異世界行ったらステータス最弱の上にジョブが謎過ぎたからスローライフ隠居してたはずなのに、気づいたらヤバいことになってた

カホ

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第1章 レッツスローライフ

自給自足スタート (1)

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スローライフを送ろう!

というわけで、私は今地下室にいます。なんでかって?それはですね……。

「さっきこの辺にクワがあったよね?」

農道具の発掘ですよ。

だってスローライフをするって決めたはいいけど、食料がないとスローライフも何もないからね。

「あ、いたいた」

地下室の隅っこの方に寄せられているクワを見つけた。

しかしクワを見つけた私の感想といえば……。

「なんでクワまでかわいいの!?」

ズバリこれである。

だってパステルカラーでハートの模様が入ったクワだよ?クワにまで可愛さを追求する必要ってあったの?むしろ可愛すぎて使うのがもったいないんですけど。

「………それでも使いますけど」

こんなかわいいクワを使うとか……なんかすごい複雑。


◇ ◇ ◇

「さて、お庭にやってまいりましたよ」

クワを手に入れ、現在私は庭におります。クワのほか、地下室には肥料とジョウロもあったので一緒に持ってきた。

さっきまで気に留めてなかったけど、この庭って、家の軽く5・6倍ほどはあるっていうね。

「知れば知るほど銀キューブすげえ」

だってこの広さの土地を折りたたんだのがあいつだろ?どう頑張っても質量ガン無視だ。

「………とりあえず、畑作ろう」

クワを片手に芝生の上まで移動する。収穫とかする都合上、小道に近い方が便利だろう。

畑耕したことないけど、何事も挑戦だよ。

「よいせーーーー」

クワを振り上げて、思いっきり地面に振り下ろす。

クワが地面に触れたかと思うと、次の瞬間目の前には一辺2mぐらいの正方形の畑が出来上がっていた。

「……………」

私はクワを振り下ろした状態でフリーズした。

「…………まさか……」

私はゆーっくりと目線をクワに落とす。しばらく穴が空くほど見つめていたが、やがて意を決して鑑定を発動した。


マジカルタガヤッシー……伝説級アイテム。振り下ろした地点を起点に瞬時で極上の畑を作成する。使用頻度が上がれば、作れる畑の大きさを調整できる


「もうどこからどうツッコめばいいの!?」

嘘でしょ!?なんでクワまで?しかもクワ振り下ろすだけで極上の畑ができちゃうとかマジでなんなの?

しかもダサい。タガヤッシーとか名前がとてもダサい。なんで本体はこんな可愛いのに名前がこうもダサいの?どういうネーミング?

「ふぅ………」

そしてセコい。この農業方法はセコい。毎日汗水流して畑耕してる農家の人々にものすごく申し訳ない!

そういえば、私って異世界に来てからセコいことばっかりしてるような気が………?

例えば人の餌盗んだり、分解チートでモンスター倒したり、このクワだって………。

「良い子の皆様は真似してはいけません、絶対に!」

こんなセコい大人(まだ学生だけど)になってはいけませんからね!!
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