」
異世界の森でのんびりスローライフ!いいねぇ、ぜひやりたいね。
まあ、スローライフを送る前にまずご飯だ。私は異次元収納から黄金翡翠(注:紫色のトマトです)を取り出して食べる。
食べるたびに思うんだけど、このエンシェールで手に入る食べ物って、どれも地球のものより美味しくて質がいい。なんでなんだろう?
「よし!腹ごしらえも終わったし、お屋敷探検の続きだ!」
早速靴を履いて立ち上がり、私は応接間を出る。目指すは向かい側にある扉二つ。
玄関から見て手前の両開き扉の向こうは、食堂だった。
「やっぱりかわいいな………」
昨日からこんな感じのことばっかり言ってるよ、私。
二階の部分が吹き抜けになっている食堂だ。楕円形のかわいい白テーブルと、お揃いの椅子が6個置いてある。左側の壁は一面ガラス窓で、反対側には隣の部屋に通じる入り口。
「おお……!隣はキッチンなんだ!」
やっぱり全体的にピンクとかクリーム色で、デザインも超絶にかわいい。
もう形容詞がないのかよ、とか言わんといて。私だって思いつかないんだから。
まな板と包丁とお鍋とフライパン、それから数枚のお皿とコップなどの食器がすぐ横の棚に置いてある。
ここのコンロは地球でいう電気コンロみたい形と見た目で、真ん中に炎の絵が描いてある。
その少し手前には同じ絵が描いてあるボタンみたいなものがある。試しに押してみると、コンロから炎が上がった。
「わ!すごい、ファンタジー!」
しかも何回か押してみると、このボタンで弱火、中火、強火の三段階で火の勢いを調整できるというハイスペックさ。
「これはこれでいい!」
地球のコンロより全然いいよ!
横にはシンクと思われる丸いくぼみがあり、昨日お風呂場でも見たバラの花がくぼみの上に乗っている。こっちはピンクではなく水色。
「なるほど、お風呂場と同じ方法で水を出すのね」
試しに水晶体に触れると、冷たい水がバラから流れ出た。ここも排水設備完備のようだ。
しかもここの水道は、私が手を引っ込めると自動で水が止まる。これはありがたい。
これだけすごくて便利な設備があるのなら、完璧なるスローライフの滑り出しを決めることも難しくないかも?
「よし!頑張ろう!」
え?何を頑張るのか、だって?スローライフに決まってるじゃないですか!
「一階は、あと地下だけだね」
キッチンについている扉から玄関ホールに戻り、私は地下に向かう。この家は、中央階段の裏に地下室への扉があるようなんです。
「地下って暗いのかと思ってたけど、全然明るいわ」
柔らかい光の照明が何個も壁にあって、地下でも全然暗くない。むしろやっぱりかわいい。
20段くらい降りたところに地下室の扉はあった。
「わわ!すごい!」
扉を開いて地下室に入り、私は感嘆の声を上げる。
大きさは玄関ホールより一回り小さいくらい。クリーム色の大きなラック棚が3個ほどあって、天井からぶら下がった可愛い星は照明になっている。
「倉庫みたいなくくりなのかな?」
劣化しないアイテムなんかは、必要に応じてここに移してみてもいいかも。
いいですね。スローライフの計画がどんどん形になって行きますよ!
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