【R18】「凍る視線、火照る夜」

Monchériri

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崩れる境界線

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カラオケの個室に入ると、まずは圭介と私で選曲合戦。
同い年だからか、懐かしい曲が次々と合って、思いがけず盛り上がる。

ワイワイとした雰囲気の中…

さすがに長時間飲んでいるせいか、みんな少しずつ疲れが見え始めていた。
テンションも、微妙に落ち着き気味。

そんな中、ちょっと世代の違う悠太は、ぽつんとひとりだけ取り残されたような表情。
曲のノリも、話題も、少しズレているのが伝わってくる。

……だから
私はこっそり、追い酒を仕掛けることにした。

店員を呼び、テキーラを人数分オーダー。
音も立てず、静かに届くように。

数分後、店員がトレーにショットグラスを乗せて部屋に入ってくると、
悠太が思わず口にした。

「うわー、やってるよ。麗子と飲むと、毎回こうなるんだよな~」

呆れたような笑顔に、どこか諦めが混じっていて、それがなんだか可笑しくて。

結局、乾杯!と全員でグラスを掲げた。
その一杯からスイッチが入ったのは、言うまでもない。

テンションの上がった私は、さらにテキーラを追加注文。
気づけば、みんなで7~8杯は煽っていた。
気持ちよく笑い合いながら、全員すっかり酔いの中。

でも──
ここまでは、“いつものこと”。

悠太は、酔うと毎回、距離感がバグる。
それは男女問わず誰に対しても、ぐっと近づく。
悪気はない。ただ、酔った勢いのまま、その場の“心地よさ”に素直なだけ。

麗子も、もう何杯目かのテキーラで、ほとんどどうでもよくなっていた。
気持ちいい音楽とお酒と空気に包まれて、思考がふわふわと浮いている。
「ん~、酔った~」とフラフラしながら、気づけば悠太の肩にもたれかかっていた。

その様子を見ていた圭介が、声をあげた。

「は?なにそれ?ずるーい!」

そう言いながら、ふたりの間にスッと入り込んできた。
そして──一瞬の迷いもなく
圭介は麗子の顔を引き寄せ、突然キスをした。

驚く間もなく、唇が重なる。
麗子は完全に酔っていて、思考も判断もどこか遠く…
そのキスが妙に気持ちよくて…身を任せてしまった。

次の瞬間。
悠太の腕がぐいっと麗子の腰を引き寄せる。
そのまま、今度は悠太の唇が、ぐっと強く重なった。

さっきのキスとは違う…
熱くて、濃くて、気持ちをぶつけるようなキスだった。

そして──
その瞬間
場の空気は、完全に“普通”じゃなくなった。

カラオケのBGMだけが、妙に軽く流れていた。
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