至高のオメガとガラスの靴

むー

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アカリちゃんの番

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「はぁ…はぁ…はぁ…ヒロ…」
「……う、んっ……アカリ、ちゃ……んっ…」
「…ぁんっ……あああっ」

アカリちゃんの強ばりが緩むのを待ってゆっくり腰を動かすとアカリちゃんから色っぽい声が漏れた。
その声と絡みつくアカリちゃんの中に、僕の動きはどんどん大きく激しくなる。

「…ああっっ…」

ピュッとアカリちゃんの中心から白濁した液体が溢れた。
アカリちゃんのお腹の上に溢れたそれを撫でるとビクンと体が跳ね、中にいる僕を締め付けた。
頭を上げると僕に向かって手を伸ばしてポロポロ涙を流す目と合った。

「ヒロ……噛…んで………ヒロ、と…番になりたい……」

ぎゅーっと抱きしめられると、僕の心臓より速い振動が胸に響く。
いつもドキドキするのは僕だけだと思っていた。
こんなに風に熱く熱く求められていたなんて知らなかった。
すごく嬉しい…。
僕も欲しい……。

「ヒロ……?」
「うん……。向き、変えよっか」

アカリちゃんはフワッと花のように微笑んだ。
僕は中から出ると「んっ…」と名残惜しそうな吐息を洩らす唇にキスをする。
そっと体をうつ伏せにしてお尻を突き出すような体勢にし、覆い被さりもう一度中に入る。

「ふあぁぁ……」

背中にキスを落としながら、腰をしっかり掴んで少しずつ奥に進む。
再びぴったりくっつくと、四つん這いのアカリちゃんの腕から力が抜けてボスンッと枕に突っ伏した。
その項を舐め、その周りにたくさんキスをする。

「ヒロ…もういいから……はやく…ぅ」
「…うん……」

口を開けアカリの項に歯を当てる。
犬歯が項の小さな窪みに引っ掛かる。

そして……

噛み付こうとした時。

『そのヒロくんは、彼の匂い、本当に判るのかな?』

『出来損ないの欠陥品アルファ様』

不意に思い出してしまった。
心の中にずっと棘のように引っかかっていた不安。
忘れていたわけじゃない……けど。

棘は穴となり、そこからドクドクとどす黒いものが溢れ出して心の中を真っ黒に染めた。

熱に浮かされたように熱かった僕の頭はすぅーっと冷えて動けなくなった。

「……ヒロ?」

歯を当てていた項から頭を上げ、アカリちゃんの中からも出る。

「……僕は……僕は……」

ずっと向き合っていなかった。
なんの努力もしなかった。

「ヒロ…?」

身を捩ったアカリちゃんの手が心配そうに僕を覗き込み頬を触れる。
その手に洪水のように涙が伝った。

「僕は……」

アカリちゃんに相応しくない…。

「ヒロ……」

止まらない涙を流し呆然としている僕を見つめていたアカリちゃんは、小さく息を吐いてベッドから降りた。
脱ぎ捨てたシャツで体を拭き、箪笥から綺麗なシャツとパンツを取り出し着替える様子が視界の隅に入った。

「ちょっと外の空気吸ってくるね」

ハッと声のする方を向くと、すでにドアを開けて出ていくところだった。

「……ぁ……」
「だいじょーぶ、門の外に出ないから」

ニコッと笑いアカリちゃんは部屋を出て行った。

パタンと玄関のドアが閉まる音が聞こえ、僕は涙を拭いてベットから降り、脱ぎ捨てた服を拾う。
立ち上がった先、窓の向こうで門に向かって歩くアカリちゃんの姿が見えた。

僕はなんて最低なことをしてしまったんだ。
何の覚悟もなく、ただ『欲しい』という欲求だけでアカリちゃんと番になろうとした。
こんな形で番になっても僕の劣等感は大きくなるだけだ。
アカリちゃんに僕の今の気持ちをちゃんと伝えよう。
今からでもアカリちゃんに相応しい僕になるため努力をしよう。
それから、ちゃんと番になるんだ。

「それまで待ってほしい」って言うんだ。

僕は服を着ると、アカリちゃんを追いかけるため部屋のドアに手を触れる。

ガシャン!

鉄が激しくぶつかる音が家の中まで響いた。
窓に駆け寄り外を覗くと、鉄製の門がグラグラと揺れていて、その近くにいたはずのアカリちゃんの姿が見えなかった。
慌てて部屋を出て、靴も履かずに玄関のドアを開け外に出る。

「アカリちゃん……?」

目の前の景色には居るはずの人が見当たらず、返ってくるはずの声もなかった。

「アカリちゃん!」

もう一度大きな声で呼んだけど、やっぱり返事はなかった。

❇︎❇︎❇︎❇︎❇︎

その数時間後、僕の前に現れたアカリちゃんに僕の決意は真っ黒に塗りつぶされた。

__________________

何度も修正したのですが、上手く書けませんでしたので、読みづらかったと思います。
この話、もう少しだけ続きます。
よかったらお付き合いください。

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