別にこれはいつも通りで

松葉 楓

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本編

1年生 秋 第13話

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「クラスと部活の催し物も楽しみだけど、もちろん委員会の方も凄い楽しみだよね」

「そうね、どれも全部頑張りたいなって思う」

なんて、目の前で雪花と晴夏ちゃんが話している。
図書委員会の催し物は、以前よりも楽しみになったかもしれない。私も頑張りたい、そして成功して欲しい。
正直クラスの方の催し物はまだ少し不安が残っているけど、図書委員会の方の催し物はこのみんながいれば楽しめるかなって思えた。

「まあ全力で楽しむには、その前に試験を頑張らなくちゃよね」

「ええー…」

「ええー、じゃない。晴夏ちゃんは赤点回避がかかってるんだから」

「うっ…」

「ははっ」

「私も頑張ろう」

まさに嫌そうな顔をしている晴夏ちゃんを見て、彼が笑い、そして雪花はやる気に満ちた顔で小さくガッツポーズをしている。
それぞれ3人とも違う表情をしていて面白い。

「ふふっ…みんなで、頑張ろう」

「そうだね」

「もちろん!」

このメンバーに図書委員として出会えて良かったと単純にそう思った。
それに、あの時楽しませてあげると言っていた、今私のすぐ横にいる彼の言葉を思い出した。

「…よし、今日もデザート食べようっと」

「えっ、また食べるの?こないだも甘いもの食べるって言って、ケーキ2つも食べてたよね」

「別にいいでしょ」

「…太っても知らないよ」

「えっ、そんなの気にしてるの」

「えっ…いや別にそういう訳じゃ、って今日もケーキ2つ頼むのかよ」

「いいのいいの、私は別に気にしてないから」

「はあ…」

嬉しい時って、なんか甘い物食べたくなるよね。食べたい時に食べないと勿体ないじゃない。
というか、それよりも私達でやりとりをしている時に、なんか雪花と晴夏ちゃんから妙に期待したような目を向けられていた様に感じたけど、一体なんだったんだろう。
気のせい…かな。




今日もケーキを2つ綺麗に平らげた。
だがしかし、今日はレストランを出てからも甘い物が食べたくなって、駅構内にあるコンビニに寄ってデザートを買った。
流石に全員から、どれだけ食べるの…と呆れられたけど、まあ今日ぐらいはいいよね。

「じゃあ、2人ともまた明日ね」

「ああ」

「うん!雪花ちゃん、実春ちゃんがもうこれ以上太らないように見張っといてね」

「大丈夫、まかせておいて」

「えっ、まだ太るって決まった訳じゃ…」

「まあまあ、でも食べ過ぎは良くないから」

「まあ…確かにそうだけど」




2人が階段から反対側のホームに降りて行くのを見届けてから、私達はゆっくりと歩き出した。
その後、私達が階段を降り切った後、ふいに雪花が口を開いた。

「それより、実春。中学の文化祭の時のトラウマは…克服できたの」

「…えっ」

「中学生の時いろいろあったの知ってるから、私なりに心配してたのよ」

雪花にも心配されていたとは。
嬉しいけど、素直に喜べない…そんな複雑な気持ちになった。だけど。

「…うーん、不安はもちろんあるんだけど、なんか今は楽しみだなって」

「そう、それならよかった…実春は悲しんでたり落ち込んでたりしてても、周りには上手く隠しちゃうところがあるから溜め込んだりしてないか心配で」

「雪花…雪花はもちろん、みんなが図書委員に入ってくれたおかげだよ」

「あら、そう言って貰えると嬉しい。まあ、これからも何か困ってることとかあったら遠慮しないで私に教えて」

「まあ、なるべく」

「他の人の目は誤魔化せても、もう私の目は誤魔化せないからね。あと…実春の恋も応援してるから」

「えっ、私の恋…?」

「好きなんでしょ、彼のこと」

「え…えっ⁈いや違うよ…!」

突然何を言い出すんだ。
突然の事で咄嗟に否定してしまったけど、実際のところ…どうなんだろう。

「仲良いし、いつも一緒にいるし、私はいつ付き合うんだろうってずっと思ってたんだけどね」

「…それは、あまり関係ないんじゃ」

「関係あるよ!…まあ、とにかく実春のことはいろいろ応援してるから」

「…ありがとう」

またしても素直に喜べないところがあるけど、彼女にならどんな悩みも話せそうだし、話さなくてもきっと気付かれるんだろうな。

自分から人に頼ることは苦手だけど、これからは…誰かを頼ってみてもいいのかな。

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