30 / 53
第1章 レッツスローライフ
薬物はダメ、絶対に (2)
しおりを挟む
せっかく逃走してまで手に入れた素材がまさかの危険ドラッグで、地味に凹んでいる天海 千夜です。
「黄金りんごと水だけで回復薬って作れるのかな?」
いっちょ試してみる?私は家に入り、二階の調薬室に向かう。
回復薬を作るに当たって、必要そうなものを用意する。ご丁寧なことに、部屋の木の戸棚にはものすごい数と種類の道具が保管されていた。
やっぱりこの家すごすぎる。神はこの家にどんな要素を求めたんだろう?
「使いそうな道具………。何があるかな?」
鍋はもうすでに魔道コンロ的なプレート(キッチンのコンロと同じ)の上に載ってるから絶対必需。
そのほかには材料をすり潰す道具…?水差し…?かき混ぜ棒…?
とりあえず思いつく限りの道具は揃えたから、早速人生☆初のポーション作りに挑戦して行こうじゃありませんか。
「えっと………材料と水を入れて煮詰めるだけでいいんだよね?」
回復薬の製法を脳内で反芻しながら、私はまず黄金りんごをすりつぶしにかかる。どんくらい必要になるかわからないから、3個ぐらいすりつぶしとこ。
「蜂蜜を入れてみるとおいしいんじゃないかな?」
いや、もともと入れることになってたドラッグどもがないから、ちょっとやっぱり何か足したいんですよ。誰かこの気持ち共感してくれないかな?
異次元収納から蜂蜜を取り出し、適量入れる。なんか、回復薬作りというか、料理してるみたい。
「気づかなくてよかった事実だよね、これ?」
これは調薬です!断じて料理ではありませんから。ポーション作りだよポーション作り。
でも食料のレパートリーが増えてきたら、料理レシピの研究もしたいな。やっぱり異世界に来たって地球の料理は懐かしくなるもんですよ。
「よし!果実の方はできた!あとは水と混ぜて煮詰めるだけ!!」
出来上がったペースト状の黄金りんごを持って、私は鍋に向かう。
鍋の中には、事前に水をある程度入れておいた。はっはっは!用意周到ですよ!
誰?今、魔王っぽいとか言った奴。名乗り出れば4分の3殺しで勘弁してあげるよ……?
まあ、冗談はさておき、キッチンのコンロと同じように、コンロのスイッチを押して火を付ける。初見だし、とりあえず無難に中火で行こう。
◇ ◇ ◇
「うーん………」
現在、鍋の中では混合液が着々と煮詰まっている。
私はそんな液体の表面に浮いている奴らを見ている。作り方の本には煮詰めるだけでいいよか言ってたけど………。
「とった方が絶対いいよね?このアク」
そう。水面には今アクが浮いているのです。それもかなりの量。黄金りんごはアクが出やすい食べ物なのか?
あ、ファンタジーの定番だけど、この世界のポーションはうまいのが一個もないらしい。まったく……アクを取らないからまずいんだよ。いや、本当かどうか知らないけど。
私はおたまを使って浮いているアクを丁寧に取り除く。そしてそのとったアクは別の入れ物に入れておく。水やりとかに使えるかもしれないし。
「ていうか、どこまで煮詰めればいいの?」
沸騰?沸騰するまでなの?そしたら結構長いな……。
「黄金りんごと水だけで回復薬って作れるのかな?」
いっちょ試してみる?私は家に入り、二階の調薬室に向かう。
回復薬を作るに当たって、必要そうなものを用意する。ご丁寧なことに、部屋の木の戸棚にはものすごい数と種類の道具が保管されていた。
やっぱりこの家すごすぎる。神はこの家にどんな要素を求めたんだろう?
「使いそうな道具………。何があるかな?」
鍋はもうすでに魔道コンロ的なプレート(キッチンのコンロと同じ)の上に載ってるから絶対必需。
そのほかには材料をすり潰す道具…?水差し…?かき混ぜ棒…?
とりあえず思いつく限りの道具は揃えたから、早速人生☆初のポーション作りに挑戦して行こうじゃありませんか。
「えっと………材料と水を入れて煮詰めるだけでいいんだよね?」
回復薬の製法を脳内で反芻しながら、私はまず黄金りんごをすりつぶしにかかる。どんくらい必要になるかわからないから、3個ぐらいすりつぶしとこ。
「蜂蜜を入れてみるとおいしいんじゃないかな?」
いや、もともと入れることになってたドラッグどもがないから、ちょっとやっぱり何か足したいんですよ。誰かこの気持ち共感してくれないかな?
異次元収納から蜂蜜を取り出し、適量入れる。なんか、回復薬作りというか、料理してるみたい。
「気づかなくてよかった事実だよね、これ?」
これは調薬です!断じて料理ではありませんから。ポーション作りだよポーション作り。
でも食料のレパートリーが増えてきたら、料理レシピの研究もしたいな。やっぱり異世界に来たって地球の料理は懐かしくなるもんですよ。
「よし!果実の方はできた!あとは水と混ぜて煮詰めるだけ!!」
出来上がったペースト状の黄金りんごを持って、私は鍋に向かう。
鍋の中には、事前に水をある程度入れておいた。はっはっは!用意周到ですよ!
誰?今、魔王っぽいとか言った奴。名乗り出れば4分の3殺しで勘弁してあげるよ……?
まあ、冗談はさておき、キッチンのコンロと同じように、コンロのスイッチを押して火を付ける。初見だし、とりあえず無難に中火で行こう。
◇ ◇ ◇
「うーん………」
現在、鍋の中では混合液が着々と煮詰まっている。
私はそんな液体の表面に浮いている奴らを見ている。作り方の本には煮詰めるだけでいいよか言ってたけど………。
「とった方が絶対いいよね?このアク」
そう。水面には今アクが浮いているのです。それもかなりの量。黄金りんごはアクが出やすい食べ物なのか?
あ、ファンタジーの定番だけど、この世界のポーションはうまいのが一個もないらしい。まったく……アクを取らないからまずいんだよ。いや、本当かどうか知らないけど。
私はおたまを使って浮いているアクを丁寧に取り除く。そしてそのとったアクは別の入れ物に入れておく。水やりとかに使えるかもしれないし。
「ていうか、どこまで煮詰めればいいの?」
沸騰?沸騰するまでなの?そしたら結構長いな……。
2
あなたにおすすめの小説
お前には才能が無いと言われて公爵家から追放された俺は、前世が最強職【奪盗術師】だったことを思い出す ~今さら謝られても、もう遅い~
志鷹 志紀
ファンタジー
「お前には才能がない」
この俺アルカは、父にそう言われて、公爵家から追放された。
父からは無能と蔑まれ、兄からは酷いいじめを受ける日々。
ようやくそんな日々と別れられ、少しばかり嬉しいが……これからどうしようか。
今後の不安に悩んでいると、突如として俺の脳内に記憶が流れた。
その時、前世が最強の【奪盗術師】だったことを思い出したのだ。
おっさん武闘家、幼女の教え子達と十年後に再会、実はそれぞれ炎・氷・雷の精霊の王女だった彼女達に言い寄られつつ世界を救い英雄になってしまう
お餅ミトコンドリア
ファンタジー
パーチ、三十五歳。五歳の時から三十年間修行してきた武闘家。
だが、全くの無名。
彼は、とある村で武闘家の道場を経営しており、〝拳を使った戦い方〟を弟子たちに教えている。
若い時には「冒険者になって、有名になるんだ!」などと大きな夢を持っていたものだが、自分の道場に来る若者たちが全員〝天才〟で、自分との才能の差を感じて、もう諦めてしまった。
弟子たちとの、のんびりとした穏やかな日々。
独身の彼は、そんな彼ら彼女らのことを〝家族〟のように感じており、「こんな毎日も悪くない」と思っていた。
が、ある日。
「お久しぶりです、師匠!」
絶世の美少女が家を訪れた。
彼女は、十年前に、他の二人の幼い少女と一緒に山の中で獣(とパーチは思い込んでいるが、実はモンスター)に襲われていたところをパーチが助けて、その場で数時間ほど稽古をつけて、自分たちだけで戦える力をつけさせた、という女の子だった。
「私は今、アイスブラット王国の〝守護精霊〟をやっていまして」
精霊を自称する彼女は、「ちょ、ちょっと待ってくれ」と混乱するパーチに構わず、ニッコリ笑いながら畳み掛ける。
「そこで師匠には、私たちと一緒に〝魔王〟を倒して欲しいんです!」
これは、〝弟子たちがあっと言う間に強くなるのは、師匠である自分の特殊な力ゆえ〟であることに気付かず、〝実は最強の実力を持っている〟ことにも全く気付いていない男が、〝実は精霊だった美少女たち〟と再会し、言い寄られ、弟子たちに愛され、弟子以外の者たちからも尊敬され、世界を救って英雄になってしまう物語。
(※第18回ファンタジー小説大賞に参加しています。
もし宜しければ【お気に入り登録】で応援して頂けましたら嬉しいです!
何卒宜しくお願いいたします!)
スーパーの店長・結城偉介 〜異世界でスーパーの売れ残りを在庫処分〜
かの
ファンタジー
世界一周旅行を夢見てコツコツ貯金してきたスーパーの店長、結城偉介32歳。
スーパーのバックヤードで、うたた寝をしていた偉介は、何故か異世界に転移してしまう。
偉介が転移したのは、スーパーでバイトするハル君こと、青柳ハル26歳が書いたファンタジー小説の世界の中。
スーパーの過剰商品(売れ残り)を捌きながら、微妙にズレた世界線で、偉介の異世界一周旅行が始まる!
冒険者じゃない! 勇者じゃない! 俺は商人だーーー! だからハル君、お願い! 俺を戦わせないでください!
アイテムボックスの最も冴えた使い方~チュートリアル1億回で最強になったが、実力隠してアイテムボックス内でスローライフしつつ駄竜とたわむれる~
うみ
ファンタジー
「アイテムボックス発動 収納 自分自身!」
これしかないと思った!
自宅で休んでいたら突然異世界に拉致され、邪蒼竜と名乗る強大なドラゴンを前にして絶対絶命のピンチに陥っていたのだから。
奴に言われるがままステータスと叫んだら、アイテムボックスというスキルを持っていることが分かった。
得た能力を使って何とかピンチを逃れようとし、思いついたアイデアを咄嗟に実行に移したんだ。
直後、俺の体はアイテムボックスの中に入り、難を逃れることができた。
このまま戻っても捻りつぶされるだけだ。
そこで、アイテムボックスの中は時間が流れないことを利用し、チュートリアルバトルを繰り返すこと1億回。ついにレベルがカンストする。
アイテムボックスの外に出た俺はドラゴンの角を折り、危機を脱する。
助けた竜の巫女と共に彼女の村へ向かうことになった俺だったが――。
独身おじさんの異世界おひとりさまライフ〜金や評価は要りません。コーヒーとタバコ、そして本があれば最高です〜
☆ほしい
ファンタジー
ブラック企業で身も心もすり減らした相馬蓮司(42歳)。
過労死の果てに辿り着いたのは、剣と魔法の異世界だった。
神様から「万能スキル」を押し付けられたものの、蓮司が選んだのは──戦いでも冒険でもない。
静かな辺境の村外れで、珈琲と煙草の店を開く。
作り出す珈琲は、病も呪いも吹き飛ばし、煙草は吸っただけで魔力上限を突破。
伝説級アイテム扱いされ、貴族も英雄も列をなすが──本人は、そんな騒ぎに興味なし。
「……うまい珈琲と煙草があれば、それでいい」
誰かと群れる気も、誰かに媚びる気もない。
ただ、自分のためだけに、今日も一杯と一服を楽しむ。
誰にも縛られず、誰にも迎合しない孤高のおっさんによる、異世界マイペースライフ、ここに開店!
【完結】亡くなった人を愛する貴方を、愛し続ける事はできませんでした
凛蓮月
恋愛
【おかげさまで完全完結致しました。閲覧頂きありがとうございます】
いつか見た、貴方と婚約者の仲睦まじい姿。
婚約者を失い悲しみにくれている貴方と新たに婚約をした私。
貴方は私を愛する事は無いと言ったけれど、私は貴方をお慕いしておりました。
例え貴方が今でも、亡くなった婚約者の女性を愛していても。
私は貴方が生きてさえいれば
それで良いと思っていたのです──。
【早速のホトラン入りありがとうございます!】
※作者の脳内異世界のお話です。
※小説家になろうにも同時掲載しています。
※諸事情により感想欄は閉じています。詳しくは近況ボードをご覧下さい。(追記12/31〜1/2迄受付る事に致しました)
【完結】神スキル拡大解釈で底辺パーティから成り上がります!
まにゅまにゅ
ファンタジー
平均レベルの低い底辺パーティ『龍炎光牙《りゅうえんこうが》』はオーク一匹倒すのにも命懸けで注目もされていないどこにでもでもいる冒険者たちのチームだった。
そんなある日ようやく資金も貯まり、神殿でお金を払って恩恵《ギフト》を授かるとその恩恵《ギフト》スキルは『拡大解釈』というもの。
その効果は魔法やスキルの内容を拡大解釈し、別の効果を引き起こせる、という神スキルだった。その拡大解釈により色んなものを回復《ヒール》で治したり強化《ブースト》で獲得経験値を増やしたりととんでもない効果を発揮する!
底辺パーティ『龍炎光牙』の大躍進が始まる!
第16回ファンタジー大賞奨励賞受賞作です。
この聖水、泥の味がする ~まずいと追放された俺の作るポーションが、実は神々も欲しがる奇跡の霊薬だった件~
夏見ナイ
ファンタジー
「泥水神官」と蔑まれる下級神官ルーク。彼が作る聖水はなぜか茶色く濁り、ひどい泥の味がした。そのせいで無能扱いされ、ある日、無実の罪で神殿から追放されてしまう。
全てを失い流れ着いた辺境の村で、彼は自らの聖水が持つ真の力に気づく。それは浄化ではなく、あらゆる傷や病、呪いすら癒す奇跡の【創生】の力だった!
ルークは小さなポーション屋を開き、まずいけどすごい聖水で村人たちを救っていく。その噂は広まり、呪われた女騎士やエルフの薬師など、訳ありな仲間たちが次々と集結。辺境の村はいつしか「癒しの郷」へと発展していく。
一方、ルークを追放した王都では聖女が謎の病に倒れ……。
落ちこぼれ神官の、痛快な逆転スローライフ、ここに開幕!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる