幕末☆妖狐戦争 ~九尾の能力がはた迷惑な件について~

カホ

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元治元年

壬生狼が見たいのに見れない(参)

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 異変は割とすぐにやってきた。

 直進していい、と言われた通りを4歩ぐらい歩いたところで、周りの空気に大きな変化が起きた。

 つまり周りの人たちの行動が変化したということだろう。

 通りを流れていた空気が、一斉に左右に割れたのだ。モーゼが割った海みたいに綺麗にパックリと。

 すなわち道のいろんなところを歩いて人たちが、一斉に道の両脇にどいたってことでしょう。

(…?なんだなんだ?)
『あ、雫。脇によけた方が良いぞ。こちらに向かって集団が来る』
(はい?集団?)

 京の都の通りを歩く………集団?

(それって、京の都で最近流行りの不逞浪士?)
『流行りってなんじゃ………違わい。何やら全員が浅葱色の羽織を着ておる』
(へえ、浅葱色の羽織ね………って新選組じゃんそれ!!)

 なんと!市中見廻の最中なのか!

『そうじゃ!だからお主は道のどちらかによけろ!今のお主は、通りのど真ん中に立っておるのじゃぞ!思いっきり通行の邪魔じゃ!』

 再びなんと!そんなド真ん中に立っていたのか!

 私はもう一度風読みの術を発動させると、今度はこちらに向かって歩いてくる気配を6・7人分感知した。

 その気配たちはそこそこ近くまで来て、バラバラと止まった。私の前方にいるようだ。

 あ、これは失礼。私が通行の邪魔をしているんだったね。

 6・7人の気配が固まっている場所に向かってお辞儀をして、私は左を向いてその場を立ち去る。

 急ぎたいけど、焦ると進行方向がどっちなのかわからなくなるからね。妖術は方角までは把握できないから。

 道の中央からどいて、後ろにいるだろう6・7人組を振り返る。さあ、みなさん。どうぞお通りください。

 6・7人分の気配はしばらくその場から動かなかったが、やがてぞろぞろと移動を再開した。

(せっかく新選組が近くまで来たのに、見れないなんてつまんないの)
『妾はお主が切り捨てられないかハラハラしておったぞ。あやつら、揃いも揃ってお主のことをじーっと見ておったからのう』
(ま、斬り捨てられてないんだからいいじゃん。それにしても新選組に会ってみたいなぁ)
『だからお主は物好きなんじゃって。この京の都では、新選組は猛烈に恐れられておるのじゃぞ?』
(いや、だがしかし幕末の歴史が大好きな私としては、新選組は武士の象徴!ロマンだよ!まあ、私よりもさらにガチなマニアの子はいっぱいいたけど)
『はい?』

 新選組を見れないのは残念だが、とりあえず今は松本先生のご自宅までたどり着かないと。
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