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しおりを挟む着替え終えて仮眠室から出ると、男性陣は何やら顔を突き合せて真面目な表情をしていた。
なんだか作戦本部みたいな緊迫した空気に声が掛けられず、暫く佇んでいると、島津が気付いて手招きをしてくれた。
寄って行くと、
「きゃん!」
腰を捕われ島津の右腿に腰を下ろしてしまった。
ち…いいえ、部長はハッとした後に視線を逸しがちになり、山代さんは茶化すように軽く口笛を吹いた。
旭さんが貸してくれたのがタイトスカート付きのスーツで、彼女の方が私より背が低いため、ミニスカートになってしまい、そのせいかすごく恥ずかしい。
腰を掴まれているせいで立ち上がることもできなくて、抗議のために島津の胸を叩いて下から睨み付ければ、島津は口元を押さえて顔を背け、プルプルと震えている。
どうやら私の怒りが通じたらしく、
「部長…早た……」
「ダメだ。灯行くぞ。空ちゃんに代わって、コイツにはしっかり仕事させるから、安心して。」
あまりの恐ろしさに早退を願い出て、山代さんに却下されたまま、部長室から連行されて行った。
「愛でたい…」
「ほらティッシュ。灯、鼻血出てんぞ!」
「すんません! ありがとうございます!」
職場とは言え最愛の奥さんにメロメロになった俺は、始業10分で奥さんをお持ち帰りしようとして、上司に奥さんと引き離された。
まぁ、早退は受理されまい。
何故なら、俺と山代さんにはやることがあるから。
これから、業務を滞らせることなく総務部の掃除をするのだ。
山代さんは、総務の仕事を滞らせることなく人員を異動させるプランを考え、違和感を残さないように示す。
俺は山代さんの分も貰って仕事をしつつ、総務部の面々の出向先へあたる。
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俺(達)の最愛を傷付けておいて、逃げられると思うなよ!
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