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ソーマの本能
しおりを挟む「ケイ…起きてください。ケイ…」
「……んんぅ……もぅゆるしてぇっ」
「そんな可愛らしいこといつまで言ってたら、襲いますよ?」
「ィヤあ…もう無理…」
その時、唇を柔らかいものに触れられた。
むちゅっチュッチュッ…んちゅぅ……
室内に響くリップ音。
「はあぁっ…はぁっ……」
呼吸を整えながらゆっくり瞼を上げると、目の前に舌なめずりをするソーマがいた。
「ケイ…そんな顔して、絶対に誘っていますよね。」
「………………へ?」
「はぁ…ケイをこんなにしてるのは私ではありますが、私の行いでこんな表情になってしまう自身を悔やんでくださいね。」
「え…?」
そのまま僕の上にソーマが伸し掛かってきて、明け方まで抱き合っていた僕たちはまた朝から一戦交えてしまった。
「「ぁあああああぁぁぁーーーーー!!」」
僕はまた頭の天辺が熱くなり、何かが昇華するのを感じた。
それから…
「申し訳ありませんでした!」
理性を取り戻したソーマのいつもの言葉に続き、体を抱えられて浴室に向かう。
シャワーを浴びようとお湯の落下点へ進む背中をそのまま突き当りの壁に押し付けられ、今度は立ったまま後ろから挿入される。
ややあって……
「「ぁあああぁぁぁーーー!!」」
頭の天辺から、何かが昇華された。
身体を反転され、深いキスをされながらも二人分のネトネトやベタベタをシャワーで清め、ベッドまで戻ってくれば、
「申し訳ありませんでした!!」
詫びた後、顔を上げたソーマは目がとろんとしていて深いキスをされる。
臍に押し付けられる下半身に内心呆れる僕。
──ソーマよ…君の理性は飛びすぎるだろう……
それからソーマを自分の体から剥がして彼の両肩を揺すれば、すぐにソーマの理性が戻ってきた。
そこでやっと、ソーマがなぜ僕を起こしたのか、ソーマの理性は用件を思い出してくれた。
どうやら急いで着替えなければならないらしい。
ならば、こんなに足腰がダメになる前に教えてほしかったぞ、ソーマ!
「魔法がちゃんと行使できればこんなの一瞬なのに…」
なんてことをぶつくさ言いながら、ソーマは腰が立たない僕に、お貴族様調の服を着せる。
ちなみに、襟元はフリフリ、袖はボリューミー、下のズボンはパツパツで、膝下までの編み上げブーツという、純日本人顔の僕に似合わない組み合わせ。
「できた!」
同時に抱き上げられ、お姫様抱っこ状態で部屋を出る僕たち。
──どこへ向かってる?
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