彼らの恋

325号室の住人

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モトカレ 5 リョウ視点

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「なんかさ、姉が言うには今晩はしっかりラブラブしとけってメールが来たんだけど…
リョウくん、泊まりに来てくれない?」

「わかった。」






オレには今、悩みがある。

1つ目は…
オレには、会社の同期であるかわいい恋人(♂)がいるのだが、何かしらのアクシデントがあって、最後までシたことがないことだ。






あの、痴漢の域を超えた行為は、衝撃だった。
しかも、セイをあの男に接触させなければいけないらしい。

セイによると、これまでも何度かそういう危険な姉のお手伝いしごとはあったらしい。

「だから大丈夫だよ。」
なんて、セイは笑う。
でもセイは、あの動画は見ていないから。

オレは何としても、明日はセイを守るんだと誓った。



セイの家に到着すると、セイが先に室内へ入れてくれる。
そして、玄関の扉に施錠した音が聞こえた瞬間、俺はセイにキスをしようと考えていたら…

「ねぇリョウ君、今日は最後まで、シてくれる?」
セイは言うとオレの手を取り、そのままベッドまで連れて行かれた。



「じゃーん、見てぇ!」

寝室にやって来たオレは驚く。
なぜなら、良くこんなの組み立てたなっていう感想がピッタリのベッドが、部屋をほとんど埋めるように鎮座していたからだ。

「前のは?」
「あぁ、捨てた。それに、これならボクが飛んでも大丈夫だし、リョウ君ものびのびボクを抱けるから、足が攣らないでしょ?」
「まぁ、そうだけど…」

オレが答えている横で、セイはどんどん服を脱いで行く。

「もう! 何やってるの? 時間は有限なんだよ!」

セイは半ば怒りながらオレの服を剥く。

そうして出来上がった全裸の男が2人、巨大ベッドの中央に正座で向き合うの図…

「さぁ!」
セイが両手を広げてオレを招く。

「え、えと…」
たじろぐオレ。

「んー…それじゃ、いっただっきま~す!」
セイは、オレの股間に飛び込んでくる。

動揺したオレは立ち上がると、シャワールームに逃げ込む。

オレは、落ち着くために頭からシャワーを浴びた。

「はぁ…」

溜め息が出てしまうのも無理はない。
それが、オレの2つ目の悩みだからだ。

2つ目のオレの悩み、それは…
  


「リョウ君?」
追ってきたセイが、シャワールームの扉から顔を覗かせた。



オレの悩み、それは…



「おっ邪魔しま~す!」
セイが入ってきた。



オレの悩み、それは…

かわいい恋人が、性交渉に積極的過ぎることだ!



「ひゃぁんっ冷た! もう、リョウ君またこんなに冷たいのかぶって…この部屋バスタブないんだから、体が冷えちゃうよ!」
「いや、これは…」
──セイがかわいすぎるから、気合いと精神統一のために…

「あったかくしようよ。」

セイはオレの後ろにあるシャワーの温度設定を高くする。

「うわっ熱!」
「セイ!」

結局、熱めのシャワーを浴びたのはオレだった。

「んもう! 今度は熱すぎるの浴びてるの? ソレもダメだよ、リョウ君。」

今度は、自分で温度設定をいじる。
設定温度は、44度から40度へ。

振り返ろうとすると、後ろからセイに抱きつかれた。

「ねぇリョウ君、キスしよ!」

セイはキス待ち顔をする。
オレは、仕方ないなとセイにキスしてやる。
そして…

「セイ、わかってるのか? 明日はオレ達5時半起きだぞ。」
「うそ!」
「本当だ。あの路線の1番近い駅に行くには、帰りのことを考えると△□駅まで歩いた方がいい。」
「うん。」
「それに、デニムにTシャツだと、出社前にどこかで着替えなくちゃならない。」
「あ、そうか!」
「だから、いつものカフェには寄れない。朝食は食べないと途中でぶっ倒れるぞ。」
「それじゃ、その前に食べないといけないのか。」
「それに…」
「まだ何かあるの? ボク早起きするとなるともう眠いんだけど。」

そんな訳で、今日もオレと恋人はシなかった。
でもどこかホッとしている自分がいた。


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