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第2章 チート街道驀進(不本意)
十人十色と書いてカオスと読む(1)
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ストーカー勇者がうちに居候して、私に異常なプロポーズをかけてくるようになって、ノルが引きこもって、ストーカーたちの仲間がやって来たのが、昨日のお話。
あとで詳しい自己紹介を聞いたところ、フローラルさんは神国ユグドラシルで代々聖女を輩出するマドレーヌ侯爵家の次期当主で、私の同い年。勇者パーティでは数少ない常識人で、私としては常識人ウェルカム!なのでとても嬉しい。
なぜ、フローラルさんが数少ない常識人なのかというと、それは当然、ほかのメンバーに問題ありすぎるからだ。あ、メルちゃんは普通の子ですよ?
メルちゃんは、神国のアントワネットマリリアン伯爵家のご令嬢で、メロの双子の妹。伯爵家で随一の魔法才能を持った、まさに魔法使いになるために生まれて来た子なのだ。
試しにメルのステータスを鑑定してみたら、MPとMAG値が両方とも1000000だった。メルちゃんやばい天才だな!
しかしフルネームがメル・アントワネットマリリアンか……。名前と苗字の長さが違いすぎやしないだろうか?なぜこんなアンバランスな名前をつけようと考えたのか、ご両親は。ものすごい言いずらいじゃん、アントワネットマリュ……おぅふ、噛んだ。
そのメルちゃんのお兄ちゃんであるメロは、メルちゃんと同じ可愛らしい顔をしているのに、中身はサディスティック星からやって来た王子。某どこかのジャンプに出てくる『副長の座を狙う腹黒少年』と同じ匂いをプンプン感じる。
そして妹が好きすぎて、永久保存したいと願う、正真正銘なヤンデレでもある。この子と結婚する女の子は間違いなくヤンデレに悩まされて泣かされるよ。
真性のドSな上に重度のヤンデレ……できればお近づき願いたくないね。いや、マジで本当に。
そして残りの一人、エルフのローランド・ギエロはどうかというと……。
「あぁ!もう!ノルちゃんってば逃げないでよん♡!」
「ちょっときもい!来るなってーー!!」
この光景を見た時、あれ?デジャヴ?と感じた私は素晴らしいと思う。
そう!私がストーカー勇者に追いかけ回されていた光景とそっくりなのです!
このローランドというエルフさん、美男…特に美少年が大好きなのだ。もう現時点で変態確定であるが、ここで注目すべきは、ノルが、深い紺色の髪に空色の瞳の超イケメンで、外観年齢は18歳ほどの少年であることです。
はい、お察しの通りでーす。ノルはどうやらローランドの好みドストライクだったらしい。なんとも『ご愁傷様、チーン』という現状に巻き込まれてしまっている。もはや部屋に引きこもる余裕すらない。
なぜこうなってしまったのかというと、それは勇者パーティ一行が我が家にやって来た日の夜……。
『センー、飯って聞いたぞ』
『あ、ノルいらっしゃーい』
『オー……ってなんでこいつらが雁首揃えてるんだよ!!!』
『どうどう落ち着け!とりあえずご飯を食べる!』
『あっらぁ~。なんて可愛らしくて美しい少年なのかしらん♡。あたしはローランド!もうぅ~ノルちゃん可愛すぎて美味しくいけちゃうわ☆』
『『え?』』
これでスイッチが入ってしまったのです。ま・さ・に!ストーカーに追いかけられる私である。
「また始まってしまったわ。ローランドのノル追いかけ」
食後の応接室でフローラルとソファに座りながら、私は逃げ惑うノルと追いかけ回すローランドを遠い目で見つめる。
ノル、その苦しみが私には手に取るようにわかるよ。私もソナタの同士なのでな。
「ええ、そうですね。ノルさんが逃げ切れることを切実に祈ります」
隣では、私と同じことを考えているのか、同じように遠い目をしながらフローラルが言った。ここにも、仲間が一人。ストーカー被害を受けていた仲間です。
「ああ!ここにいたんですね!僕の愛しのオーレリア!そしてジェニファーも一緒だなんて、ああ、僕はなんて幸せ者なんだ!二人いっぺんに嫁いできてくれ!」
「「引っ込め変態ゾンビ!!」」
ローランドとノルの追いかけっこの隙間をかいくぐって跳躍してきた勇者に、私とフローラルは声をハモらせ、同じように勇者の鼻頭にストレートを決めた。
「ハハハハ!メル!今日こそ君を永遠に俺のコレクションにするから!俺に身を任せろ!」
「いや…。兄ちゃ、吹っ飛ぶの」
「ウギョワァァ!!」
応接室の奥にあるテラスでは、ヤンデレ全開のセリフをメルにはいているメロと、そのメロを魔法で吹き飛ばしているメルがいる。
切実に誰か助けて!この家は悪魔の住む家になってしまったぁぁ!!
あとで詳しい自己紹介を聞いたところ、フローラルさんは神国ユグドラシルで代々聖女を輩出するマドレーヌ侯爵家の次期当主で、私の同い年。勇者パーティでは数少ない常識人で、私としては常識人ウェルカム!なのでとても嬉しい。
なぜ、フローラルさんが数少ない常識人なのかというと、それは当然、ほかのメンバーに問題ありすぎるからだ。あ、メルちゃんは普通の子ですよ?
メルちゃんは、神国のアントワネットマリリアン伯爵家のご令嬢で、メロの双子の妹。伯爵家で随一の魔法才能を持った、まさに魔法使いになるために生まれて来た子なのだ。
試しにメルのステータスを鑑定してみたら、MPとMAG値が両方とも1000000だった。メルちゃんやばい天才だな!
しかしフルネームがメル・アントワネットマリリアンか……。名前と苗字の長さが違いすぎやしないだろうか?なぜこんなアンバランスな名前をつけようと考えたのか、ご両親は。ものすごい言いずらいじゃん、アントワネットマリュ……おぅふ、噛んだ。
そのメルちゃんのお兄ちゃんであるメロは、メルちゃんと同じ可愛らしい顔をしているのに、中身はサディスティック星からやって来た王子。某どこかのジャンプに出てくる『副長の座を狙う腹黒少年』と同じ匂いをプンプン感じる。
そして妹が好きすぎて、永久保存したいと願う、正真正銘なヤンデレでもある。この子と結婚する女の子は間違いなくヤンデレに悩まされて泣かされるよ。
真性のドSな上に重度のヤンデレ……できればお近づき願いたくないね。いや、マジで本当に。
そして残りの一人、エルフのローランド・ギエロはどうかというと……。
「あぁ!もう!ノルちゃんってば逃げないでよん♡!」
「ちょっときもい!来るなってーー!!」
この光景を見た時、あれ?デジャヴ?と感じた私は素晴らしいと思う。
そう!私がストーカー勇者に追いかけ回されていた光景とそっくりなのです!
このローランドというエルフさん、美男…特に美少年が大好きなのだ。もう現時点で変態確定であるが、ここで注目すべきは、ノルが、深い紺色の髪に空色の瞳の超イケメンで、外観年齢は18歳ほどの少年であることです。
はい、お察しの通りでーす。ノルはどうやらローランドの好みドストライクだったらしい。なんとも『ご愁傷様、チーン』という現状に巻き込まれてしまっている。もはや部屋に引きこもる余裕すらない。
なぜこうなってしまったのかというと、それは勇者パーティ一行が我が家にやって来た日の夜……。
『センー、飯って聞いたぞ』
『あ、ノルいらっしゃーい』
『オー……ってなんでこいつらが雁首揃えてるんだよ!!!』
『どうどう落ち着け!とりあえずご飯を食べる!』
『あっらぁ~。なんて可愛らしくて美しい少年なのかしらん♡。あたしはローランド!もうぅ~ノルちゃん可愛すぎて美味しくいけちゃうわ☆』
『『え?』』
これでスイッチが入ってしまったのです。ま・さ・に!ストーカーに追いかけられる私である。
「また始まってしまったわ。ローランドのノル追いかけ」
食後の応接室でフローラルとソファに座りながら、私は逃げ惑うノルと追いかけ回すローランドを遠い目で見つめる。
ノル、その苦しみが私には手に取るようにわかるよ。私もソナタの同士なのでな。
「ええ、そうですね。ノルさんが逃げ切れることを切実に祈ります」
隣では、私と同じことを考えているのか、同じように遠い目をしながらフローラルが言った。ここにも、仲間が一人。ストーカー被害を受けていた仲間です。
「ああ!ここにいたんですね!僕の愛しのオーレリア!そしてジェニファーも一緒だなんて、ああ、僕はなんて幸せ者なんだ!二人いっぺんに嫁いできてくれ!」
「「引っ込め変態ゾンビ!!」」
ローランドとノルの追いかけっこの隙間をかいくぐって跳躍してきた勇者に、私とフローラルは声をハモらせ、同じように勇者の鼻頭にストレートを決めた。
「ハハハハ!メル!今日こそ君を永遠に俺のコレクションにするから!俺に身を任せろ!」
「いや…。兄ちゃ、吹っ飛ぶの」
「ウギョワァァ!!」
応接室の奥にあるテラスでは、ヤンデレ全開のセリフをメルにはいているメロと、そのメロを魔法で吹き飛ばしているメルがいる。
切実に誰か助けて!この家は悪魔の住む家になってしまったぁぁ!!
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