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~領地改革~
ヴァルハラ
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あたり一面にはくすんだ茶色の大地が広がっていた。植物が生えていないわけではないが、それは雑草か低木ぐらいで、目立った動植物は見当たらない。
「公爵家の資料で不毛だとは知っていましたけど、こうも見事に荒れているは思いませんでしたね」
「うーん。ねえ、テオ。ここって、本当にかつて都だったの?
「それでしたらむしろなぜここまで荒れてしまったのか知りたいです」
「ウル姉に一票。なんでこんなんになっちゃったんだろう?」
「どこぞの貴族領の都だったのならもっと豊かでもいいと思うんだけど。ユー様はどう思う?」
「…………」
それぞれの目でヴァルハラ地方の景色を見て、ノルンたちは口々にその荒れ果てた大地に疑問をつぶやく。
その中で、ユールは一人不思議そうに首をかしげていた。
「……ユー様?」
「………おかしい」
「…?おかしい?」
「うん。この地方は類稀に豊かな魔力に満ちている。なのになぜここの大地はこんなに不毛なんだろう?」
一行の中で、ユールは唯一魔力を感知できる神経を持っていた。そのユールからすれば、今のヴァルハラ地方はいろいろとおかしい状況にあった。
この世界の森羅万象は、それぞれで魔力を含んでいる。それは大地…土地にもある。美しい魔力をより多く含む土地であればあるほど豊かになる。実際この公爵領は、領土全体にかなり良い魔力が行き届いているから他の領地よりも豊かなのだ。
それを考えれば、このヴァルハラ地方は公爵領のどこよりも、下手したら国のどの地方よりも膨大で綺麗な魔力を持っている。これなら公爵領のどこよりも豊かであるはずなのに、この地方は非常に不毛だ。
「魔力が……食い違ってる?でもどこで……?」
「……ねえ、ウル姉さん。ユー様はなにを言ってるの?」
「さあ………?」
ウルズ、ヴェルザンディ、スクルドがキョトンとしながらユールを見ている。それを見て、ノルンがその横で何か説明をしているが、ユールは今ヴァルハラの魔力をたどるのに集中していてそっちまで気が回らない。
(やっぱり大地が今持ってる魔力と、源から溢れている魔力が食い違ってる……?この地方の魔力の源はだいぶ東側にあるみたいね。海沿い……ではない。もう少し内陸にあるのかな。問題があるとすればその魔力源よね)
一人で大地の魔力を辿りながらもんもんと考える。
地方の様子をもう少し詳しく見つつ、この地方の魔力の源を目指してみよう。
「テオ、適当に街に寄りながら東を目指して」
「東、ですか?」
「うん。私の欲しい答えがあるから」
魔力の問題さえどうにかなれば、このヴァルハラ地方はもっと豊かな場所になれるはず。
「その前にユール様、グラムとグズルーンに会いに行くのではなかったのですか?」
「……テオとノルンは留守番してて」
「え?私もですか?」
「うん。ウルズたちのことも紹介してくる」
「テオは異性ですけど?」
「大丈夫でしょ。あなたたち、好き合ってるでしょ?」
「「!!!」」
わかりやすい反応をありがとう。さっさと告って付き合っちゃえばいいのに。
だってこの頃、テオとノルンは互いに挙動不審なんだもん。ちらっと目を向けて、目が合うとパッとそらす。偶然手が触れ合ったら双方真っ赤になって手を引っ込めるし。恋してるのがバレバレだ。
恋って自分ではさっぱり理解できないけど、他人の反応を見るのは得意だからね。
「じゃあ、いってくるね」
そう言ってウルズたち三姉妹を連れてゲートの魔法を開く。行き先はもちろん、冒険者の箱庭。
「ありがとうございま………ってきゃあああ!!」
「どうも」
驚かれたが、どうしたらいいかわからないので普通に返事しておいた。
「どうも、ではありませんよユール様!心臓止まるかと思いましたよ!」
「グズルーンにそんな驚かれるとは思わなかった」
「驚きますよ!お客さんを送り出したと思ったら背後にユール様ですよ?怖すぎる!」
「うん、ごめん」
とりあえず謝っておこう。
「もういいですよ……。それで、どうしたんですか?」
「いや?様子を見るついでに新しい友達を紹介しようと思って」
「お友達!?お友……フレンドが増えたんですね!」
「フレンドもお友達も同じ意味よ。なぜ言い直した」
「なんとなくです!」
「………グラムはどこに行ったの?」
話題転換しました。
『みみみみっ!』
「あ!セラならいますよ?」
「知ってるわよ。連れてきたんだから。それよりグラムは?」
「お兄ちゃんなら倉庫に行ってますよ。多分もう少しで帰って………」
「グズルーン!今戻ったよ!」
「噂をすれば!」
「ん?どうしたんだい?何かあ……ってうわっ!ユール様!?」
「やめてその反応。なんかむかつく」
なぜかムカついた。これはなんていう感情なんだろう?
「で、ユール様はなぜここに?テオ様やノルン様はいないようですが?」
「はい、自己紹介」
「話の振り方すごい適当じゃあありません?」
「はじめまして。ウルズと申します。三姉妹の長女です。よろしくお願いします」
「私はヴェルザンディと言います。三人姉妹の次女です」
「三女のスクルドです!よろしくね~」
「グラムと言います。こっちにいるのが妹です」
「どうもこんにちは。グズルーンです。末長くよろしく!」
ユールが自己紹介を促すと、5人は各々で自己紹介を交わし、握手した。
「以上」
「いや、なにが以上なんですか。俺にも状況を理解させてくださいよ」
「だから、自己紹介したんだって」
「そりゃ知ってますよ。俺が聞きたいのはですね………」
「グラム、堅い。グズルーンを見習うのよ。フレンドリーなのが一番大事」
「ユール様はフレンドリーの意味は理解してるんですか?」
「間違った使い方はしてない………はず」
視線の先では、グズルーンがすでにヴェルザンディ、スクルドと仲良しモードに突入している。年齢が近いこともあって話が合うらしく、きゃっきゃしてる。
「ヴェルザンディもスクルドも楽しそうね」
「妹たちも、ようやく気軽に話せる同世代の友人と出会えたんです。嬉しいでしょう」
「そうね。…………グラム、その顔はやめた方がいい」
「え?そんな顔ってなんですか?」
「自覚してないの?デレデレしてた」
「してませんよ!グズルーンに友達ができて俺は嬉しいんです!」
大真面目に言い切ってるけど、さっきのあの典型的なシスコン顔のあとに言われてもあまり説得力はない。
「もしかしてグラム、店の男性客を牽制してたりする?」
「ええ。大事な妹を守るためですから」
「グズルーンと長時間しゃべってる人は許せない?」
「当たり前です。速攻で引きはがしますよ。妹が変な常識を覚えてしまったら大変ですから」
「じゃあグズルーンに言い寄ろうとしている人は?」
「言語道断です。丁重に退出していただきます」
グラムはもしかしなくても軽くシスコンなのかもしれない。
その後、若い子組がはしゃいでる横でウルズとグラムと一緒に雑談し、ヴァルハラの様子も聞かせた。店が安定したらヴァルハラに連れて行ってあげる約束もした。ついでに向こう2ヶ月分の給料も渡しておいた。
ちなみに帰り際に、グラムに「店にマスコットが欲しい」と言われたので、3ヶ月お試しで雪うさぎのセラを貸し出すことになった。店の中央のテーブルにおいてあるポプリに潜り込んで、頭だけぴょこっと出している真っ白で赤い目の雪うさぎなんて、マスコット以外のなんでもないでしょう。
ヴァルハラに戻ると、そこではノルンとテオが協力してカバンの中身を整理していた。ノルンはうっすらほっぺを赤く染め、テオは照れ臭そうに頬を掻いている。
こっちもこっちで何かの話がついたらしい
「公爵家の資料で不毛だとは知っていましたけど、こうも見事に荒れているは思いませんでしたね」
「うーん。ねえ、テオ。ここって、本当にかつて都だったの?
「それでしたらむしろなぜここまで荒れてしまったのか知りたいです」
「ウル姉に一票。なんでこんなんになっちゃったんだろう?」
「どこぞの貴族領の都だったのならもっと豊かでもいいと思うんだけど。ユー様はどう思う?」
「…………」
それぞれの目でヴァルハラ地方の景色を見て、ノルンたちは口々にその荒れ果てた大地に疑問をつぶやく。
その中で、ユールは一人不思議そうに首をかしげていた。
「……ユー様?」
「………おかしい」
「…?おかしい?」
「うん。この地方は類稀に豊かな魔力に満ちている。なのになぜここの大地はこんなに不毛なんだろう?」
一行の中で、ユールは唯一魔力を感知できる神経を持っていた。そのユールからすれば、今のヴァルハラ地方はいろいろとおかしい状況にあった。
この世界の森羅万象は、それぞれで魔力を含んでいる。それは大地…土地にもある。美しい魔力をより多く含む土地であればあるほど豊かになる。実際この公爵領は、領土全体にかなり良い魔力が行き届いているから他の領地よりも豊かなのだ。
それを考えれば、このヴァルハラ地方は公爵領のどこよりも、下手したら国のどの地方よりも膨大で綺麗な魔力を持っている。これなら公爵領のどこよりも豊かであるはずなのに、この地方は非常に不毛だ。
「魔力が……食い違ってる?でもどこで……?」
「……ねえ、ウル姉さん。ユー様はなにを言ってるの?」
「さあ………?」
ウルズ、ヴェルザンディ、スクルドがキョトンとしながらユールを見ている。それを見て、ノルンがその横で何か説明をしているが、ユールは今ヴァルハラの魔力をたどるのに集中していてそっちまで気が回らない。
(やっぱり大地が今持ってる魔力と、源から溢れている魔力が食い違ってる……?この地方の魔力の源はだいぶ東側にあるみたいね。海沿い……ではない。もう少し内陸にあるのかな。問題があるとすればその魔力源よね)
一人で大地の魔力を辿りながらもんもんと考える。
地方の様子をもう少し詳しく見つつ、この地方の魔力の源を目指してみよう。
「テオ、適当に街に寄りながら東を目指して」
「東、ですか?」
「うん。私の欲しい答えがあるから」
魔力の問題さえどうにかなれば、このヴァルハラ地方はもっと豊かな場所になれるはず。
「その前にユール様、グラムとグズルーンに会いに行くのではなかったのですか?」
「……テオとノルンは留守番してて」
「え?私もですか?」
「うん。ウルズたちのことも紹介してくる」
「テオは異性ですけど?」
「大丈夫でしょ。あなたたち、好き合ってるでしょ?」
「「!!!」」
わかりやすい反応をありがとう。さっさと告って付き合っちゃえばいいのに。
だってこの頃、テオとノルンは互いに挙動不審なんだもん。ちらっと目を向けて、目が合うとパッとそらす。偶然手が触れ合ったら双方真っ赤になって手を引っ込めるし。恋してるのがバレバレだ。
恋って自分ではさっぱり理解できないけど、他人の反応を見るのは得意だからね。
「じゃあ、いってくるね」
そう言ってウルズたち三姉妹を連れてゲートの魔法を開く。行き先はもちろん、冒険者の箱庭。
「ありがとうございま………ってきゃあああ!!」
「どうも」
驚かれたが、どうしたらいいかわからないので普通に返事しておいた。
「どうも、ではありませんよユール様!心臓止まるかと思いましたよ!」
「グズルーンにそんな驚かれるとは思わなかった」
「驚きますよ!お客さんを送り出したと思ったら背後にユール様ですよ?怖すぎる!」
「うん、ごめん」
とりあえず謝っておこう。
「もういいですよ……。それで、どうしたんですか?」
「いや?様子を見るついでに新しい友達を紹介しようと思って」
「お友達!?お友……フレンドが増えたんですね!」
「フレンドもお友達も同じ意味よ。なぜ言い直した」
「なんとなくです!」
「………グラムはどこに行ったの?」
話題転換しました。
『みみみみっ!』
「あ!セラならいますよ?」
「知ってるわよ。連れてきたんだから。それよりグラムは?」
「お兄ちゃんなら倉庫に行ってますよ。多分もう少しで帰って………」
「グズルーン!今戻ったよ!」
「噂をすれば!」
「ん?どうしたんだい?何かあ……ってうわっ!ユール様!?」
「やめてその反応。なんかむかつく」
なぜかムカついた。これはなんていう感情なんだろう?
「で、ユール様はなぜここに?テオ様やノルン様はいないようですが?」
「はい、自己紹介」
「話の振り方すごい適当じゃあありません?」
「はじめまして。ウルズと申します。三姉妹の長女です。よろしくお願いします」
「私はヴェルザンディと言います。三人姉妹の次女です」
「三女のスクルドです!よろしくね~」
「グラムと言います。こっちにいるのが妹です」
「どうもこんにちは。グズルーンです。末長くよろしく!」
ユールが自己紹介を促すと、5人は各々で自己紹介を交わし、握手した。
「以上」
「いや、なにが以上なんですか。俺にも状況を理解させてくださいよ」
「だから、自己紹介したんだって」
「そりゃ知ってますよ。俺が聞きたいのはですね………」
「グラム、堅い。グズルーンを見習うのよ。フレンドリーなのが一番大事」
「ユール様はフレンドリーの意味は理解してるんですか?」
「間違った使い方はしてない………はず」
視線の先では、グズルーンがすでにヴェルザンディ、スクルドと仲良しモードに突入している。年齢が近いこともあって話が合うらしく、きゃっきゃしてる。
「ヴェルザンディもスクルドも楽しそうね」
「妹たちも、ようやく気軽に話せる同世代の友人と出会えたんです。嬉しいでしょう」
「そうね。…………グラム、その顔はやめた方がいい」
「え?そんな顔ってなんですか?」
「自覚してないの?デレデレしてた」
「してませんよ!グズルーンに友達ができて俺は嬉しいんです!」
大真面目に言い切ってるけど、さっきのあの典型的なシスコン顔のあとに言われてもあまり説得力はない。
「もしかしてグラム、店の男性客を牽制してたりする?」
「ええ。大事な妹を守るためですから」
「グズルーンと長時間しゃべってる人は許せない?」
「当たり前です。速攻で引きはがしますよ。妹が変な常識を覚えてしまったら大変ですから」
「じゃあグズルーンに言い寄ろうとしている人は?」
「言語道断です。丁重に退出していただきます」
グラムはもしかしなくても軽くシスコンなのかもしれない。
その後、若い子組がはしゃいでる横でウルズとグラムと一緒に雑談し、ヴァルハラの様子も聞かせた。店が安定したらヴァルハラに連れて行ってあげる約束もした。ついでに向こう2ヶ月分の給料も渡しておいた。
ちなみに帰り際に、グラムに「店にマスコットが欲しい」と言われたので、3ヶ月お試しで雪うさぎのセラを貸し出すことになった。店の中央のテーブルにおいてあるポプリに潜り込んで、頭だけぴょこっと出している真っ白で赤い目の雪うさぎなんて、マスコット以外のなんでもないでしょう。
ヴァルハラに戻ると、そこではノルンとテオが協力してカバンの中身を整理していた。ノルンはうっすらほっぺを赤く染め、テオは照れ臭そうに頬を掻いている。
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