別にこれはいつも通りで

松葉 楓

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本編

1年生 秋 第19話

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とうとうテスト当日になった。

この1週間ぐらいの間、勉強している時間より本を読んでいる時間の方が多かった。
…ように思う。
学校ではちゃんと勉強してたけど、家に帰るとどうしても本が読みたくなってしまう。今日も少し寝不足気味である。

でもまあ今日は、世界史と化学の試験だけだしなんとかなるかな。
今朝、登校しながら一緒にいた雪花にこのことを話したらもちろん叱られたけど。

世界史の試験は、あの時分からなかった問題もあの後、彼が皆んなに教えてくれたし、解けない問題は見たところなかった。
化学はあんまり勉強してないけど、計算問題で少しつまずいただけで、後は問題なくとけた。

解き終わった解答用紙を裏にして前へと渡して行く。
試験の日は出席番号順に座らなければならないので、クラス全体で出席番号が2番目の私は、窓際の席から1番廊下側の席へと変わる。
なんだか落ち着かないけど、これはこれで新鮮だから嫌じゃない。

他のクラスも試験が終わったようで、廊下を見ていると段々と食堂に向かったり下校する人が増えて行く。

「では、今日はこれで放課後になります。明日からも試験は続くので引き続き気を引き締めて試験に挑んで下さい」

2組も先生のあいさつに続いて椅子を引く音があちこちで聞こえ次々と廊下へと人が増えていった。

私もカバンに筆記用具をしまい教室から出る。
そして、皆んなが進む方向とは逆方向に歩き4組へと向かった。

いつものように廊下から4組を覗いて彼を探す。

「…あれ」

真ん中ら辺の席に座っているはずなんだけど、見当たらない。
あ、試験だからいつもと席違うんだった。
でも、教室を見た感じここには居なそうだった。

「あ、あの…真堂ってどこにいるか知ってる?」

私は教室にいた4組のもう1人の図書委員の女子に聞いてみた。

「真堂?えっと、朝から見てないよ。休みかな」

「えっ、そうなの?」

「うん。多分、今日は休みだと思う」

珍しい、彼が休みだなんて。しかもよりによって試験の日に休むなんて。

「そうなんだ…ありがとう」

珍しいこともあるものだ。
…そっか、今日休みなのか。


「真堂は休みじゃないよ」

「…えっ?」

休みだったと知って私が落ち込みかけた時、3組の教室から廊下に出てきた雪花がそう言った。

「あれ、雪花まだ教室に残ってたんだ」

「だって、さっきまで廊下に人いっぱい居たから、落ち着くまで待っていようと思って」

なるほど。確かにさっきはいっぱい人がいて、その中を逆走するのは大変だった。

「なるほどね。あ、それよりも真堂が休みじゃないってどう言うこと?」

「私、休み時間に職員室に用事があって職員室に行ったんだけど、職員室から出るときにカバンを持ったままの彼と入れ違ったのよ」

「えっ、そうなの⁈」

「多分遅刻だったんだと思うけど」

「遅刻か、職員室に行けば分かるかな」

「そうね、先生に聞けば分かりそうだね」

普段、遅刻や欠席をしない彼が遅刻するなんて一体どうしたんだろう。とても気になる。

私は少し不安に思いながらも、雪花と一緒に職員室へと向かった。

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