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しおりを挟む《番》が学園に通い始めたその日も、私は《番》と共に風呂に入っていた。
すると、《番》は言った。
「兄上、僕は今日、初めての恋をしたんだ。」
と。
自分の《番》が他人に愛を向けることに少し嫉妬したけれど、相手は女だと言うので溜飲を下げた。
「ならば、こちらを鍛えねばなるまい。」
私は言うと、《番》の陽物を口に含んだ。
口淫してやれば《番》は達し、飛び出した精液は飲み干してやった。
数日後、懇ろな関係になったものの、
「精液は飲めない。」
と言われたそうで、《番》の初恋はものの数日で終わったそうだ。
もちろん、失恋に沈む《番》を慰めてやったのも私だ。
ただ、どんなに私が《番》を求めていても、《番》はまだ私を《兄》だと思っているので、まだ抱いてやれない。
私の《番》への溺愛は続く。
婚約者の学園卒業と婚姻を半年後に控えたある日、夕食の最中、《番》が言った。
「兄上、僕は《真実の愛》を得ました。」
と。
初恋以来、もう既に何人もの女と関係を持ち、恋破れたが、その度《番》の陽物は私が慰めてきた。
けれどその日、嬉しそうに《番》が告げた。
「彼女は、僕のを飲んでくれたんです。
しかも、体の相性が良いのか、すごく気持ちよくて…
僕は彼女と、一生添い遂げたいと思います。」
《番》の表情は、とても幸せそうに見えた。
けれど、私の心は瞬間的に冷え切ってしまった。
視界に入るもの全てが色を無くしてしまい、食事の味はしなくなった。
これまで…《番》が生まれ、対面してから20年。私はじっと耐えてきた。
《番》に対し、これまで手を出して来なかったのは、《番》にしてしまえば閉じ込めることになってしまうからだ。
この国の王族は、本能で《番》を選ぶ。
そして《番》を囲い、愛を注ぎ続け、子を授かる。
ただし、私の父の場合は違った。
既に王妃をしていた母を、自分の兄である王と、その息子である王子から拐ったのだ。
王は、《番》を拐われると急に心身を弱らせ、亡くなってしまった。
王子は乳母と共に家を出て、王族や影からそのまま隠された。
そして、父は繰り上がりで王になった。
父は母を無理矢理に抱き潰し、母は私が生まれると心を病んで離宮に引きこもった。
そして、《番》が生まれる3年前に息を引き取った。
父は、私の祖父にあたる当時の王弟の息子だったのを、子ども時分に王弟が亡くなったので当時の王に引き取られた。
だからなのか、強く権力に拘っていたようだった。
《番》を失うかもしれないという危機を迎えた私は、《番》の婚約者との接触を図ることとなる。
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