別にこれはいつも通りで

松葉 楓

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本編

1年生 秋 第11話

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私は2人にも、休み時間にあった出来事を話した。


「…ってことがありまして」

「なるほど」

「それにしても、晴夏ちゃん。なんかいっぱい抱えてるけど…」

「いろいろ見て貰おうと思って」

「別に抱えて持ってこなくても」

「…カバンあるのに」

「まあ、熱心さは伝わってくるけど…」

「そう熱心に勉強を頑張りたいの!
そうしないと私…きっと赤点以下に…」

「大丈夫だよ!今からでも間に合うよ、ほらとりあえず座って」

「分かった!…よいしょっと」

手の上に積み上げられた教科書やらプリントやらを器用に机に置き、晴夏ちゃんは席についた。

「雪花と晴夏ちゃんはどっちも数学が苦手なんだっけ…」

私が尋ねると予想通り2人とも同時に頷いた。

「じゃあ、まず教科書の48ページに総合問題があるからそれを全部解いてみて」

「うん」

「おお、数字がたくさん…」

「数学の問題なんだから当たり前でしょ、解けたら教えて」

「じゃあ、僕はその間に…」

「あれ、英語勉強するの?」

「ああ。英語が1番苦手だし…いつもその次に苦手な世界史ばかり勉強してるから、たまには」

「なるほど、じゃあ私も英語から勉強しよう…っと」

といつもの2倍賑やかな勉強会が始まったのであった。
雪花も晴夏ちゃんも分からない問題の方が多かったけど、分からないところは全て解説して、なんとか数学の試験は大丈夫そうになった。
私たちも英語を図書室にある英和辞書を持ってきたりして、辞書と教科書とノートを何度も見比べながら勉強を進めた。
そうして、この日も気が付けばまた、外は日が暮れていた。

「よし、そろそろ最終下校時刻15分前のチャイムがなる頃だね」

「ほんとだ」

「いつの間に…」

「みんな熱心に勉強してたからね」

「いや、これも実春ちゃんのおかげだよ!」

「そうそう実春が居なかったら私、こんなに熱心に勉強できないから…」

「ほんと、愛川にはいつもお世話になってるよ」

「みんな、ありがとう。こちらこそだよ」

3人同時に教えられるかちょっと不安だったけど、意外とどうにかなったな。
なにより自分もつまずいた問題が復習できたし、ひと安心だ。

「でも、まだまだだからね」

「うん」

「もちろん」

「頑張る!」

それにしても…

「それにしてもこの時間でも私たち以外にまだ図書室に残ってる人意外といるんだね」

「確かに、みんな頑張ってるってことだね」

「そうね…みんなも、明日も頑張ろう」

「ああ」

「頑張りましょう」

「ろーう!」

「じゃあ、とりあえず辞書戻してくるね」

相変わらず晴夏ちゃんは変な掛け声だけど、まあいいか。
晴夏ちゃんは、自然と見ていて熱心さが伝わってくる。何事にも一生懸命で演劇部でも放送部でもたまにしか見たことが無いけど、熱心に頑張っている姿を見たり、放送を通じて声を聞いたりする。

私には無いものをみんなは持っていて、凄いなと密かに感動した。

「私も頑張らないと…」

私は辞書を棚に戻しながら、
小さく1人呟いた。
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