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婚約或いは婚姻申し込み

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目が覚めた。
辺りは明るい。

えっと…昨日は………
もろもろを思い出して、思わず両手で顔を覆って俯せになり、そのまま足をバタバタさせた。

初カレとキスした夜の女子みたいじゃないか。
三十路のおっさんな自分を思い出して自分でツッコみ、苦笑いした。

ここは、ソーマの家だ。
また転移して戻ってきたのだろうか。

とりあえずお腹が空いていて階下へ降りるため服を探すが、いつもはほっぽり出してある服が今日に限って一枚もない。

仕方ないので浴室を回って、タオルで体を隠そうと思いついてドアノブに手を掛けた時だった。
ノブが勝手に回り、こちらへ扉が開いてきた。

「わわッ!」

慌てて飛び退けば、

「ケイ! 目覚めてくれてありがとう!!」

入って来たソーマに、ギューギューに抱きしめられた。

「ぐげげ…」

変な声が出てしまえば、ソーマが腕を緩めてくれた…と思ったら、今度は泣いている。

「ケイ…もう目覚めてくれないかと……良かったぁ。ううぅっ……」

聞くところによると、僕は十日ばかり眠っていたそうだ。
口内とは言え僕のナカへ射精したことで、ダヴィさんは解呪されたとのことだ。
とても喜んで、父王から次の王にと指名されたのが今から五日前とのことだった。

とりあえずソーマに着替えを出してもらい、サッとシャワーを浴びてからソーマに魔法で着替えさせてもらった。

それから、僕の希望で食堂での食事となる。

ソーマ的には十日ぶりだが、僕にとっては一日という気分で、肉をガツガツ食べた。

丁度食べ終えたという頃、ノックののち、ソーマのお父上様が呼んでいると言うルフネさんに続いて、当主の執務室へ向かった。

入室すると、そこには目の下に薄い隈をこさえたダヴィさんの姿があった。

お父上様の指示で、ダヴィさんの向かいにソーマと隣り合って掛けると、真剣な面持ちのダヴィさんが口を開いた。

「ケイ。君に婚約或いは婚姻の王太子令を出しても良いだろうか。
今回は、一週間だった。また、呪が再発したのだ。」

僕は、驚きに目を見開いた。


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