大晦日の夜に

325号室の住人

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防犯カメラは、階段からは見えにくい死角を映し出すように設置されている。

階段を上がりきった俺は、まずは耳を澄ました。
先程の映像を思い返せば、何某かの音声が聞こえると思ったのだ。

しかし聞こえる範囲では、逆に外のクラクションやエンジン音、急行電車の通過音の方がよく聞こえる程だった。

仕方なく、防犯カメラが映している左の柱を回り込んだ向こう側へ足を向ける。

残念ながら童貞な俺は、最近見たAVを思い出しながらどんな音がするものか思い浮かべながら近付く。




……が、何とそこは無人だった。




トレーがあったテーブルも、そのテーブルの下も無人。
ベンチへ向かってもヤった形跡もなかった。



──あの防犯カメラの映像は何だったんだろう…

階下へ戻るため、階段の方へ踵を返した時だった。

フッ

店の照明が消え、光るのは緑と白と赤。非常口と消火器の在り処を知らせるもののみ。

──まさか、霊的な…?

オバケが苦手な俺は、背筋がゾゾゾーッとした。


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