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本編
1年生 秋 第24話
しおりを挟む雪花には2人には通じたさっきのようなごまかしは通用しないから嘘は言わない。
自然と雪花には相談してみようかなと思って私は口ごもりながらも伝えた。
こんな私に落胆されるかと思ったけど、全然そんなことはなかった。
「さっきのは嫉妬したんじゃない?」
「えっ、嫉妬?」
「好きだったら嫉妬ぐらい普通にするものじゃない?」
雪花は嫉妬という感情だと言っている。
「嫉妬か…」
嫉妬という感情だというのなら、そうなのかもしれないと思った。
今も向こうの注文口にいる2人を見るとなんだかちょっと落ち着ない。
「うーん…そうなのかも」
「だから、それが恋なのよ」
「えっ…」
そういうことなの…?
いや、まだちょっと分からないけど、とりあえずこれは嫉妬なのだと分かった。
それから、彼のことが好きだと言うことも、こないだ雪花に言われてから以前よりも考えてしまった。
「この間も言ったけど、実春を見ていて真堂のことが好きだってことは私から見ても分かるし、いつ付き合うんだろうって思ってたんだよ」
「…雪花って恋愛マスターなの?」
「えっ、そう言う訳ではないけど。でも、いつも一緒にいて、仲良いのに気付いてなかったなんて」
「それは…」
「もうとっくに気付いてると思っていたのに」
それは…近くにいすぎて分からなくなっていたのかも知れない。
もう少しで、今考えていること全てが掴めそうだった。
私は雪花に確かめようと雪花を見た。
「お待たせ」
「あら、随分時間がかかったみたいね」
「ごめんごめん、なかなか決められなくて」
口を開きかけたけど、横から声が聞こえてきて、とっさに目線だけ彼と逆方向の横へと逸らして、軽く唇を噛んだ。
雪花にもう少し訊ねたかったけど、本人が帰って来てしまったから、聞きたい気持ちを抑えて目の前にある料理に視線を戻した。
悩める恋とは言うけど、私にしては悩み過ぎだなと少し他人事のように考える。
勉強みたいに上手くいけば良いのに…
私は気付かれないように心の中で苦笑いをする。
「初めて食べたけど、食堂のご飯も美味しいね!」
「そうでしょう、ここの食堂のご飯は美味しいんだよ」
晴夏ちゃんには何も気付かれていないようだった。
私はもう一度横目で彼を見る。
「愛川は、いつもこんな美味しい食堂の
ご飯を食べてるのか…」
ちょうど見ていた時に自分の名前が出てきて、思いがけず少しどきっとした。
同時に本当は私は自分でこの気持ちを認めたくないだけなのかもしれないとも思った。
「僕も今度からたまに食堂のご飯食べようかな」
「……っ」
そう言う彼は、私の方を見て満面の笑みを向けている。
これには、流石に心臓が大きく跳ねた。
私は慌ててまた目の前の料理に視線を戻す。
危ない、危ない。また顔が赤くなってしまうところだった…
私は唇をさっきよりも強く噛んで堪える。
「いいね、たまに食べてみたら?実春もそう思うでしょ」
「えっ…?」
雪花は応援してくれている、それはまあ悪い気はしない。しかし、急に私に振るのはどうしたものか。
「…そっ、そうだね、全部美味しいしメニューも毎回変わるから楽しめるし、お勧めするよ」
私は目線を料理にしたまま、なんとか答えた。
少し早口になってしまったけど、まあ特に追及されたりはしないよね。
これ以上顔に出ないように私は無理矢理違うことを考えようとした。
だけど、なかなか難しく、すぐ真横に彼がいるとどうしても意識してしまって上手くいかなかった。
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