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番外編 瑠可/楓
番外編 Luka-12
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バシッ
頬を叩かれ地面に倒れる。
恐怖で強張った体は受け身を取ることもできないまま倒れた。
ぶつけた腕やお腹が痛い。
反抗的だと篠崎さんから「謝りなさい」と言われ、ボクは「嫌だ」と返す。
その度、平手で叩かれる。
篠崎さんの力に、ボクは簡単に地面に倒される。
今ので何回目だったかな?
頬は叩かれすぎてジンジンして熱く、もう叩かれても衝撃だけで痛みはほとんど感じなくなった。
「そろそろ、ごめんなさいって言えるよね?」
「……言わない…ボクは篠崎さんと別れます」
パシンッ
また叩かれた。
「本当に瑠可は我儘だなぁ。もう此処で番にしてあげようか?」
「や、やだっ」
篠崎さんから離れようとするけど、すぐ捕まってしまう。
「これ邪魔だな。瑠可、噛めないから外して」
「やだっ、触らないでっ」
ネックプロテクターに触る手を叩いて除けると、今度は拳で殴られた。
唇の端が切れて、口の中が鉄の味がした。
「嗚呼。反抗する瑠可がいけないんだからね。さあ、そろそろ移動しよう」
「……ゃっ…」
「ホテルに着いたら僕が瑠可を隅々まで綺麗にしてあげるね。綺麗になったら促進剤を打ってあげるから一緒に気持ち良くなろう。瑠可、痛いセックスは嫌だろう?」
首を横に振って抵抗すると篠崎さんにもう一度殴られた。
倒れ込んで動けないボクは篠崎さんに抱え上げられる。
「ふぇっ、やだぁ……助けて……かえ、で…」
恐怖で心は限界を超えて、ここにいない人の名を呼ぶ。
その時、ダンっと踏み込む音がした。
「瑠可っ」
❇︎❇︎❇︎❇︎❇︎
ボクを抱えたまま篠崎さんが振り返ると、そこにスーツ姿の楓兄がいた。
「あれ、面接はもう終わったのかい?」
「はっ、はあっ、んなわけねぇよ」
「だよね。ごめんね」
走ってきてくれたのか、ゼェゼェと苦しそうに呼吸をして、滝の様に流れる汗でスーツの下のシャツは濡れていた。
「おっさん、瑠可を離せよ」
「何故?瑠可はこれから僕の番になるんだよ」
浮かべた笑みを一切崩さない篠崎さんの顔にボクはガクガクと震えた。
楓兄は不愉快そうに眉間の皺を深くして、大きく息をついた。
「それは瑠可が決めたことなのか?」
「決める?決めるのはアルファである僕だよ。子供を産むしか能力がないオメガに相手を決める権利はない。君も同じアルファなら分かるだろう?」
どこまでもオメガを見下す篠崎さんに首筋を撫でられ、ボクは「ヒッ」と声を上げる。
楓兄の眉間の皺が深くなった。
「はぁ?生憎、うちの一族のトップはオメガなんで、あんたの言うことはさっぱりわかんねぇな。あと、オメガを差別して貶める発言はうちの一族に喧嘩売ったっておっさんわかってる?」
「オメガの一族?……え、まさか」
篠崎さんの笑みは崩れた。
緩んだ腕からボクは地面に落ちて、体を打ちつけた。
「瑠可っ…大丈夫か?」
「う、うん」
楓兄はボクに駆け寄り起こしてくれた。
楓兄の匂いに少しだけ震えがおさまる。
数歩後ろに後退した篠崎さんを楓兄は睨んだけど、すぐニャッと笑った。
「ああ、俺も調べたんだけど、おっさんの会社ってウチのばーさまの会社と取り引きしてんだな。社員がオメガを差別してるって知ったら、確実に契約切られるなぁ」
「脅しか?社会にも出てない子供の戯言を聞いて契約を切ったとなれば会社の評判が落ちるだろうね。第一証拠がない」
落ち着きを取り戻した篠崎さんは笑ってそう言ったけど、楓兄も笑みを崩さすに鼻から大きく息を吸い込んだ。
「なぁ、今、おっさんの番って4人?」
「何を…?」
「フェロモンの匂いを例えるとリンゴ、桃、キウイ、ココナッツって辺りだろ?番でミックスジュース作ってんのか?糞だな」
「ーーっ!」
篠崎さんから笑みが消え、一気に青ざめた。
「なんで判るのかって?特別に教えてやる。ウチはそういう一族なんだよ。フェロモンの匂いで相手のことがある程度判るんだよ。信用できる相手かどうか、な」
「ば、化け物かっ」
「化け物、結構。大事なもん守れんなら、バケモンになってやるよ」
楓兄はニヤリと笑うと、怯えた篠崎さんは更に後退り壁にぶつかり尻餅をついた。
ボクは展開の速さに理解が追いつかず、ぼぅっと成り行きを眺めた。
「なあ、瑠可」
「え…」
「お前はどっちを選ぶ?それともどっちも選ばない?」
困った様な顔でボクを覗き込んだ。
クズか。
化け物か。
それ以外。
「そんなの……楓がいいに決まってる。楓じゃなきゃヤダ!」
ボクは楓兄のジャケットを掴んで必死に叫んだら、ふっと楓兄が笑った。
頬を叩かれ地面に倒れる。
恐怖で強張った体は受け身を取ることもできないまま倒れた。
ぶつけた腕やお腹が痛い。
反抗的だと篠崎さんから「謝りなさい」と言われ、ボクは「嫌だ」と返す。
その度、平手で叩かれる。
篠崎さんの力に、ボクは簡単に地面に倒される。
今ので何回目だったかな?
頬は叩かれすぎてジンジンして熱く、もう叩かれても衝撃だけで痛みはほとんど感じなくなった。
「そろそろ、ごめんなさいって言えるよね?」
「……言わない…ボクは篠崎さんと別れます」
パシンッ
また叩かれた。
「本当に瑠可は我儘だなぁ。もう此処で番にしてあげようか?」
「や、やだっ」
篠崎さんから離れようとするけど、すぐ捕まってしまう。
「これ邪魔だな。瑠可、噛めないから外して」
「やだっ、触らないでっ」
ネックプロテクターに触る手を叩いて除けると、今度は拳で殴られた。
唇の端が切れて、口の中が鉄の味がした。
「嗚呼。反抗する瑠可がいけないんだからね。さあ、そろそろ移動しよう」
「……ゃっ…」
「ホテルに着いたら僕が瑠可を隅々まで綺麗にしてあげるね。綺麗になったら促進剤を打ってあげるから一緒に気持ち良くなろう。瑠可、痛いセックスは嫌だろう?」
首を横に振って抵抗すると篠崎さんにもう一度殴られた。
倒れ込んで動けないボクは篠崎さんに抱え上げられる。
「ふぇっ、やだぁ……助けて……かえ、で…」
恐怖で心は限界を超えて、ここにいない人の名を呼ぶ。
その時、ダンっと踏み込む音がした。
「瑠可っ」
❇︎❇︎❇︎❇︎❇︎
ボクを抱えたまま篠崎さんが振り返ると、そこにスーツ姿の楓兄がいた。
「あれ、面接はもう終わったのかい?」
「はっ、はあっ、んなわけねぇよ」
「だよね。ごめんね」
走ってきてくれたのか、ゼェゼェと苦しそうに呼吸をして、滝の様に流れる汗でスーツの下のシャツは濡れていた。
「おっさん、瑠可を離せよ」
「何故?瑠可はこれから僕の番になるんだよ」
浮かべた笑みを一切崩さない篠崎さんの顔にボクはガクガクと震えた。
楓兄は不愉快そうに眉間の皺を深くして、大きく息をついた。
「それは瑠可が決めたことなのか?」
「決める?決めるのはアルファである僕だよ。子供を産むしか能力がないオメガに相手を決める権利はない。君も同じアルファなら分かるだろう?」
どこまでもオメガを見下す篠崎さんに首筋を撫でられ、ボクは「ヒッ」と声を上げる。
楓兄の眉間の皺が深くなった。
「はぁ?生憎、うちの一族のトップはオメガなんで、あんたの言うことはさっぱりわかんねぇな。あと、オメガを差別して貶める発言はうちの一族に喧嘩売ったっておっさんわかってる?」
「オメガの一族?……え、まさか」
篠崎さんの笑みは崩れた。
緩んだ腕からボクは地面に落ちて、体を打ちつけた。
「瑠可っ…大丈夫か?」
「う、うん」
楓兄はボクに駆け寄り起こしてくれた。
楓兄の匂いに少しだけ震えがおさまる。
数歩後ろに後退した篠崎さんを楓兄は睨んだけど、すぐニャッと笑った。
「ああ、俺も調べたんだけど、おっさんの会社ってウチのばーさまの会社と取り引きしてんだな。社員がオメガを差別してるって知ったら、確実に契約切られるなぁ」
「脅しか?社会にも出てない子供の戯言を聞いて契約を切ったとなれば会社の評判が落ちるだろうね。第一証拠がない」
落ち着きを取り戻した篠崎さんは笑ってそう言ったけど、楓兄も笑みを崩さすに鼻から大きく息を吸い込んだ。
「なぁ、今、おっさんの番って4人?」
「何を…?」
「フェロモンの匂いを例えるとリンゴ、桃、キウイ、ココナッツって辺りだろ?番でミックスジュース作ってんのか?糞だな」
「ーーっ!」
篠崎さんから笑みが消え、一気に青ざめた。
「なんで判るのかって?特別に教えてやる。ウチはそういう一族なんだよ。フェロモンの匂いで相手のことがある程度判るんだよ。信用できる相手かどうか、な」
「ば、化け物かっ」
「化け物、結構。大事なもん守れんなら、バケモンになってやるよ」
楓兄はニヤリと笑うと、怯えた篠崎さんは更に後退り壁にぶつかり尻餅をついた。
ボクは展開の速さに理解が追いつかず、ぼぅっと成り行きを眺めた。
「なあ、瑠可」
「え…」
「お前はどっちを選ぶ?それともどっちも選ばない?」
困った様な顔でボクを覗き込んだ。
クズか。
化け物か。
それ以外。
「そんなの……楓がいいに決まってる。楓じゃなきゃヤダ!」
ボクは楓兄のジャケットを掴んで必死に叫んだら、ふっと楓兄が笑った。
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