異世界行ったらステータス最弱の上にジョブが謎過ぎたからスローライフ隠居してたはずなのに、気づいたらヤバいことになってた

カホ

文字の大きさ
44 / 53
第2章 チート街道驀進(不本意)

また拾いました (1)

しおりを挟む
あっという間に半年の歳月がすぎた。居候ノルがうちにやってきてからも、すでに3ヶ月である。

私の苦労は相変わらずである。ノルは3ヶ月前と比べてずいぶんマシになったとはいえ、まだまだ世間知らず全開なところがあるのです!

この間もボウルにスープよそおうとしてたり。ボウルにスープよそったら、一人分がとんでもない量になるでしょ!?

とまあ、ノルの常識知らずに振り回されつつも、私は元気です。

ノルという同居者が増えたおかげで、狩りは全部ノルに丸投げできるようになりました!これが指し示すこと、つまり私のレベルが3ヶ月前から14のままなんです!!きゃっほーー!!

時々肉の在庫がなくなりかけた時にはノルに同行して肉を入手しに行くんだが、戦闘に一切合切関与していないからなのか、私の方には経験値が全く入ってこないようなんです!素晴らしい!

ちちんぷいぷい、私のレベルよこれ以上上がるな……!!

狩りに出かけることがなくなったから、私はこの家の敷地内で一日中のんびりしてられるようになりました!念願のスローライフがついに達成できたんです!

ああ……夢に見た異世界スローライフがついに私の元にも…。

スローライフ中、つまり家にいる間に私がやることはもうだいたい決まってる。

レシピを完成させた本物の回復薬トゥルーズ・ポーションを作ったり、まだ作れていないレシピを編み出すために研究を重ねたり、あるいは今ある食材とかで料理レシピを作ったり。

イセカイゴッドからもらった4冊の本のうち、白紙なのが2冊あったじゃないですか。そのうちの一冊、藤色の本に作った料理レシピを書いてます。だって、書いとかないと忘れるじゃん。

ちなみに、この3ヶ月で開発できた本物の回復薬トゥルーズ・ポーションのレシピはこちら。


深海の回復薬マリン・ポーション:上級魔力回復薬の本物の回復薬トゥルーズ・ポーション。MP2000回復。
材料…紅の泉、白銀草、銀河狼の尾、水】


半年間、調薬をやり続けてきて、はじめてまともなネーミングの素材と出会いましたよ。紅の泉というのは薄紅色の甘い蜜で、白銀草というのも名の通り綺麗な銀色のユリの葉っぱみたいな形の草だ。

どうよ!私のツッコミ属性が少しは改善されているだろう!!ふはははは!!

……とか笑ってる場合では本当はないんです。私はツッコミ(つまり私の疲労)が減ったことをとてみ喜ばしいと思っているんだが、それを快く思ってない輩がおりまして……。


『今日は一段と目の下のクマがひどいね。寝不足かな?』


「あんたのせいだっつーのーーー!?」

イセカイゴッドの手紙をテーブルに全力で叩きつけ、私は叫んでやった。昨日の夜に長ったらしい手紙を送ってきたからだろうが!読み終わった時には夜明け寸前だったぞ!?嫌がらせかこのヤローー!!

このようなおちょくり?の手紙が、1ヶ月ほど前から数日おきに届く。おい、この世界はノータッチとか言ったのはどこのどいつだよ。がっつり食い込んでるじゃないか!

ついでに1ヶ月前というのは、私のツッコミが少々改善されはじめた時期でして……。

「そんなに私にツッコんで欲しいのか!?この神は!」

イヤイヤ、私はわかっている。こいつは私がツッコむところを見て爆笑するのが目的だ。もうツッコんでる時点で奴の思うままなんだが、何度だって言ってやる。これがツッコまずにやってられるかーー!!

「おーい、センー!今日魚釣りに行くんじゃなかったのかー?」

寝室の外から、ノルの寝ぼけた声が聞こえてくる。あいつ……正午に起きる習慣、まだ直せていないのか。

「わかってるー!食事は机の上に並べておいたからー!」

キッチンにあるから温め直しといてー!とか怖くて言えない。ノルはまだまだアホの塊なんですよ?そんなこと言ってみやがれ。釣りから帰ってきたらキッチン吹っ飛んでるわ。

「おー……zzz」

……今、ノルの言葉の最後の方に睡眠を示す音が聞こえたような気が…。あの世間知らず、正午まで寝ておいてまだ寝るか。

だが、ノルの生活週間については私はもう匙を投げている。まあ、ノルの仕事といえば森でモンスター狩って回復薬の素材を集めるだけだし、今はただスローライフしてるだけだからいっか……と半ば諦めています。

いつものごとく、イセカイゴッドからの手紙は分解スキルで粉々のバラバラの塵に分解する。もう一切合切痕跡も残らないくらいにまったく清々しい朝には程遠いけど今から出かけてくるか。

異次元収納の中にお手製の釣竿とハロロ(ミミズ)が入ってることを確認し、私は席を立つ。
しおりを挟む
感想 94

あなたにおすすめの小説

お前には才能が無いと言われて公爵家から追放された俺は、前世が最強職【奪盗術師】だったことを思い出す ~今さら謝られても、もう遅い~

志鷹 志紀
ファンタジー
「お前には才能がない」 この俺アルカは、父にそう言われて、公爵家から追放された。 父からは無能と蔑まれ、兄からは酷いいじめを受ける日々。 ようやくそんな日々と別れられ、少しばかり嬉しいが……これからどうしようか。 今後の不安に悩んでいると、突如として俺の脳内に記憶が流れた。 その時、前世が最強の【奪盗術師】だったことを思い出したのだ。

おっさん武闘家、幼女の教え子達と十年後に再会、実はそれぞれ炎・氷・雷の精霊の王女だった彼女達に言い寄られつつ世界を救い英雄になってしまう

お餅ミトコンドリア
ファンタジー
 パーチ、三十五歳。五歳の時から三十年間修行してきた武闘家。  だが、全くの無名。  彼は、とある村で武闘家の道場を経営しており、〝拳を使った戦い方〟を弟子たちに教えている。  若い時には「冒険者になって、有名になるんだ!」などと大きな夢を持っていたものだが、自分の道場に来る若者たちが全員〝天才〟で、自分との才能の差を感じて、もう諦めてしまった。  弟子たちとの、のんびりとした穏やかな日々。  独身の彼は、そんな彼ら彼女らのことを〝家族〟のように感じており、「こんな毎日も悪くない」と思っていた。  が、ある日。 「お久しぶりです、師匠!」  絶世の美少女が家を訪れた。  彼女は、十年前に、他の二人の幼い少女と一緒に山の中で獣(とパーチは思い込んでいるが、実はモンスター)に襲われていたところをパーチが助けて、その場で数時間ほど稽古をつけて、自分たちだけで戦える力をつけさせた、という女の子だった。 「私は今、アイスブラット王国の〝守護精霊〟をやっていまして」  精霊を自称する彼女は、「ちょ、ちょっと待ってくれ」と混乱するパーチに構わず、ニッコリ笑いながら畳み掛ける。 「そこで師匠には、私たちと一緒に〝魔王〟を倒して欲しいんです!」  これは、〝弟子たちがあっと言う間に強くなるのは、師匠である自分の特殊な力ゆえ〟であることに気付かず、〝実は最強の実力を持っている〟ことにも全く気付いていない男が、〝実は精霊だった美少女たち〟と再会し、言い寄られ、弟子たちに愛され、弟子以外の者たちからも尊敬され、世界を救って英雄になってしまう物語。 (※第18回ファンタジー小説大賞に参加しています。 もし宜しければ【お気に入り登録】で応援して頂けましたら嬉しいです! 何卒宜しくお願いいたします!)

スーパーの店長・結城偉介 〜異世界でスーパーの売れ残りを在庫処分〜

かの
ファンタジー
 世界一周旅行を夢見てコツコツ貯金してきたスーパーの店長、結城偉介32歳。  スーパーのバックヤードで、うたた寝をしていた偉介は、何故か異世界に転移してしまう。  偉介が転移したのは、スーパーでバイトするハル君こと、青柳ハル26歳が書いたファンタジー小説の世界の中。  スーパーの過剰商品(売れ残り)を捌きながら、微妙にズレた世界線で、偉介の異世界一周旅行が始まる!  冒険者じゃない! 勇者じゃない! 俺は商人だーーー! だからハル君、お願い! 俺を戦わせないでください!

アイテムボックスの最も冴えた使い方~チュートリアル1億回で最強になったが、実力隠してアイテムボックス内でスローライフしつつ駄竜とたわむれる~

うみ
ファンタジー
「アイテムボックス発動 収納 自分自身!」  これしかないと思った!   自宅で休んでいたら突然異世界に拉致され、邪蒼竜と名乗る強大なドラゴンを前にして絶対絶命のピンチに陥っていたのだから。  奴に言われるがままステータスと叫んだら、アイテムボックスというスキルを持っていることが分かった。  得た能力を使って何とかピンチを逃れようとし、思いついたアイデアを咄嗟に実行に移したんだ。  直後、俺の体はアイテムボックスの中に入り、難を逃れることができた。  このまま戻っても捻りつぶされるだけだ。  そこで、アイテムボックスの中は時間が流れないことを利用し、チュートリアルバトルを繰り返すこと1億回。ついにレベルがカンストする。  アイテムボックスの外に出た俺はドラゴンの角を折り、危機を脱する。  助けた竜の巫女と共に彼女の村へ向かうことになった俺だったが――。

独身おじさんの異世界おひとりさまライフ〜金や評価は要りません。コーヒーとタバコ、そして本があれば最高です〜

☆ほしい
ファンタジー
ブラック企業で身も心もすり減らした相馬蓮司(42歳)。 過労死の果てに辿り着いたのは、剣と魔法の異世界だった。 神様から「万能スキル」を押し付けられたものの、蓮司が選んだのは──戦いでも冒険でもない。 静かな辺境の村外れで、珈琲と煙草の店を開く。 作り出す珈琲は、病も呪いも吹き飛ばし、煙草は吸っただけで魔力上限を突破。 伝説級アイテム扱いされ、貴族も英雄も列をなすが──本人は、そんな騒ぎに興味なし。 「……うまい珈琲と煙草があれば、それでいい」 誰かと群れる気も、誰かに媚びる気もない。 ただ、自分のためだけに、今日も一杯と一服を楽しむ。 誰にも縛られず、誰にも迎合しない孤高のおっさんによる、異世界マイペースライフ、ここに開店!

【完結】亡くなった人を愛する貴方を、愛し続ける事はできませんでした

凛蓮月
恋愛
【おかげさまで完全完結致しました。閲覧頂きありがとうございます】 いつか見た、貴方と婚約者の仲睦まじい姿。 婚約者を失い悲しみにくれている貴方と新たに婚約をした私。 貴方は私を愛する事は無いと言ったけれど、私は貴方をお慕いしておりました。 例え貴方が今でも、亡くなった婚約者の女性を愛していても。 私は貴方が生きてさえいれば それで良いと思っていたのです──。 【早速のホトラン入りありがとうございます!】 ※作者の脳内異世界のお話です。 ※小説家になろうにも同時掲載しています。 ※諸事情により感想欄は閉じています。詳しくは近況ボードをご覧下さい。(追記12/31〜1/2迄受付る事に致しました)

【完結】神スキル拡大解釈で底辺パーティから成り上がります!

まにゅまにゅ
ファンタジー
平均レベルの低い底辺パーティ『龍炎光牙《りゅうえんこうが》』はオーク一匹倒すのにも命懸けで注目もされていないどこにでもでもいる冒険者たちのチームだった。 そんなある日ようやく資金も貯まり、神殿でお金を払って恩恵《ギフト》を授かるとその恩恵《ギフト》スキルは『拡大解釈』というもの。 その効果は魔法やスキルの内容を拡大解釈し、別の効果を引き起こせる、という神スキルだった。その拡大解釈により色んなものを回復《ヒール》で治したり強化《ブースト》で獲得経験値を増やしたりととんでもない効果を発揮する! 底辺パーティ『龍炎光牙』の大躍進が始まる! 第16回ファンタジー大賞奨励賞受賞作です。

この聖水、泥の味がする ~まずいと追放された俺の作るポーションが、実は神々も欲しがる奇跡の霊薬だった件~

夏見ナイ
ファンタジー
「泥水神官」と蔑まれる下級神官ルーク。彼が作る聖水はなぜか茶色く濁り、ひどい泥の味がした。そのせいで無能扱いされ、ある日、無実の罪で神殿から追放されてしまう。 全てを失い流れ着いた辺境の村で、彼は自らの聖水が持つ真の力に気づく。それは浄化ではなく、あらゆる傷や病、呪いすら癒す奇跡の【創生】の力だった! ルークは小さなポーション屋を開き、まずいけどすごい聖水で村人たちを救っていく。その噂は広まり、呪われた女騎士やエルフの薬師など、訳ありな仲間たちが次々と集結。辺境の村はいつしか「癒しの郷」へと発展していく。 一方、ルークを追放した王都では聖女が謎の病に倒れ……。 落ちこぼれ神官の、痛快な逆転スローライフ、ここに開幕!

処理中です...