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俺の女神 バルトル視点
しおりを挟む俺はとある侯爵家の嫡男である、バルトルという。
俺は学園生時代に女神に会った。
名をエリサと言う。
友人である公爵家子息、シュレイザーの家で行儀見習いをしていた彼女。
俺は、何度も彼女にアタックした。
何度かした贈り物も受け取って貰えなかったり、彼女の好きなものも誕生日もなかなか教えてもらえなかった。
けれど、俺は嫡男だ。
いつかは婚姻をしなければいけなくなる。
父母からは《彼女が成人するまでに婚約できたら》と条件をつけられていたものの、俺は玉砕。
そこをなんとかと頭を下げ、《俺が侯爵家の当主を継ぐまでに》と延長してもらって、俺は友人のシュレイザーと共に王子殿下の側近の仕事をしながら、彼女が結婚を考えるその時をじっと待った。
その時は急にやってきた。
彼女の実家が、嵐で損壊したそうだ。
真面目な彼女はそれまでも仕送りをしていたが、それでは足りなかったそうで、彼女は自ら娼館へ借金をして公爵家の仕事も辞めてしまった。
シュレイザーは、俺がしつこく彼女を思っていることを知っていたので、実家に暮らしながらよく彼女を見張っていてくれた。
けれど、彼女のフットワークが軽すぎたこと、彼女が相談したのがシュレイザーの父君である現当主だったことで、俺まで情報が回ってくるのに時間が掛かってしまったのだった。
しかし、神は俺を見捨てなかった。
実家の父に泣きついて父から借金をする形で、彼女をギリギリのところで手に入れることができた。
「君の実家の修繕については、今朝、業者を手配した。もう午後には作業を始めているので安心してくれ。
それから、君が給金を前借りした娼館だが、金は少し上乗せして返金扱いとなった。
もう、君とあの娼館とに関わりはないので安心してくれ。」
彼女には正しい情報を伝えなければと考えた。
だって俺はエリサを、借金のカタとして買った訳ではない。
好きだから、愛しているから、彼女の実家の修繕費なんかを父に借金したんだ。
「そして、君には今日から私の邸で暮らしてもらう。以前から伝えているように、私は君のことが好きだよ、エリサ。
だから、お金のことは何も心配せず、私のところに嫁いできて欲しい。
エリサ嬢、私と婚姻しよう!」
俺はエリサに気持ちを伝え、指輪を贈った。
すっかり大人なのに、右と左を間違えたのは恥ずかしいけれど、何にしてもこれで俺は女神と婚姻することができた。
エリサにはイマイチ俺の気持ちが伝わっていないように感じたけれど、気持ちは後から育めばいいと思った。
この後のロマンティックな初夜を思い浮かべながら、俺は彼女を抱き上げて自宅へと向かった。
王都にある侯爵邸に到着すると、俺の初恋を長年見守っていてくれていた使用人達に出迎えられた。
いや、エントランスに立つのは執事だけだが、他の者は物陰に隠れながら俺にサムズアップを贈ってくれた。
執事には彼女を迎えに行く前に、今日自分が女神を連れ帰ること、そのまま初夜となるので絶対に朝まで部屋に近付くなと話しておいたのだった。
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