なぜか、同期のモテ男に好かれてしまったのですが…

325号室の住人

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着替え終えて仮眠室から出ると、男性陣は何やら顔を突き合せて真面目な表情をしていた。
なんだか作戦本部みたいな緊迫した空気に声が掛けられず、暫く佇んでいると、島津が気付いて手招きをしてくれた。

寄って行くと、

「きゃん!」

腰を捕われ島津の右腿に腰を下ろしてしまった。

ち…いいえ、部長はハッとした後に視線を逸しがちになり、山代さんは茶化すように軽く口笛を吹いた。

旭さんが貸してくれたのがタイトスカート付きのスーツで、彼女の方が私より背が低いため、ミニスカートになってしまい、そのせいかすごく恥ずかしい。

腰を掴まれているせいで立ち上がることもできなくて、抗議のために島津の胸を叩いて下から睨み付ければ、島津は口元を押さえて顔を背け、プルプルと震えている。

どうやら私の怒りが通じたらしく、

「部長…早た……」
「ダメだ。あかり行くぞ。スカイちゃんに代わって、コイツにはしっかり仕事させるから、安心して。」

あまりの恐ろしさに早退を願い出て、山代さんに却下されたまま、部長室から連行されて行った。






「愛でたい…」
「ほらティッシュ。灯、鼻血出てんぞ!」
「すんません! ありがとうございます!」

職場とは言え最愛の奥さんにメロメロになった俺は、始業10分で奥さんをお持ち帰りしようとして、上司に奥さんと引き離された。

まぁ、早退は受理されまい。
何故なら、俺と山代さんにはやることがあるから。

これから、業務を滞らせることなく総務部の掃除をするのだ。

山代さんは、総務の仕事を滞らせることなく人員を異動させるプランを考え、違和感を残さないように示す。

俺は山代さんの分も貰って仕事をしつつ、総務部の面々の出向先へあたる。

ウチの会社はクリーンだが、クリーンでなさそうなところへ彼女らを送って、できたら2度とこちらへ干渉できないようにしたいのだ。
そのための新規開拓もしなければならなかった。

俺(達)の最愛を傷付けておいて、逃げられると思うなよ!


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