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下
しおりを挟むループタイの飾り石は、学年カラー。
けれど、他の子息たちと違って、俺のとルドのは対になっていた。
ルドの父親から献上された飾り石で、ルドの家の公爵領で産出されたルビーから削り出した双子石だ。
ルドの手の先で、その赤が煌めいた。
拳を下ろしながらその赤に気を取られた瞬間……
ルドの顔が再び降りてきた。
俺は咄嗟にそちらへ手を延ばしてルドの唇がそれ以上こちらへ来られないようにガードした……
……のだが、ルドの唇はこちらへは来なかった。
来たのは手で、あっという間に俺のループタイは緩められ、次々とシャツのボタンが外され、開けて行く。
シャツが終われば腰を緩められ、俺のスーパーマグナム(イチモツ)を穿り出された時にはすっかり腕から力が抜けてしまった。
それを好機と見たのか、ルドは俺のスーパーマグナムに口付けた。
射出口に触れた唇、それから見せつけるように捻じ込まれた舌。
こちらを見上げるルドの視線。
チロッ
瞬間、俺の足先までを電撃が駆け抜ける。
ゆるゆると唇を離したルドが顔を上げ、ふにゃぁっと笑った。俺の頬に手を伸ばすと、
「感じてくれたみたいだね……私の気持ち。フフ…」
膝を折っていたルドが立ち上がり、その唇で触れるだけのキスを落とし、また俺の顔を見て、嬉しそうに笑った。
ルドの残り香が青臭いのに気付いて、俺のスーパーマグナムが無意識のうちに暴発したことがわかった。
それからはもう、ルドのされるがままだった。
俺の控え目な胸の突起もテラテラと光り主張が激しくなったし、青臭いのもルドの唇だけじゃなくなった。
俺の腹からも、胸からも臭うのは、ルドのだ。
俺はルドの剛直を受け入れながら、一度も抜かれることなく今は壁を頬で押している。
「アンッ…もうゃ……ゆるし……うぅ……」
「無理だな。もう止まってやれ」
また突き上げられる。
「ないっ」「イっ…ぁああーーー!!」
何度目になるか、イッてしまった時だった。
ガラリと教室の扉が開いた。
そちらを見れば、ライトの魔法球がいくつもこちらに飛んで来た。
「な! 王子殿下??」
現れたのは、たまたま見回りをしていた学園長だった。
「やっとわかってくれたようで嬉しいです。」
横座りしている俺の尻の下のルドが、本当に嬉しそうに話した……のは、ルドの実家の公爵領へ向かう馬車の中。
卒業式前日にあんなことをしでかした俺達は、《自宅謹慎》という名目で卒業式には出られなかった。
ただ、単位は充たしているため、卒業資格と卒業証書は卒業式当日の早朝、手に入れることができた。
その足で、実家にて父親へ卒業を報告、またルドとの婚姻の手続きも済み、俺は王子ではなくなった。
なんと、俺の知らないうちにルドと俺は婚約しており、俺以外の全国民がソレを一般常識と同等の位置付けで知っていたという。
だからあの女性達が頷かなかったわけだ。トホホ……
「リント、元気出してください。貴方には私が居ますからね。」
チュッ
「やっぱり服は要らなかったのでは?」
ルドは器用に俺のシャツのボタンを外しながら、反対の手で俺の顎を掴んで噛み付くようなキスをしてきた。
そしてキスしながら、シャツのボタンを下まで外し終えた手は腰を寛げ、俺の足を片方持ち上げてあっという間に腹同士が触れる向きになる。
「うん。全裸も良いけど、中途半端なのも罪深い感じがしてエロイイね。」
チュッチュッ……
「あっ…ぁあっ……乳く…やぁ! 下も、握らないでぇ!」
出発から数刻。
ルドから享受される快楽に身を任せながら、俺は公爵領までの3日間の道程がうまく進むように祈るのだった。
おしまい
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