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第3話
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「やったぞ!俺は狙っていたより上位の《剣豪》のジョブを授かったぞ!」
カッシュが嬉しそうに言ってきました。剣豪とは剣士の上位にあたるジョブで、剣の達人クラスの人たちが持っているようなジョブです。流石はカッシュですね!
「やったな!俺も狙い以上の《アーチャー》のジョブを授かったぞ!」
おお!キースも狩人の上位に当たるジョブを授かったようです!狩人が単に下位の魔物や動物を狩るのに有効なスキルを覚えやすいのに対し、アーチャーは狩人の特性に加えて、対人や強力な魔物を狩ることに有効なスキルを覚えやすいといわれています。
「2人ともやるじゃない!私だけ当たりを引いたと思ってたら2人も当たりを引いたみたいね!!」
「おっ!その物言い、ニナもいいジョブを授かったようだな?一体何のジョブを授かったんだ?」
「えへへへ…何と、《赤魔導師》だよ!!すごいでしょ?」
ニナも凄いよ!赤魔導師は魔導師や僧侶の両方の上位のジョブにあたり、中級クラスまでの魔法ならば攻撃魔法でも、回復魔法でも、補助魔法でも大抵のものは使いこなせるようになるといわれてます。
3人とも本当に凄いよ!!
「おお!赤魔導師とはまた豪華だな!!やったな!」
「みんな凄いわね!あとはロンだけね?どうだった?」
「みんなおめでとう!!流石だよ!
でも僕は…みんなのような優秀なジョブとはいえないかも…聞いたこともないような名前のジョブだったよ。」
この一言で3人の顔が途端に曇った。
「そうだったか…そのジョブは戦闘職なのか?それとも生産職なのか?」
少しの間のあと、カッシュが意を決して訪ねてきた。
「それが…どちらもいけるらしんだ。。」
「えっ?どちらもいけるって何て名前のジョブなんだ?」
「えっと…笑わないで聞いてね!ジョブの名前は《ボッチ》っていって、どうやら一人ぼっちのボッチの意味らしいんだ。」
「ボッチ?本当に聞いたことないな…一人ぼっちのボッチってことは1人でいることで何らかの恩恵を受けられるのか?」
「今の説明だけでそこまで分かるなんて、カッシュはやっぱり凄いね!!!このジョブはパーティーを組んでいたら、いくらレベルが上がっていても1レベルの時の能力しか発揮できないらしいんだ。
代わりに1人で戦えば普通より多く経験が積めるというメリットもあるらしいんだけど…
僕はみんなとパーティーを組みたかったよ…一緒に冒険者パーティーになる約束を守れなくてごめんね。
3人ならそんな凄いジョブを授かったんだ!例え王都でも冒険者としてきっと大成できるよ!!
僕は心の底からみんなを応援してるから!」
「「ロン……。」」
「でもそれなら、一緒に冒険者になればいいじゃない?」
「おい、ニナ!今の話聞いてただろ?パーティーを組めないんだぞ!一緒に冒険者は無理だろう!!」
「うん!だから私たちは3人でパーティーを組んで、ロンはソロの冒険者としてやっていけばいいんじゃない?
クエストは一緒にできなくても、拠点とする宿を一緒にしたら、ご飯なんかも一緒に食べたりもできるだろうし…完全に離ればなれではなくなるでしょ?
ソロで冒険者をするのは受けられる依頼がかなり限定されるだろうし、大した稼ぎにならないかもしれないから、無理には勧められないけど…
私はみんなとまだ離れたく無いもん!」
「ニナ…」
僕は予想外のニナの言葉に、真っ暗闇になっていた未来に一筋の明かりが灯されたようでした。
僕もみんなと離れたくない!!
「僕…やってみるよ!ソロで冒険者としてやっていくよ!!!僕もみんなと離ればなれになりたくないんだ!」
こうして予定とは違った形とはなりましたが、僕たち幼なじみ4人は王都で冒険者になることにしました!
出発は3ヶ月後となりました。
それまでは各自準備を整える流れとなりました。
何故そんなに先なのかって思われてるでしょう?
ジョブを授かったばかりの僕たちの強さは、まだ成人前と何も変わりません。ジョブの特性に関わるスキルを覚えやすくなったに過ぎないのです。
レベルを上げるにしろ、安全に上げる為にまずはスキルを覚えることが先決なのです。
冒険者としてスタートする為にも、村でまだやるべきことはまだ沢山なのです!逆に王都で冒険者になるのなら、3ヶ月という期間は普通なら短すぎるくらいなんです!
剣豪のジョブを授かったカッシュは村一番の剣の使い手であるダルおじさんに師事して、剣の基本的スキルをこの3ヶ月で得ようと努力しています。
アーチャーのジョブを授かったキースは、これまた村一番の狩人であるリグルスさんに師事して、弓の基礎をみっちり叩き込まれています。
リグルスさん…よく大きな声で怒鳴ってて怖いから僕は苦手なんですよね…
赤魔導師のジョブを授かったニナは、さらに忙しく、教会の司祭様から回復魔法や補助魔法を、村でも数少ない魔法の使い手であるアリサお婆ちゃんから攻撃魔法を習っているようです!!
アリサお婆ちゃんは昔冒険者として活躍していたそうです。
そして最後にボッチのジョブを授かった僕ですが、正直何を伸ばしていけばいいのか皆目見当もつきません。
僕は元々器用貧乏なので、どんな武器でもそれなりに使えていましたが、逆にこれといって得意な武器もありません。ジョブの特性で何でもできると書かれていましたし、特に拘りがない分、どの部分を伸ばせばいいか凄く悩んでいます。
ソロで冒険者になるのなら、自分で回復魔法を使えた方がいいのかな?とも考えましたが、ボッチの特性に1人なら自然回復能力が5倍になると書かれていたのと、他の人に使用することができないとあったので止めておきました。
ジョブの特性といえば、ボッチは他の人が作った生産物を使用すると効果が3分の1となり、自分で作成した物を使用したら効果が3倍になると書かれてましたので、装備もポーションや薬草も全て自分で作った方が効率的だということに思い立ちました。
この3ヶ月間僕はまずは生産職のスキルを覚えることに専念しようと誓いました。
理由は先に話した効率のこともあるのですが、保険の要素も入ってます。僕自身いきなり王都でソロの冒険者として生計を立ていける自信もなかったので、冒険者としてやっていけなくても、最悪王都で生産職系のバイトをして稼げるだろうと考えたのです!
それともう1つ…3人に何か役立つ物を作ってあげられれば、パーティーメンバーとしては支えられなくても、間接的に役立つことができると考えたのです。
こうして僕たちの準備期間といえる3ヶ月の生活は始まったのです。
カッシュが嬉しそうに言ってきました。剣豪とは剣士の上位にあたるジョブで、剣の達人クラスの人たちが持っているようなジョブです。流石はカッシュですね!
「やったな!俺も狙い以上の《アーチャー》のジョブを授かったぞ!」
おお!キースも狩人の上位に当たるジョブを授かったようです!狩人が単に下位の魔物や動物を狩るのに有効なスキルを覚えやすいのに対し、アーチャーは狩人の特性に加えて、対人や強力な魔物を狩ることに有効なスキルを覚えやすいといわれています。
「2人ともやるじゃない!私だけ当たりを引いたと思ってたら2人も当たりを引いたみたいね!!」
「おっ!その物言い、ニナもいいジョブを授かったようだな?一体何のジョブを授かったんだ?」
「えへへへ…何と、《赤魔導師》だよ!!すごいでしょ?」
ニナも凄いよ!赤魔導師は魔導師や僧侶の両方の上位のジョブにあたり、中級クラスまでの魔法ならば攻撃魔法でも、回復魔法でも、補助魔法でも大抵のものは使いこなせるようになるといわれてます。
3人とも本当に凄いよ!!
「おお!赤魔導師とはまた豪華だな!!やったな!」
「みんな凄いわね!あとはロンだけね?どうだった?」
「みんなおめでとう!!流石だよ!
でも僕は…みんなのような優秀なジョブとはいえないかも…聞いたこともないような名前のジョブだったよ。」
この一言で3人の顔が途端に曇った。
「そうだったか…そのジョブは戦闘職なのか?それとも生産職なのか?」
少しの間のあと、カッシュが意を決して訪ねてきた。
「それが…どちらもいけるらしんだ。。」
「えっ?どちらもいけるって何て名前のジョブなんだ?」
「えっと…笑わないで聞いてね!ジョブの名前は《ボッチ》っていって、どうやら一人ぼっちのボッチの意味らしいんだ。」
「ボッチ?本当に聞いたことないな…一人ぼっちのボッチってことは1人でいることで何らかの恩恵を受けられるのか?」
「今の説明だけでそこまで分かるなんて、カッシュはやっぱり凄いね!!!このジョブはパーティーを組んでいたら、いくらレベルが上がっていても1レベルの時の能力しか発揮できないらしいんだ。
代わりに1人で戦えば普通より多く経験が積めるというメリットもあるらしいんだけど…
僕はみんなとパーティーを組みたかったよ…一緒に冒険者パーティーになる約束を守れなくてごめんね。
3人ならそんな凄いジョブを授かったんだ!例え王都でも冒険者としてきっと大成できるよ!!
僕は心の底からみんなを応援してるから!」
「「ロン……。」」
「でもそれなら、一緒に冒険者になればいいじゃない?」
「おい、ニナ!今の話聞いてただろ?パーティーを組めないんだぞ!一緒に冒険者は無理だろう!!」
「うん!だから私たちは3人でパーティーを組んで、ロンはソロの冒険者としてやっていけばいいんじゃない?
クエストは一緒にできなくても、拠点とする宿を一緒にしたら、ご飯なんかも一緒に食べたりもできるだろうし…完全に離ればなれではなくなるでしょ?
ソロで冒険者をするのは受けられる依頼がかなり限定されるだろうし、大した稼ぎにならないかもしれないから、無理には勧められないけど…
私はみんなとまだ離れたく無いもん!」
「ニナ…」
僕は予想外のニナの言葉に、真っ暗闇になっていた未来に一筋の明かりが灯されたようでした。
僕もみんなと離れたくない!!
「僕…やってみるよ!ソロで冒険者としてやっていくよ!!!僕もみんなと離ればなれになりたくないんだ!」
こうして予定とは違った形とはなりましたが、僕たち幼なじみ4人は王都で冒険者になることにしました!
出発は3ヶ月後となりました。
それまでは各自準備を整える流れとなりました。
何故そんなに先なのかって思われてるでしょう?
ジョブを授かったばかりの僕たちの強さは、まだ成人前と何も変わりません。ジョブの特性に関わるスキルを覚えやすくなったに過ぎないのです。
レベルを上げるにしろ、安全に上げる為にまずはスキルを覚えることが先決なのです。
冒険者としてスタートする為にも、村でまだやるべきことはまだ沢山なのです!逆に王都で冒険者になるのなら、3ヶ月という期間は普通なら短すぎるくらいなんです!
剣豪のジョブを授かったカッシュは村一番の剣の使い手であるダルおじさんに師事して、剣の基本的スキルをこの3ヶ月で得ようと努力しています。
アーチャーのジョブを授かったキースは、これまた村一番の狩人であるリグルスさんに師事して、弓の基礎をみっちり叩き込まれています。
リグルスさん…よく大きな声で怒鳴ってて怖いから僕は苦手なんですよね…
赤魔導師のジョブを授かったニナは、さらに忙しく、教会の司祭様から回復魔法や補助魔法を、村でも数少ない魔法の使い手であるアリサお婆ちゃんから攻撃魔法を習っているようです!!
アリサお婆ちゃんは昔冒険者として活躍していたそうです。
そして最後にボッチのジョブを授かった僕ですが、正直何を伸ばしていけばいいのか皆目見当もつきません。
僕は元々器用貧乏なので、どんな武器でもそれなりに使えていましたが、逆にこれといって得意な武器もありません。ジョブの特性で何でもできると書かれていましたし、特に拘りがない分、どの部分を伸ばせばいいか凄く悩んでいます。
ソロで冒険者になるのなら、自分で回復魔法を使えた方がいいのかな?とも考えましたが、ボッチの特性に1人なら自然回復能力が5倍になると書かれていたのと、他の人に使用することができないとあったので止めておきました。
ジョブの特性といえば、ボッチは他の人が作った生産物を使用すると効果が3分の1となり、自分で作成した物を使用したら効果が3倍になると書かれてましたので、装備もポーションや薬草も全て自分で作った方が効率的だということに思い立ちました。
この3ヶ月間僕はまずは生産職のスキルを覚えることに専念しようと誓いました。
理由は先に話した効率のこともあるのですが、保険の要素も入ってます。僕自身いきなり王都でソロの冒険者として生計を立ていける自信もなかったので、冒険者としてやっていけなくても、最悪王都で生産職系のバイトをして稼げるだろうと考えたのです!
それともう1つ…3人に何か役立つ物を作ってあげられれば、パーティーメンバーとしては支えられなくても、間接的に役立つことができると考えたのです。
こうして僕たちの準備期間といえる3ヶ月の生活は始まったのです。
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