彼らの恋

325号室の住人

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モトカレ R18 本番表現なし   セイとリョウ

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「危ない!」
「きゃん!」

職場から駅までの間にある居酒屋へ向かうまでの道、歩道を我が物顔で走るオッチャン運転のママ電チャリとすれ違うことになり、同じ部署の同期であり友人でもあるセイの肩を引き寄せた。

──きゃん?

「ごめ…びっくりして変な声出た。」
ズクンッ

振り返るセイは本当に驚いたのだろう。目に涙を浮かべている。
ソレを見た俺の下半身がうっかりと反応してしまった。
セイは俺と同じ♂なのに。

「あ、あぁ…俺もすまなかった。」
「さっきの自転車だよね。すれ違った後だって危ない運転してたもん。ボク全然気付いてなかったよ。ありがと。」
ズクンッ

今度はセイの笑顔にやられ、下半身に血が集まる感じがする。

「……うん。」

もっと気の利いたことを言いたいのに、そんな曖昧な返事しかできない。

「じゃ、店についたら、お礼に何か奢るよ。」
「マジ?」
「うん!」
「サンキュー!」

どうやら性欲よりも食欲が勝ったようだ。
俺達は行き付けの居酒屋に急いだ。






「何にする?」
「んー…それじゃ、《お造りおまかせ盛り》で。」
「えー。もっと高いの頼んでも良いんだよ? 三点盛りにしようよ。ボクもちょっともらいたい。」
「わかった。」

座面が畳になってて、背凭れがそのまま上へ伸びた衝立てで仕切られたテーブル席に通された俺達は、おしぼりで手を拭くと早速メニューを開く。

いつもは、とりあえずの生(ジョッキ)とお通しで始まるこの《週末お疲れさん会》だけれど、今日はセイの奢り分の注文のため手順が違った。

「あとは…ごめんリョウ君、ボクにもちょっと見せてよ。」
ズクンッ

セイがメニューを見るため俺の隣へやって来た。
下半身が反応したのは、隣からセイの体臭が香ったからだ。
ひと仕事終えた週末、完全に気を抜いてしまっていたとは言え、俺の下半身はヤバい反応速度だ。

「ごめん、ちょっとトイレ。」

俺は通路側に座るセイに立ってもらうと、トイレに急ぐ。
これから飲酒するならシモも緩くなりがちだろうから、先に処置していこうと判断した次第である。

いくつかある個室の真ん中に入る。
スラックスと下着は汚れたらマズイから足まで抜いてしまい、扉のフックに引っ掛けた。
便座に両膝を立てて噴射口を便器へ向けると、先程俺の下半身を反応させたもろもろを思い出しながら扱く。

ノッてきた時、店内へ続く扉の開閉音が聞こえ、トイレ内の下駄が2人分鳴ると、その2つが2つとも俺の隣の同じ個室へ消えた。

「ねぇ、隣の彼、本当に君の元彼なの?」
「そうですよ。」
「お兄さん、妬けちゃうな。」
「もう、この後だって田上さんでしょう? 食事の間の1時間ばかり待てないんですか?」
「……んー…無理!」
「ぁんっ!」

間もなく噴射というタイミングで聞いてしまった会話に、俺の下半身はすっかり萎えてしまう。
連続で何度も手動で水を流しながら身支度を整えると、俺はそそくさとトイレを後にした。






「遅かったね。お腹壊しちゃった? 三点盛り、先にサーモンとホタテは食べちゃったよ。」
「ん、あぁ…マグロは取っといてくれたんだな。」
「うん! リョウ君好きでしょ?」
「サンキュ!」

俺はセイの向かいに座ると、マグロを突付く。
ここの刺し身は解凍だろうけど他のチェーン店より美味い。
でも、大好きなマグロなのにあんまり味がしなかった。

実は、さっきの隣の個室の片方の声に憶えがあったのだ。
入社当時に指導係だった、今は経理部にいる田上という男だった。
当時はとても頼りになる先輩で、何度か仕事終わりに誘われたものだが、まさかあの人が…

多分、顔に出ていたのだろう。

「やっぱり体調悪いんじゃないの? ここからだと、ボクの家のほうが近いから、ちょっと休憩して行きなよ。」
「ありがとな、セイ。」

会計時にトイレ方向から歩いて来たのは、見覚えのある田上と、田上が肩を貸してフラフラと歩く、同じ社章を付けた若い男だった。
心配そうに若い男を見ていた田上は、ふと顔を上げ俺達の方に怪訝な視線を寄越すと、俺らの居た隣の席にスルッと入った。

店を出た俺は、先程トイレの個室の隣から聞こえてきた声のことをセイに話し、徒歩5分後に到着したセイのマンションに入るなりトイレで全て戻してしまう。

もろもろ介抱してもらうと、ベッドを借りて休ませてもらい、気付けば深夜……

喉が渇いたとセイに告げると、口移しで水を飲まされそのままキスへ移行する。
俺は、どうやら夢の続きを見ているようだ。
何度も下半身が反応していたから、こんな夢を見てしまったのだろう。






陽の光を感じ、瞼を上げると…

「リョウ君おはよ。」
「…ん?」

目に飛び込んできたのは、隣に寝転がる満面の笑みのセイ。

「あのさ、リョウ君は気付かなかったの? あの彼の元彼ってさ、ボクなんだ。」
「はぁああああーーーーー!!???」

一気に目が覚めたのは、言うまでもない。




        おしまい
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