幕末☆妖狐戦争 ~九尾の能力がはた迷惑な件について~

カホ

文字の大きさ
24 / 119
文久3年

勤務先、ゲットだぜ!(弐)

しおりを挟む
(………ってそんなわけいくかーーー!!!!)

 だから、お前はなに冷静に原因なんて分析してるんだよ!

『お主、朝から騒々しいぞ。まだ日の出を迎えたばかりだというのに』
(うるさい!ぐっすり寝てた人は黙る!あ、人じゃない、狐だ!違う、狐じゃない、猫だ!)
『いちいち言い直さんでいいわい!』

 やっぱ性格がちょっとひねくれてるかもしれない。

(だって………私の癒しが全て取り上げられちゃったのよ?寝ることもできないし、食事しても味がしないし、多分お風呂に入っても暖かさなんて感じないだろうし……)

 日本人の楽しみを、今は味わうことができないなんて………。

 泣いていい?

『そうか……お主には辛いのう』
(早くお金稼いで、京の都に行かないと。真人間に戻りたいよ………)

 殺されるために京の都に行くってのも相当変な話だけど。

『む?おい、雫。あの康順とかいう医者が呼びにきておるぞ。朝食ができたんだとさ』
(あ、本当?ほむろ、ふすま開けてきて)
『うむ』

 この時代のお医者さんって朝は早いのかな?

 ふすまが開かれたのを、風読みの術で察知した。

 康順先生の位置を探し当て、その方角に向かって頷く。目が見えないからちゃんと面と向かって頷けたのかはわからない。

『康順が出て行ったぞ』
(そうなの?じゃあ今のうちに着替えよう)

 補佐の術を発動して、着替えを手伝うように念じる。

 この妖術、楽なんですよね。私はその場に立って両腕を肩の高さまであげているだけでいいんだもん。

 あとは魔力が全自動アームみたいに、腕を服の袖に通してくれたり、帯を結んでくれたり。とにかく超絶に便利なんです。

(よし!終わったみたい)
『ふむむ。雫は相も変わらず美しいのう』
(はいはい、ほら吹かないの。そんなわけないでしょ)
『本当なんじゃがのう。実際昨日にも街の人間はお主に見惚れておったぞ』
(またまた。そんなこと言っても騙されないよ)

 2017年でめちゃくちゃ普通だった女子大生捕まえて、綺麗とかなにデタラメを言ってるんだか。

 風読みの術を発動したまま、私は障子の場所を探り当て、妖術で開ける。

 部屋の外に出て、空気の流れが下り坂になっている場所(一階への階段)を探し出し、転がり落ちないようにものすごーく慎重に降りる。

 だって足の裏の感覚がない状態で降りる段差は怖いんだもん。

 昨日通された部屋への道を模索する。この診療所はそこそこ広いが、私は九尾の能力で天才頭脳があるので、昨日通った道は覚えている。

 いやぁ、便利ですね。完全記憶能力もどきは。

 そうこうしている間に目的地に到着。この部屋は階段からそんなに遠くない。

『康順が"おはよう"と言っておるぞ』

 ほむろに言われたので、私は風読みの術で康順先生も位置を特定して、そっちに一礼する。

(めっちゃ変な感じ。行動してもなんの返事も受け取れないとか)
『お主の五感は失われておるからのう。こればかりは妾にもどうにもできん』
(せめて視覚だけでも戻って欲しいよ)
『数ヶ月の辛抱じゃ。視覚か聴覚が戻るまでは妾が責任を持って支えてやる』
(はい、頼りにしてます)
しおりを挟む
感想 28

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

異世界に流されて…!?

藤城満定
ファンタジー
東京発沖縄着の船で修学旅行に出港した都立東品川高等学校2年4組の生徒35人は出港して2時間が過ぎた頃に突然の嵐に巻き込まれてしまい、船が転覆してしまって海に投げ出されてしまった。男子生徒の宮間景太郎が目を覚ますと、そこはどこかの森の中だった。海に投げ出されたのに、何で森の中にいるんだ?不思議に思って呆然としていたら、森の奥から聞き覚えのある女子生徒達の悲鳴が聞こえてきた。考えるより先に体が動いた。足元にあった折れて先端が尖った木の枝と石コロを取って森の奥へと駆け出した。そこには3人の女子生徒が5匹の身長160cmくらいの緑色の肌色のバケモノに襲われていた。そのバケモノは異世界アニメやコミックでお馴染みのゴブリン?だった。距離は10mはある。短剣を持ったのと木製の棍棒を持ったゴブリンの内、棍棒を持ったのがソレを振り下ろすのを防ぐのは無理な距離。ならばと、拾っておいた石コロを全力投球投。全くの無警戒だった場所からかならの威力で投げられた石コロが頭に命中して、そのまま倒れてしまったので他のゴブリン共も動揺した。その隙に女子生徒達とゴブリン共の間に立ち塞がり、拾った木の枝(棒?)を振り回して距離を置き、斃したゴブリンから棍棒を拾ってそこからはタコ殴りに殴りまくった。棍棒や短剣を弾くと、頭、首、肩、腕、足と、それはもうフルボッコのボッコボコにして斃してから暫くして女子生徒達に「大丈夫か?」と声をかけると、3人ともポカーンと口を開けて呆然としていた。まあ、無理もない。何故なら景太郎はクラスでは寡黙で、いつも1人で行動しているそれは、ぶっちゃけて言うと、完全な『ボッチくん』だったからだ。そんな景太郎が自分達の命を助けてくれた。それも今まで誰も見た事のない熱く必死な戦い方でだ。これは謂わゆる『吊り橋効果』ではあるが、こうまで男らしい姿を見せられては惚れるなというほうが無理だろう。その瞬間から女子達による景太郎の取り合い合戦が始まった。 【毎週火曜日に投稿します】

人狼な幼妻は夫が変態で困り果てている

井中かわず
恋愛
古い魔法契約によって強制的に結ばれたマリアとシュヤンの14歳年の離れた夫婦。それでも、シュヤンはマリアを愛していた。 それはもう深く愛していた。 変質的、偏執的、なんとも形容しがたいほどの狂気の愛情を注ぐシュヤン。異常さを感じながらも、なんだかんだでシュヤンが好きなマリア。 これもひとつの夫婦愛の形…なのかもしれない。 全3章、1日1章更新、完結済 ※特に物語と言う物語はありません ※オチもありません ※ただひたすら時系列に沿って変態したりイチャイチャしたりする話が続きます。 ※主人公の1人(夫)が気持ち悪いです。

俺の家に異世界ファンタジーガチャが来た結果→現実世界で最強に ~極大に増えていくスキルの数が膨大になったので現実世界で無双します~

仮実谷 望
ファンタジー
ガチャを廻したいからそんな理由で謎の異世界ガチャを買った主人公はガチャを廻して自分を鍛えて、最強に至る。現実世界で最強になった主人公は難事件やトラブルを解決する。敵の襲来から世界を守るたった一人の最強が誕生した。そしてガチャの真の仕組みに気付く主人公はさらに仲間と共に最強へと至る物語。ダンジョンに挑戦して仲間たちと共に最強へと至る道。 ガチャを廻しまくり次第に世界最強の人物になっていた。 ガチャ好きすぎて書いてしまった。

17歳男子高生と32歳主婦の境界線

MisakiNonagase
恋愛
32歳主婦のカレンはインスタグラムで20歳大学生の晴人と知り合う。親密な関係となった3度目のデートのときに、晴人が実は17歳の高校2年生だと知る。 カレンと晴人はその後、どうなる?

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

日本列島、時震により転移す!

黄昏人
ファンタジー
2023年(現在)、日本列島が後に時震と呼ばれる現象により、500年以上の時を超え1492年(過去)の世界に転移した。移転したのは本州、四国、九州とその周辺の島々であり、現在の日本は過去の時代に飛ばされ、過去の日本は現在の世界に飛ばされた。飛ばされた現在の日本はその文明を支え、国民を食わせるためには早急に莫大な資源と食料が必要である。過去の日本は現在の世界を意識できないが、取り残された北海道と沖縄は国富の大部分を失い、戦国日本を抱え途方にくれる。人々は、政府は何を思いどうふるまうのか。

病弱少年が怪我した小鳥を偶然テイムして、冒険者ギルドの採取系クエストをやらせていたら、知らないうちにLV99になってました。

もう書かないって言ったよね?
ファンタジー
 ベッドで寝たきりだった少年が、ある日、家の外で怪我している青い小鳥『ピーちゃん』を助けたことから二人の大冒険の日々が始まった。

処理中です...